ホワイト・ルシアン

たける

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第20章.迫るクリスマス

1.

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クリスマスを来週に控えてはいるが、社内では吸収合併の話題で持ちきりだった。この合併で切られる社員はいなかったものの、誰が合併記念式典に呼ばれるか、が、問題視されているみたいだ。


──営業の俺には関係ないな……


もし呼ばれるなら、優だろうと思ってはいる。が、CM撮影したのは俺だけど、とも、思わなくはなかった。だとしても、断るだけだが、と、考えていると
、社長秘書の中村がやって来た。

「おはようございます、剣崎さん」
「おはようございます……」

接待の件もあったから、彼が俺を訪ねて来た事に、嫌な思い出が甦る。

「社長がお呼びです」
「え?どうして私を?」
「吸収合併の件はご存知でしょう?その事についてですよ」
「式典ですか?それでしたら、私より適任はいるでしょう」

ニコリと──狐みたいに──笑う。

「それは社長に仰って下さい」
「……分かりました」

あまり会いたくないのだけど──回りの目もある事だし──渋々中村について行く。


──式典ともなれば、棟方社長も来られるだろう。


そちらにも会いたくない。

「社長、お連れしました」
「ありがとう」

デスク前に座る社長が笑い、手招きする。俺は一礼してから──中村が退室する──歩み寄った。

「式典の話なんだけどね」
「それなら、お断りします」
「どうしてだ?」
「私は現役を退き、2年にもなります。それに、営業の成績も高くありません。ご招待していただいた事には感謝しますが、分不相応です」

なるほど、と、社長が腕組みする。俺は──それでは、と──踵を返したが、名前を呼ばれ、振り返った。

「沢村親子も出席すると聞いているが……それでも辞退するのか?」
「……はい。私には関係ありませんから」

康介さんや朋樹が出席する理由は分かる。だが、俺には理由がない。出たいとも思わない。

「それなら、命令だ、と、言ったら?」
「どうしてそこまでして、私を出席させたいんですか?」

会いたくない人物がいる事ぐらい、察しているだろう。なのに、何故?としか思えない。

「敢えて理由を述べるとしたら……君は花だ」
「え……?」
「見目美しい君は、花と同じだ。いるだけでいい」


──そんな理由で納得出来る筈がない……!


それが顔に出ていたのか、社長は面白そうに肩を揺らした。

「納得出来ないか?」
「はい」
「……本当はね、君を私秘書にしたかった」
「な、何を突然……」
「以前言っただろう?君を気に入っている、と」


──大学ラグビーで、君を見た……凛々しく、だけど、選手としても優秀で、気に入ったからだ……


接待の時に言われた記憶がある。それと共に、再びあの記憶が──まざまざと──甦った。背筋に悪寒が走る。

「側に置きたい……剣崎、社長命令だ」
「お……お断り、します……」
「まだこの会社にいたいだろう?」

脅しとも取れる言葉に絶句する。


──俺の価値って……?


「ひ……卑怯です……!」
「何と言われようが構わない。私の側にいろ」
「嫌です……!申し訳ありません」

そう言って立ち去ろうとすると、腕を引っ張られ、後ろ手に玩具の手錠で拘束された。

「行っていいと、誰が言った?」
「外して下さい!」

そう訴えたが、社長はそれだけでは済まさず、今度は俺のベルトを外し──足をかけて倒すと──それで足首を拘束した。

「こうしてお前を拘束してみたかったんだ」

仰向けに転がされる。社長がアコーディオンを下ろすと──光りがほぼ遮られ──笑んだ口元がうっすらと見えるだけだった。

「止めて下さい!こんな事をして、どうするつもりなんですか?」
「分かっているだろう?解放は……承諾してもらうまでしないからな」

少しでも逃げようと、俺は──芋虫のように──床を這った。

「待て、逃げるんじゃない」

押さえつけられ、ズボンと下着を足首まで脱がせれ、足を開かせられた。恥ずかしい格好をさせら、顔は羞恥に熱くなる。

「いい眺めだ……色っぽいな」

そう言って屈むと、社長が膝を撫でた。寒気がする。

「何人にしゃぶられた?」
「なっ……!何を……ッ!」

ペニスをくわえられ、更に悪寒は強くなった。だがすぐに舌が這い回り──吸い上げられると──嫌でも体が反応する。

「やッ……ハッ……んンッ!」

起き上がりたくても、腕は背中の下にあって無理だった。足をすぼめようとしても、社長が膝を開かせている為駄目だった。

「いい感度だな……それに、声もいい」

深くくわえられると、堪らず腰が浮いた。だがすぐに押さえ付けられ、内股を撫でられる。指がペニスをかする度、情けない声が出た。

「あッ!社長……止め……」
「承諾以外、喋るな」

不意に社長の顔が近付き、唇を奪われた。食べられそうなぐらい貪られ、舌が咥内を這い回る。飲み込みきれない唾液は口角から溢れ、体が──意思とは裏腹に──身悶えた。

「あんゥ……うっ……ハッ……ん」

社長の手はペニスを扱いていて、下肢はその快感に小刻みに震える。

「こっちへ来い」

そう言って引き寄せられると、膝上に座らされ、指を秘部へと捩じ込まれた。グチュリ、と、音が鳴る。

「あァッ!」

ビクンッと震え、危うく射精しそうになる。荒い呼吸をしていると、また唇を塞がれた。

「ふっ……ンッ!ンッ!」

指はナカを捏ねくり回し、何度も抜き差しされる。次第に秘部は熱くなり始め、ペニスはだらしなく液を垂らし出していた。

「何だ、朋樹君としているんだろう?なのに、こんなに濡らして……」

指が増えた途端、また酷い射精感が襲ってきた。堪えようと体に力を入れると──それは誘うように──社長の指をきつくくわえた。

「もう欲しいのか?ふふ……朋樹君では満足出来ないのか。だがな……悪いが潤滑油はないんだ」

そう言った社長が、俺を床に転がした。解放されるのか、と思ったのも束の間──自身のズボンと下着を下ろした社長に──再び引き寄せられる。固い突起が尻に触れ、いよいよ恐ろしい事になる、と身を縮めた。

「止めて……」

背中から抱き締められ、俺はそう呻いた。

「式典に参加すると言いなさい。そうしたら、すぐに解放してやろう」

ペニスが挿入された。痛みは一瞬のうちに終り、快感が俺を貫く。

「あぁッ……!」

思わず前屈みになる。だが社長の手が体を起こさせると、すぐに突き上げられ始めた。

「あァッ!あッあッ!」
「剣崎……いいぞ……」

手がシャツの中に滑り込み、胸元をまさぐり始める。乳首はすぐに突起し、指の腹で転がされた。だがその間にも、社長は俺を突き上げ続けている。

「やッ!しゃちょ……あンッ!」

大きくぶれる視界に、何か光るものを見た。ランプの灯りとは違う、もっと小さなものだ。

「なンッ!あッ、あァッ!」

内股を震わせながら射精すると、社長の翳すスマホが見えた。途端のぼせた顔が、冷たくなる。

「止まるな、動くんだ」

シャッター音がしないから、動画を撮っているのだと察し、まだ腰を抱く社長から逃れようと、必死にもがいた。

「撮らないで……!」
「私だけが楽しむ為だ、構わないだろう」

そう言うと今度は俯せに倒し、膝を着かせて尻を高く持ち上げ──四つん這いに──させた。

「ふふ……接合部まで撮ってやろう」

再びペニスが挿入され、腰を激しく突き出されると、パンッパンッと、肌のぶつかる音が連続的に鳴った。

「あッ!あぅッ!」
「さぁ、私もイかせてくれ」

社長の両手が腰を支えたかと思うと、さっきよりも強く早く、抜き差しされた始めた。

「あッあッあッあッ!」

内腿が戦慄いた。持ち上がったペニスが震え、先走りを垂らしている。膝は痛み、快感は絶頂に達しようとしていた。

「いッ、あッ、社長!あァッあッ!」

はしたないぐらいに精液が放たれ、俺はまた達した。社長もナカに出すと、ペニスを引き抜いた。

「ハッ……ハッ……」

呼吸もままならない程の疲労を感じていると、社長は俺を無理矢理立たせた。デスクを支えに──もたれながら──何とか立ったのはいいけど、情けないぐらいに足が震えている。

「まだ言わないつもりか?」

そう言った社長が──指をペニスに這わせると──秘部へと挿入してきた。

「……ひッ!」

くの字にデスクへ押し付けられ、指が抜き挿しされる度、ヌチュヌチュといやらしい音がする。

「早く言った方がいいぞ……それとも、続けて欲しいから、か?」

もう片方の手がペニスを握り、激しく擦ってくる。

「あ、や、あァッ!」

手淫は早くなり、精液を絞り出すように揉まれ始めると、俺は──悔しさに──唇を噛み締めた。

「あッ!ンッ!」

もう抑えていられない。社長もそれを感じたのか──スマホを足元に転すと──足からベルトを外し、抱え上げてから遠慮なくペニスを挿入した。

「あァーッ!ハッ!あッ……あァッ!も……もう、止めて……あぁァッ!」

射精すると、社長も同じ様にナカへ射精し、解放された。

「式典には、参加してくれるね?」

デスクにぐったりと体を預ける俺を、社長が自身の身なりを整えながら聞いてきた。その手にはまた、スマホが握られている。

「分かったね?」
「は……い……」

そう答えるしかなかった。
悔しくても、不思議と涙は出なかった。

「いい子だ……」

頭を撫でる手は優しく、さっきまでの行為が嘘のように思えてならない。


──どうして……


また、そんな思いが胸を占めていた。




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