ホワイト・ルシアン

たける

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第4章.食事

3.

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沢村選手の行きつけのお店は、個室のあるシック──どちらかと言うと、洋風な造り──な小料理屋だった。
そこで美味しいお料理とお酒を──後で運転代行を頼むからって言われて──いただき、当たり障りのない会話で互いの腹を探りあっていた。
そこで俺は、ずっと気になってた香り──何処かで嗅いだ事のあるような、甘い香り──について、沢村選手に尋ねてみた。

「あの、沢村選手って、その……凄く良い香りがしますね」
「剣崎さん、敬語は止めませんか?」
「え……はい。分かりました。じゃあ……」

言い直そうとすると、沢村選手、もとい、沢村君が真横に移動──向かい合って座ってたんだけど──してきた。思わず緊張が走る。

「この匂い、好き?」

はにかむ顔が本当に愛らしい──28歳より幼く見える──のと、酔いが回ってきてるからか、俺はうんって、頷いた。

「あは、剣崎さん、可愛い……」

頬を撫でられ、不意に胸元へと引き寄せられる。戸惑って見上げると、胸を射抜くような強い視線にぶつかった。

「オレは圭人よりオスだよ」
「え……?」

突然唇を塞がれ、咥内を犯される。クチュクチュと舌が這い回り、飲み込めない唾液が口角から糸を引いて落ちた。

「さ……むら、く……」

胸が痛いぐらいドキドキしてる。
甘い香りが頭を痺れさせてる。
アソコが疼いてる。


──犯されたい……


「朋樹、でいいよ、澪さん」

改めてキスされ、その余裕の滲む笑みを睨んだ。

「生意気だぞ……」
「え?そうかな。一応真面目で通ってるんだけど」

そう言ってまた、キスしてきた。
その後も何度も何度もキスされ、段々それ以上の事をねだりたくなってくる。

「狡いよ、と……朋樹……」
「狡くないよ。ほら、澪さん、ちゃんと言って」

椅子──3人掛け用の長椅子で、座布団も敷かれてる──に押し倒され、まさかここで?と思ってる間にまた、キスされた。

「ここじゃ、い……やだ……」
「じゃあ、ホテルで言って貰おうかな」

そう言ってニコリと笑う顔に、勝てる訳がない。




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