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2章
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獣道を進みながら今日ワンピースで来たことに後悔した。歩きやすい靴ではあるがどうしても葉で足を切ってしまう。少しの切り傷なら我慢できる痛さなのでいいがどうしても動きづらい。今度からお姉様のお下がりの乗馬服を普段から着ようか考えていると私の後ろを歩いていたリクが魔法で草木を切り払った。
「傷が増えるとハンナにどやされますので」
歩きやすくなった獣道を前に思わず「ははは」と乾いた笑いが漏れる。それを見たヨシュアが呆れた視線を寄越す。
「やっぱりお前お嬢様なんだな」
慌てて否定しようとすると先頭を歩いていたレイ様が「もうバレてるよ~」と振り返りながら軽い調子で言った。改めて伯爵の娘だと言うことを話すと流石に伯爵令嬢とは思っていなかったらしいヨシュアがギョッとした表情で「お貴族様か」と狼狽える。その様子に少しだけ笑みがこぼれそうになりながら「今さら気にしないで」と告げると明らかにホッとしたようだった。ふと思ったことを歩きながらヨシュアに問いかけた。
「ねえ、どうしてヨシュアは初めて会ったときリクがはぐれ精霊だと思ったの?」
「俺の親父が御者なのは知ってるだろ? 俺も親父について仕事を教わったりしてるんだ。それで結構冒険者とかも乗せるんだけどさ、たまに精霊を連れてる奴とかいるんだよ。そのときになんていうのか……雰囲気が似たようなやつ者同士みたいになってるんだけど、お前達にはそれがなかったっていうか……」
ヨシュアは頭をガシガシとかきながらうまく言い表せられないことにもどかしさを感じているようだった。
ヨシュアの言葉に驚いて思わずリクをみるとリクは頷いた。
「確かに魔力の色は守護精霊に似通ってくるものではありますが……人間がそれを感じ取れるなんて見た事がありません」
それを聞いたレイ様は「すごいじゃん~」と言うとヨシュアが照れたように下を向いた。
「いや、そんなこと……ってやっぱりはぐれ精霊なのか?」
「そうだ」
ヨシュアの疑問に対してリクが答えるとヨシュアはリクと私を交互に見て目を丸くした。
「へえ、はぐれ精霊は人間嫌いな奴が多いのかと思っていたけどそうでもないんだな」
「そうなの?」
リクにたずねるとリクは髭をピクピクとさせながら答えた。
「大抵はそうですね、やはりはぐれは人間といろいろあった者が多いですから」
「やっぱりそうか……リリュも人間嫌いだからな」
脳裏に私を睨みつける小さな精霊の姿が過ぎる。
「人間嫌いなのにどうやって仲良くなったの?」
もしかしたら私の体質についての参考になるかもしれないと思い尋ねてみる。
「もうだいぶ前のことになるんだけどさ、森への抜け道をたまたま見つけたことがきっかけでカイとよく遊んでたこともあって最初は二人だけで森へ行ってたんだ」
ヨシュアの話によると二人は何回か森へ行って食べられる木の実や薬草などを探していたそうだ。そしていつもは行かない森の奥の方へ入ってしまったという。そこで運悪くゴブリンに遭遇してしまい逃げている最中にリリュに助けられたという。
「本人いわく気まぐれだったらしいんだけどさ、それから森へ行く度に会って食べられる木の実とか擦り傷にいい薬草とか毒を持っているきのこだとか教えてくれて」
本当に人間嫌いなのだろうかと疑っているのが顔に出ていたのかヨシュアが私の顔を見てフッと笑う。
「俺よりカイの方にリリュは懐いていてさ、俺はおまけみたいなもんだよ。まあ、それでもリリュには感謝してるんだけどな」
契約はしないのか気になるがそう簡単に聞いていいことじゃないと思い、なんだか聞くのを憚かられた。
しばらく歩いているとレイ様がピタリと立ち止まった。
「人の気配がするねえ」
思わずびくりと立ち止まる。辺りを見渡すも風で木々のざわめきが聞こえるだけだ。緊張が走る。そのときだった。
辺りの風景が揺らめく。するとすぐさまレイ様が「散れ!」と叫ぶも手足が縫い付けられたように動かなくなる。
リクやヨシュア、レイ様も同じようで身動きが取れないようだ。戸惑っていながらも手足を動かそうとするもびくともしない。
「そこにいるんだろ、出てこいよ」
レイ様が木に向かって声を上げると木の影から人影が現れる。
「おやおや、ばれていましたか」
木の影から出てきたのは初めて宿屋であったときのようなシャツにスラックス姿のおおよそ森にいるには似つかわしくない格好のマリスウス神父だった。
いつものようにニコニコと朗らかに笑う様は異様に思える。
「集めていた魔導具が役に立ちましたねえ」
こちらを見ながらそう言うマリウス神父に「てめえ……っ」とヨシュアが唸る。
「おや、誰かと思えば御者の息子さんではないですか。ちょろちょろと昔から教会に出入りするのを見逃していましたがやはり目障りですねえ。カイにも困ったもんです。君たちにはしてやられましたよ」
そう言ってマリウス神父は大袈裟にため息をついた。
「これは解いてはくれなさそうだね」
レイ様がマリウス神父に話しかけた。マリウス神父は私達を見てにっこりと笑った。
「なりません。あなた方はここで死ぬのですよ」
「傷が増えるとハンナにどやされますので」
歩きやすくなった獣道を前に思わず「ははは」と乾いた笑いが漏れる。それを見たヨシュアが呆れた視線を寄越す。
「やっぱりお前お嬢様なんだな」
慌てて否定しようとすると先頭を歩いていたレイ様が「もうバレてるよ~」と振り返りながら軽い調子で言った。改めて伯爵の娘だと言うことを話すと流石に伯爵令嬢とは思っていなかったらしいヨシュアがギョッとした表情で「お貴族様か」と狼狽える。その様子に少しだけ笑みがこぼれそうになりながら「今さら気にしないで」と告げると明らかにホッとしたようだった。ふと思ったことを歩きながらヨシュアに問いかけた。
「ねえ、どうしてヨシュアは初めて会ったときリクがはぐれ精霊だと思ったの?」
「俺の親父が御者なのは知ってるだろ? 俺も親父について仕事を教わったりしてるんだ。それで結構冒険者とかも乗せるんだけどさ、たまに精霊を連れてる奴とかいるんだよ。そのときになんていうのか……雰囲気が似たようなやつ者同士みたいになってるんだけど、お前達にはそれがなかったっていうか……」
ヨシュアは頭をガシガシとかきながらうまく言い表せられないことにもどかしさを感じているようだった。
ヨシュアの言葉に驚いて思わずリクをみるとリクは頷いた。
「確かに魔力の色は守護精霊に似通ってくるものではありますが……人間がそれを感じ取れるなんて見た事がありません」
それを聞いたレイ様は「すごいじゃん~」と言うとヨシュアが照れたように下を向いた。
「いや、そんなこと……ってやっぱりはぐれ精霊なのか?」
「そうだ」
ヨシュアの疑問に対してリクが答えるとヨシュアはリクと私を交互に見て目を丸くした。
「へえ、はぐれ精霊は人間嫌いな奴が多いのかと思っていたけどそうでもないんだな」
「そうなの?」
リクにたずねるとリクは髭をピクピクとさせながら答えた。
「大抵はそうですね、やはりはぐれは人間といろいろあった者が多いですから」
「やっぱりそうか……リリュも人間嫌いだからな」
脳裏に私を睨みつける小さな精霊の姿が過ぎる。
「人間嫌いなのにどうやって仲良くなったの?」
もしかしたら私の体質についての参考になるかもしれないと思い尋ねてみる。
「もうだいぶ前のことになるんだけどさ、森への抜け道をたまたま見つけたことがきっかけでカイとよく遊んでたこともあって最初は二人だけで森へ行ってたんだ」
ヨシュアの話によると二人は何回か森へ行って食べられる木の実や薬草などを探していたそうだ。そしていつもは行かない森の奥の方へ入ってしまったという。そこで運悪くゴブリンに遭遇してしまい逃げている最中にリリュに助けられたという。
「本人いわく気まぐれだったらしいんだけどさ、それから森へ行く度に会って食べられる木の実とか擦り傷にいい薬草とか毒を持っているきのこだとか教えてくれて」
本当に人間嫌いなのだろうかと疑っているのが顔に出ていたのかヨシュアが私の顔を見てフッと笑う。
「俺よりカイの方にリリュは懐いていてさ、俺はおまけみたいなもんだよ。まあ、それでもリリュには感謝してるんだけどな」
契約はしないのか気になるがそう簡単に聞いていいことじゃないと思い、なんだか聞くのを憚かられた。
しばらく歩いているとレイ様がピタリと立ち止まった。
「人の気配がするねえ」
思わずびくりと立ち止まる。辺りを見渡すも風で木々のざわめきが聞こえるだけだ。緊張が走る。そのときだった。
辺りの風景が揺らめく。するとすぐさまレイ様が「散れ!」と叫ぶも手足が縫い付けられたように動かなくなる。
リクやヨシュア、レイ様も同じようで身動きが取れないようだ。戸惑っていながらも手足を動かそうとするもびくともしない。
「そこにいるんだろ、出てこいよ」
レイ様が木に向かって声を上げると木の影から人影が現れる。
「おやおや、ばれていましたか」
木の影から出てきたのは初めて宿屋であったときのようなシャツにスラックス姿のおおよそ森にいるには似つかわしくない格好のマリスウス神父だった。
いつものようにニコニコと朗らかに笑う様は異様に思える。
「集めていた魔導具が役に立ちましたねえ」
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「おや、誰かと思えば御者の息子さんではないですか。ちょろちょろと昔から教会に出入りするのを見逃していましたがやはり目障りですねえ。カイにも困ったもんです。君たちにはしてやられましたよ」
そう言ってマリウス神父は大袈裟にため息をついた。
「これは解いてはくれなさそうだね」
レイ様がマリウス神父に話しかけた。マリウス神父は私達を見てにっこりと笑った。
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