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1章
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エヴァンお兄様に説明を求められた私はお兄様の圧になぜかしどろもどろになってしまいながらも、ハンナの補足付きで何とか説明することができた。
一通り説明し終えた後、お兄様はリクをじっと見据えた。リクはさっきから居心地悪そうにしている。
「害がないかは僕では判断できかねるからお父様のところへ連れていって僕が事情を説明するよ」
「お父様には私から説明するわ。その……心細いだろうし」
リクは私が招いたのだから自分からお父様に説明したい。それに自分のいないところでリクに万が一のことがあってからでは心配だ。
お父様とお姉様は特に心配性だし、一見はぐれ精霊には見えないリクは魔物と間違えられてしまいかねない。
第一印象は大事というし、後でリクをお風呂に入れてみよう。そんなことを考えながら、お兄様に言うと「うーん……」と考え込んだ後何かを思いついたように「あ」と小さく声を上げた。
「新種の魔物の可能性はゼロではないからグレースに確認してもらおう。お父様もグレースに精霊だと判断してもらったとなれば何も言わないだろう」
そう言ってエヴァンお兄様はグレース様を呼び出した。昨日の今日でグレース様を呼び出していいのか一人焦っているとお兄様は私の思っていることを察したのか私を見て「グレースは今朝も来たんだ、精霊は暇だし大丈夫だよ」とにっこり笑った。
仮にも上位精霊を暇人?扱いするなんていいのだろうかと思っていると、辺りにキラキラと光る粒子が舞ったかと思えばグレース様が姿を現した。
「なんの用だ?」
波打つコバルトブルーの髪を靡かせながら白い絹のような肌がドレスから覗いていて艶かしさを感じるのに、気品も感じる。
今日も美しくて思わずほうっとハンナとうっとりとしているとエヴァンお兄様は昨日よりかは幾分砕けた口調でグレース様に声をかけた。
「この者が精霊かどうかグレースに判断してもらいたい」
そう言われたグレース様は固まった様子のリクに視線を向けた。リクは思いっきり目を逸らしている。
はぐれ精霊と言えど、上位精霊のグレース様に見られるのは緊張するよね……。
萎縮しているであろうリクに心の中でエールを送る。グレース様は真剣な表情でリクを見つめている。
そしてフウっと息を吐いて「この者は精霊で間違いない、見てくれは精霊には見えんが其方らには危害を加えるような輩ではない」と言った。
あたりにほっとした空気が漂う。リクは以前居心地悪そうな表情で足元の花壇を見つめている。グレース様はその様子を見て口の端を上げて「そうだ」と思い出したように言った。
「此奴は風魔法の使い手故色々と使ってやるとよい」
エヴァンお兄様は驚いたように「そうなんだ」と呟いた。確かに見た目はどっちかっていうと土魔法が得意そうである。
とりあえずお父様に報告する際の心配材料は消えたことに少しほっとした。グレース様は私の方へ向くとずいっと近づいた。
「アリア、昨日のお前が作ったアップルパイとやらはうまかった。今日は菓子は何かないか?」
キラキラと目を輝かせて詰め寄られる。グレース様のお顔が目の前にきて私はワタワタとしているとお兄様が助け舟を出してくれた。
「グレース、昨日の今日で菓子があるわけないだろう」
グレース様はむうとしながらもお兄様の言葉に引き下がった。その様子がまるで小さな子供のように可愛らしくて思わず笑ってしまいそうになった。
そういえばティアお姉様に作った焼き菓子があったことを思い出す。ティアお姉様はまだ屋敷に滞在すると言っていたので、ティアお姉様にはまた作るとしていくつかお菓子を出してしまおう。焼き菓子でよければあることをグレース様に伝えるとグレース様は目を輝かせて「食べたい」と即答したのでいくつかハンナに持ってきてもらうことにした。ハンナは急いで屋敷にかけて行った。
「それにしても見事な庭だ」
グレース様は庭園を見渡す。色とりどりの花々を背景に佇むグレース様は女神のように美しい。
「うちの庭師は優秀だからね」
エヴァンお兄様がそう言った時ポル爺のことを思い出した。
「そういえばお兄様、ポル爺を見かけませんでしたか? 道具を取りに行ったのですが」
「ああ、先程ここへくる前に会ったよ、何でも新しい苗が必要そうだからそれを取りに行ってくるってさ」
新しい苗……もしかしてさっきのリクとのやりとりを見られてたかな。ポル爺にも後でお菓子を持って行こう。
そんなことを考えていると、グレース様は庭を見てくると言ってひとりで散策しに行ってしまった。
「そうだ、ちょっとリクに話があるから」
そう言ってお兄様はリクを呼び出して私に会話が聞き取れないほどの距離まで移動した。二人で何か会話しているけど耳を澄ますも聞き取れない。
少ししてからハンナが包みを持ってやってきた。中身はスコーンとクッキーが入っている。これでも大丈夫かなと考えているところへグレース様が現れた。グレース様に手渡すとグレース様は包みを見て目を輝かせて、すぐにでも食べたそうにしている。
「ではまたくる!」と言ってあっという間にいなくなってしまった。思わず呆気に取られていると、エヴァンお兄様が「やれやれ」と苦笑いしていた。
リクの方を見ると、リクはグレース様のいなくなった後をじっと見つめていた。
こうしてリクはこの屋敷に滞在することになったのだった。
一通り説明し終えた後、お兄様はリクをじっと見据えた。リクはさっきから居心地悪そうにしている。
「害がないかは僕では判断できかねるからお父様のところへ連れていって僕が事情を説明するよ」
「お父様には私から説明するわ。その……心細いだろうし」
リクは私が招いたのだから自分からお父様に説明したい。それに自分のいないところでリクに万が一のことがあってからでは心配だ。
お父様とお姉様は特に心配性だし、一見はぐれ精霊には見えないリクは魔物と間違えられてしまいかねない。
第一印象は大事というし、後でリクをお風呂に入れてみよう。そんなことを考えながら、お兄様に言うと「うーん……」と考え込んだ後何かを思いついたように「あ」と小さく声を上げた。
「新種の魔物の可能性はゼロではないからグレースに確認してもらおう。お父様もグレースに精霊だと判断してもらったとなれば何も言わないだろう」
そう言ってエヴァンお兄様はグレース様を呼び出した。昨日の今日でグレース様を呼び出していいのか一人焦っているとお兄様は私の思っていることを察したのか私を見て「グレースは今朝も来たんだ、精霊は暇だし大丈夫だよ」とにっこり笑った。
仮にも上位精霊を暇人?扱いするなんていいのだろうかと思っていると、辺りにキラキラと光る粒子が舞ったかと思えばグレース様が姿を現した。
「なんの用だ?」
波打つコバルトブルーの髪を靡かせながら白い絹のような肌がドレスから覗いていて艶かしさを感じるのに、気品も感じる。
今日も美しくて思わずほうっとハンナとうっとりとしているとエヴァンお兄様は昨日よりかは幾分砕けた口調でグレース様に声をかけた。
「この者が精霊かどうかグレースに判断してもらいたい」
そう言われたグレース様は固まった様子のリクに視線を向けた。リクは思いっきり目を逸らしている。
はぐれ精霊と言えど、上位精霊のグレース様に見られるのは緊張するよね……。
萎縮しているであろうリクに心の中でエールを送る。グレース様は真剣な表情でリクを見つめている。
そしてフウっと息を吐いて「この者は精霊で間違いない、見てくれは精霊には見えんが其方らには危害を加えるような輩ではない」と言った。
あたりにほっとした空気が漂う。リクは以前居心地悪そうな表情で足元の花壇を見つめている。グレース様はその様子を見て口の端を上げて「そうだ」と思い出したように言った。
「此奴は風魔法の使い手故色々と使ってやるとよい」
エヴァンお兄様は驚いたように「そうなんだ」と呟いた。確かに見た目はどっちかっていうと土魔法が得意そうである。
とりあえずお父様に報告する際の心配材料は消えたことに少しほっとした。グレース様は私の方へ向くとずいっと近づいた。
「アリア、昨日のお前が作ったアップルパイとやらはうまかった。今日は菓子は何かないか?」
キラキラと目を輝かせて詰め寄られる。グレース様のお顔が目の前にきて私はワタワタとしているとお兄様が助け舟を出してくれた。
「グレース、昨日の今日で菓子があるわけないだろう」
グレース様はむうとしながらもお兄様の言葉に引き下がった。その様子がまるで小さな子供のように可愛らしくて思わず笑ってしまいそうになった。
そういえばティアお姉様に作った焼き菓子があったことを思い出す。ティアお姉様はまだ屋敷に滞在すると言っていたので、ティアお姉様にはまた作るとしていくつかお菓子を出してしまおう。焼き菓子でよければあることをグレース様に伝えるとグレース様は目を輝かせて「食べたい」と即答したのでいくつかハンナに持ってきてもらうことにした。ハンナは急いで屋敷にかけて行った。
「それにしても見事な庭だ」
グレース様は庭園を見渡す。色とりどりの花々を背景に佇むグレース様は女神のように美しい。
「うちの庭師は優秀だからね」
エヴァンお兄様がそう言った時ポル爺のことを思い出した。
「そういえばお兄様、ポル爺を見かけませんでしたか? 道具を取りに行ったのですが」
「ああ、先程ここへくる前に会ったよ、何でも新しい苗が必要そうだからそれを取りに行ってくるってさ」
新しい苗……もしかしてさっきのリクとのやりとりを見られてたかな。ポル爺にも後でお菓子を持って行こう。
そんなことを考えていると、グレース様は庭を見てくると言ってひとりで散策しに行ってしまった。
「そうだ、ちょっとリクに話があるから」
そう言ってお兄様はリクを呼び出して私に会話が聞き取れないほどの距離まで移動した。二人で何か会話しているけど耳を澄ますも聞き取れない。
少ししてからハンナが包みを持ってやってきた。中身はスコーンとクッキーが入っている。これでも大丈夫かなと考えているところへグレース様が現れた。グレース様に手渡すとグレース様は包みを見て目を輝かせて、すぐにでも食べたそうにしている。
「ではまたくる!」と言ってあっという間にいなくなってしまった。思わず呆気に取られていると、エヴァンお兄様が「やれやれ」と苦笑いしていた。
リクの方を見ると、リクはグレース様のいなくなった後をじっと見つめていた。
こうしてリクはこの屋敷に滞在することになったのだった。
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