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マーゴに案内され、ジョシュ達は裁判所の2階にある客室へと、それぞれ入った。
ジョシュの部屋は装飾がかなり質素で──飾り気が殆どない──簡素なベッドとクローゼット、あとは化粧台があるだけだった。
「今日はこちらでお休みになって下さい。治療は明日、お願いします」
「何故今日じゃ駄目なんですか?」
そう尋ねると、マーゴはふとジョシュから視線を逸らした。
「夜になると、主もお休みになられます。そうなると、街中の者に施されている、規律を守ると言うデータが暴走し、あなた方に危害を加えるかも知れないからです」
「危険因子を、彼が処分すると言っていたと思うのですが?」
暴走したら、それこそ全てが危険因子ではないのだろうか。
「主がお休みになられるようになったのは、ここ数日の事なのです。お休みになられている時に起こった事は、主は把握されておりませんので」
申し訳なさそうに言うと、マーゴは付け加えた。
「あと、地下へは勝手に入らないで下さい。あそこにはまだ、処分出来ていない危険因子を閉じ込めておりますので……」
マーゴが出て行った後、ジョシュはワイズの部屋を訪れた。彼の部屋もジョシュと変わらない配置になっている。
「ジョシュ!何故もう部屋に案内されたんだ?」
「あぁ、それは……」
マーゴに聞いた話をワイズにも伝えると、彼は難しい顔になった。と言っても、普段から険しい顔をしているのだが。
「処分出来てない危険因子って言ったって、何体あるんだ?そもそも、処分しきれない程毎日出るのか?」
腕組みをし、部屋の中をグルグルと回る。ジョシュはそんな姿を目で追いながら、ノッドは、と思った。
「なぁ、ノッドは部屋か?」
「そうじゃないか?」
ワイズとノッドの部屋へ行ってみる。彼は黙ってベッドに腰掛け、じっと壁を見つめていた。
「さっきマーゴに聞いたんだけど……ノッド?」
目の前に立っても、ノッドはジョシュ達を見ようともしなかった。手を振っても反応がない。
「一体どうしたんだ?」
屈み込むと、漸くノッドと目が合った。
「あぁ、ジョシュ……俺、どうも駄目みたい」
「駄目って、体の調子が悪いのか?」
そこでジョシュはハッとした。ノッドはサイボーグで、その体は機械で出来ている。もしかしたらバラムの電磁波にやられているのでは、と思った。
「まさか、ノッド……」
「あんまり自制を保ってられないんだ……悪い……」
そう言うと、また黙ってしまった。ジョシュは立ち上がると、顎をさすった。
──どうもおかしい……
「ワイズ、マーゴは規律を守っている時は自由だと言っていなかったか?」
「言っていたよ。なのに何故ノッドは、こんななんだ?これじゃあまるで、バラムに制御されてるみたいじゃないか」
2人して腕組みをしながら、じっとノッドを見つめた。だが、彼が再び口を開く事はなかった。
ジョシュの部屋は装飾がかなり質素で──飾り気が殆どない──簡素なベッドとクローゼット、あとは化粧台があるだけだった。
「今日はこちらでお休みになって下さい。治療は明日、お願いします」
「何故今日じゃ駄目なんですか?」
そう尋ねると、マーゴはふとジョシュから視線を逸らした。
「夜になると、主もお休みになられます。そうなると、街中の者に施されている、規律を守ると言うデータが暴走し、あなた方に危害を加えるかも知れないからです」
「危険因子を、彼が処分すると言っていたと思うのですが?」
暴走したら、それこそ全てが危険因子ではないのだろうか。
「主がお休みになられるようになったのは、ここ数日の事なのです。お休みになられている時に起こった事は、主は把握されておりませんので」
申し訳なさそうに言うと、マーゴは付け加えた。
「あと、地下へは勝手に入らないで下さい。あそこにはまだ、処分出来ていない危険因子を閉じ込めておりますので……」
マーゴが出て行った後、ジョシュはワイズの部屋を訪れた。彼の部屋もジョシュと変わらない配置になっている。
「ジョシュ!何故もう部屋に案内されたんだ?」
「あぁ、それは……」
マーゴに聞いた話をワイズにも伝えると、彼は難しい顔になった。と言っても、普段から険しい顔をしているのだが。
「処分出来てない危険因子って言ったって、何体あるんだ?そもそも、処分しきれない程毎日出るのか?」
腕組みをし、部屋の中をグルグルと回る。ジョシュはそんな姿を目で追いながら、ノッドは、と思った。
「なぁ、ノッドは部屋か?」
「そうじゃないか?」
ワイズとノッドの部屋へ行ってみる。彼は黙ってベッドに腰掛け、じっと壁を見つめていた。
「さっきマーゴに聞いたんだけど……ノッド?」
目の前に立っても、ノッドはジョシュ達を見ようともしなかった。手を振っても反応がない。
「一体どうしたんだ?」
屈み込むと、漸くノッドと目が合った。
「あぁ、ジョシュ……俺、どうも駄目みたい」
「駄目って、体の調子が悪いのか?」
そこでジョシュはハッとした。ノッドはサイボーグで、その体は機械で出来ている。もしかしたらバラムの電磁波にやられているのでは、と思った。
「まさか、ノッド……」
「あんまり自制を保ってられないんだ……悪い……」
そう言うと、また黙ってしまった。ジョシュは立ち上がると、顎をさすった。
──どうもおかしい……
「ワイズ、マーゴは規律を守っている時は自由だと言っていなかったか?」
「言っていたよ。なのに何故ノッドは、こんななんだ?これじゃあまるで、バラムに制御されてるみたいじゃないか」
2人して腕組みをしながら、じっとノッドを見つめた。だが、彼が再び口を開く事はなかった。
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