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ハイダークエルフ
ハイダークエルフ②
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カサブランダルの城壁が既に見えていた。後は、号令を発するだけ。
獣人の村を襲った時は、とても戦争とは言えなかったが、敵と睨み合う緊張感に、これぞ、と高ぶってきた。
上空を旋回する鳥の魔物らが、急かすように鳴いている。
情報では、街の住人は反対側の東門から避難していった様子。城壁沿いにいる人間の兵らを無視させて、鳥の魔物に街に石を落とさせる手も考えたが、ものけの殻では効果は低い。
統率はしているが、魔物らに複雑な作戦を言ったところで、どうせグダグダになるのだ。
ベオルグは立ちあがると、片手をあげ、そして前に出す。
「さあ、進軍!」
トロールを中心にして、一斉にゴブリンとコボルトらが駆けだしていく。
目立つ巨体のトロールに、合せて二千五百の小さな魔物らが一度に迫ると、敵はまずどちらを優先して倒すべきか迷うだろう。
現場に優秀な指揮官がいれば、直ぐに対応してくるだろうが、さてどちらだ?
城壁からの矢の雨が、ゴブリンとコボルトへと降り注いできた。
数を減らした方が戦いとしてはシンプルになる。
それに、向こうは偽勇者をトロールに当ててくるだろう。
「そう簡単ではないぞ、人間よ」
圧倒的に身体能力で優れている魔物であるが、人間よりも劣っている点はあった。
武具の差だ。
ゴブリンなんかは、粗く削った棍棒を使うものだと思っているだろう。実際に、先の大戦まではそうだった。
魔物の中では、最弱に分類されるゴブリンだが、一般的な人間の兵士の一人くらいは殺せるのだ。これまでの武器でも。
頭上から襲ってくる矢を魔物らは素早く躱していく。それから、もし当たっても弾けるような防具を渡してあった。
ミスリル。徹底して、素早く動けるように訓練したゴブリンに軽くて丈夫な貴重なミスリル製の防具を渡してやったのだ。
エルフの国から出る時に、大量に盗んできた虎の子のミスリルを最弱の奴らに渡してやって、戦力の底上げを図った。
トロールなんかに渡しても意味はない。弱い魔物が簡単に殺されない事が、戦力を維持するのに重要だった。
コボルトも大して強い魔物ではないが、ゴブリンの陰に隠れながら移動させればいい。
矢は使い捨てだ。ほら、もう大量に放ってくる事はなくなった。
一体ずつを確実に狙う方へとシフトしてくれれば、第二陣の人狼らを向かわせる。
こいつらは更に速い。
直ぐにゴブリンもコボルトも追い越して、先に壁に取りつくだろう。
大きな石や、煮えたぎった液体を降らせてくるだろうが、ここで鳥どもの出番だ。
狙われている事を地上の魔物らに教え、同時に何かを落とそうとしてくる人間だけを狙わせる。
戦争は数の減らし合い。カサブランダルの戦力は一万にも満たないだろうが、こちらの倍はいるはずだ。
なら、一を消費するうちに二以上を殺せればいい。
まっ、そんな消耗戦では負けも同じだが。
実際にはどうか。
人狼一体で、平均的な人間の兵士を十は減らせる。人狼の数は三百。つまり敵戦力の半分程度と互角なのだ。
ゴブリンとコボルトを合わせて、残りの人間兵と互角か、それ以上。
そして、忘れてはいけないのが、トロールだ。こいつらなら百人相当。それが五体。
これだけで、自分の出番すらない。
おっと、トロールの一体がやっと城壁へと辿り着いたか。壁を叩き始めている。
「さて、ヨウカイどもはどう出てくるかな?」
壁を叩いていたトロールがいきなり横へと倒れ込んだ。
何事かと見てみると、四角く灰色の物体が現われ、トロールに圧し掛かっている。
「出たな、ヨウカイ」
城壁の上から、真っ二つに切断された人狼が落ちていった。
ゴブリンやコボルトを深紅の炎の波が包み込み、合わせて魔術師らが、攻撃を開始してきた。
「こちらの戦力の大半が近付くまで、待っていたか」
想定の範囲内。
なら、こちらも出し惜しみなしだ。
三体のデーモンが、命じる前に飛び出していった。
――――
妖力を温存しておく余裕はなさそうだ。
城壁の上から、蠢く魔物らを見下ろして、うんざりする顔を燃尾は見せる。
「ち……、なに、あの鎧のせい? 炎が通り難い」
白銀の高価そうな鎧は、醜いチビの西洋魔物には勿体なく思えた。
「あれは、ミスリルではないか」
ハクレウスが唸った。
「なんか、聞いた事ある。えーと、この世界じゃどうなの?」
「相応の職人が鍛えれば、剣も矢も通り難く、また魔法の耐性もあがる優れものですな」
「ああ、じゃあ、あたし、あっちのデカ物を相手にしてきていい? ほら、あたし、狐火を使った戦い方が基本じゃない」
ミスリルの防具の攻略法をハクレウスも直ぐに思い至った様子だ。
竜巻を発生させる魔法を使って、奴らを巻き込み、地上に叩き付けてやればいい。打撃系のダメージなら脳震盪を起こせる可能性も高く、防具で覆われていない部分が骨折するかもしれない。
「仕方ない。では、ゴブリンどもは、魔術師の部隊が引き受けよう」
賢者という事で、魔術師らの指揮をハクレウスが任されたが、燃尾もそちらに組み込まれてしまった。
協力して、連携して戦うとか、性格的に向いていない。
城壁の上から飛び降りると、狐火を周囲に張り巡らせ、敵を近付けさせないようにしながら走った。
デカ物は五体。
一体はぬりかべが抑え込んでいて、残り四体だが、空葉と共に対処する事になるだろう。
変態オヤジではあるが、空葉は自分と同じ位には戦える。
――閻鬼がいたら、もっと楽だったのに。
考えないようにしてきたが、ぬりかべが圧死させられない相手までいたら、悔しいが頼りたくなってしまった。
背後で轟音が聞こえてきた。
ハクレウスを中心にした魔術師部隊が、竜巻の攻撃を始めたようだ。
それでも一度の魔法で攻撃できる範囲は狭い。
せめて、雪女でもいてくれたら。
多数に対する攻撃では、かなり有効であろう。敵に与えるダメージもそうだが、凍らせて動きを封じてしまえるのだ。
では、一体の強敵に対峙するのに最も向いているのは――。
ライバル視してきた鬼の姿が脳裏に浮かんだ。
一番近いデカ物に迫りつつあったその時、正面に雷撃が撃ち込まれた。
咄嗟に避ける。
「く……」
横に飛び退くようにして、躱せたのはいい。
問題は攻撃してきた奴だ。
そいつは黒かった。
「悪魔……?」
蝙蝠に似た翼を持ち、人型の体だが、不気味という印象を持った。鼻のように出た部分はあったが、顔らしい顔がなく、声も発してこなかった。
「ずんべら坊の親戚……という訳じゃないわよね」
あー、こいつ、強いわぁ――獣の勘のようなものが働き、額から汗が流れていく。
最初の攻撃もわざと避けられる程度にされたように思えた。
どんな理由かは知らないが、こんな奴の相手なんて一人では無理だ。
「ああん、狸オヤジはなにしてんの!」
悲痛な叫びが、城壁の方から聞こえた。
――――
城壁の上まで登ってきた人狼の胸を刀で貫いたその時、そいつの存在に気付いた。
空葉は一瞬、動きを止めてしまう。
何だ、こいつは――と、考えている自覚を持つ前に、黒闇を集めて圧縮したような槍が襲いかかってきた。
英雄と呼ばれ、勇者と信じられてきた男の胸にそれは突き刺さる。
彼の戦いぶりを心酔して見ていた兵士らが悲痛に叫んだ。
「あ、あぁあああ――――っ!」
それは、英雄の死を周囲に伝えるのに、充分な程の大きさで、刹那、兵らは立ち尽くす。
呆然とした彼らにトロールの一体が迫って、伸ばした手で、城壁の上を払った。
十人程度が吹き飛ばされたか。
ベテラン衛兵が、声を振り絞る。
「戦え! まだ、我らは負けていないのだぞ!」
これは戦争である。それも躊躇いなく人を殺せる魔物との。
死ぬのが当たり前の舞台。
だから、勇者と思われるような男でも死ぬ事がある。
皆、理解している。頭で理解できても心はそうはいかない。
心技体――兵士にとって、重要なこのうちの心が急速に低下していた。
そのうえ、あの謎の敵だ。
人型の魔物なのは見て分かる。黒い翼を持っているが、ハーピーのような鳥系の魔物ではない。
姿形よりも問題なのは、あの英雄を一撃で殺した力だ。
「無理だ……」
誰かがそう呟くと、絶望が伝染していく。
次々と人狼が城壁の上に到達し、その鋭い爪と牙で、人間の兵らが犠牲になっていった。
一体が走り、下へ向かう階段に辿り着く。
「そ、そいつを誰か止めろ!」
叫んだ衛兵も背後から別の人狼に首を咬み切られた。
最期の叫びだけが聞こえてくると、程なく、正面の門が開かれてしまう。
街に魔物が雪崩れ込んでいく。
動く壁が、それに気付き、正面門を塞ごうと立ちあがるのだが、押さえていたトロールに、今度は逆に抑えられるのだ。
住民の避難が終わっている事だけが幸いか。
もう兵らは後退できない。
正門から入った魔物らが、今度は階段を上って、背後から迫ってくる。
「全員、城壁から撤退! 我らが道を切り開く」
響き渡った声に、まだ終わっていないとベテランも思った。
声の方には、賢者がいる。
彼の指揮の下、魔術師らが放った魔法が階段を上がってこようとする魔物らを怯ませた。
「今だ! 行くぞ!」
周囲にいた若い兵らを率いて、ベテランが走る。
まだ賢者が残っている。天空の覇者さえ圧倒したというハクレウスがいれば、きっと立て直せるはずだ。
僅かに士気が戻った。
ここからは市街戦になる。
獣人の村を襲った時は、とても戦争とは言えなかったが、敵と睨み合う緊張感に、これぞ、と高ぶってきた。
上空を旋回する鳥の魔物らが、急かすように鳴いている。
情報では、街の住人は反対側の東門から避難していった様子。城壁沿いにいる人間の兵らを無視させて、鳥の魔物に街に石を落とさせる手も考えたが、ものけの殻では効果は低い。
統率はしているが、魔物らに複雑な作戦を言ったところで、どうせグダグダになるのだ。
ベオルグは立ちあがると、片手をあげ、そして前に出す。
「さあ、進軍!」
トロールを中心にして、一斉にゴブリンとコボルトらが駆けだしていく。
目立つ巨体のトロールに、合せて二千五百の小さな魔物らが一度に迫ると、敵はまずどちらを優先して倒すべきか迷うだろう。
現場に優秀な指揮官がいれば、直ぐに対応してくるだろうが、さてどちらだ?
城壁からの矢の雨が、ゴブリンとコボルトへと降り注いできた。
数を減らした方が戦いとしてはシンプルになる。
それに、向こうは偽勇者をトロールに当ててくるだろう。
「そう簡単ではないぞ、人間よ」
圧倒的に身体能力で優れている魔物であるが、人間よりも劣っている点はあった。
武具の差だ。
ゴブリンなんかは、粗く削った棍棒を使うものだと思っているだろう。実際に、先の大戦まではそうだった。
魔物の中では、最弱に分類されるゴブリンだが、一般的な人間の兵士の一人くらいは殺せるのだ。これまでの武器でも。
頭上から襲ってくる矢を魔物らは素早く躱していく。それから、もし当たっても弾けるような防具を渡してあった。
ミスリル。徹底して、素早く動けるように訓練したゴブリンに軽くて丈夫な貴重なミスリル製の防具を渡してやったのだ。
エルフの国から出る時に、大量に盗んできた虎の子のミスリルを最弱の奴らに渡してやって、戦力の底上げを図った。
トロールなんかに渡しても意味はない。弱い魔物が簡単に殺されない事が、戦力を維持するのに重要だった。
コボルトも大して強い魔物ではないが、ゴブリンの陰に隠れながら移動させればいい。
矢は使い捨てだ。ほら、もう大量に放ってくる事はなくなった。
一体ずつを確実に狙う方へとシフトしてくれれば、第二陣の人狼らを向かわせる。
こいつらは更に速い。
直ぐにゴブリンもコボルトも追い越して、先に壁に取りつくだろう。
大きな石や、煮えたぎった液体を降らせてくるだろうが、ここで鳥どもの出番だ。
狙われている事を地上の魔物らに教え、同時に何かを落とそうとしてくる人間だけを狙わせる。
戦争は数の減らし合い。カサブランダルの戦力は一万にも満たないだろうが、こちらの倍はいるはずだ。
なら、一を消費するうちに二以上を殺せればいい。
まっ、そんな消耗戦では負けも同じだが。
実際にはどうか。
人狼一体で、平均的な人間の兵士を十は減らせる。人狼の数は三百。つまり敵戦力の半分程度と互角なのだ。
ゴブリンとコボルトを合わせて、残りの人間兵と互角か、それ以上。
そして、忘れてはいけないのが、トロールだ。こいつらなら百人相当。それが五体。
これだけで、自分の出番すらない。
おっと、トロールの一体がやっと城壁へと辿り着いたか。壁を叩き始めている。
「さて、ヨウカイどもはどう出てくるかな?」
壁を叩いていたトロールがいきなり横へと倒れ込んだ。
何事かと見てみると、四角く灰色の物体が現われ、トロールに圧し掛かっている。
「出たな、ヨウカイ」
城壁の上から、真っ二つに切断された人狼が落ちていった。
ゴブリンやコボルトを深紅の炎の波が包み込み、合わせて魔術師らが、攻撃を開始してきた。
「こちらの戦力の大半が近付くまで、待っていたか」
想定の範囲内。
なら、こちらも出し惜しみなしだ。
三体のデーモンが、命じる前に飛び出していった。
――――
妖力を温存しておく余裕はなさそうだ。
城壁の上から、蠢く魔物らを見下ろして、うんざりする顔を燃尾は見せる。
「ち……、なに、あの鎧のせい? 炎が通り難い」
白銀の高価そうな鎧は、醜いチビの西洋魔物には勿体なく思えた。
「あれは、ミスリルではないか」
ハクレウスが唸った。
「なんか、聞いた事ある。えーと、この世界じゃどうなの?」
「相応の職人が鍛えれば、剣も矢も通り難く、また魔法の耐性もあがる優れものですな」
「ああ、じゃあ、あたし、あっちのデカ物を相手にしてきていい? ほら、あたし、狐火を使った戦い方が基本じゃない」
ミスリルの防具の攻略法をハクレウスも直ぐに思い至った様子だ。
竜巻を発生させる魔法を使って、奴らを巻き込み、地上に叩き付けてやればいい。打撃系のダメージなら脳震盪を起こせる可能性も高く、防具で覆われていない部分が骨折するかもしれない。
「仕方ない。では、ゴブリンどもは、魔術師の部隊が引き受けよう」
賢者という事で、魔術師らの指揮をハクレウスが任されたが、燃尾もそちらに組み込まれてしまった。
協力して、連携して戦うとか、性格的に向いていない。
城壁の上から飛び降りると、狐火を周囲に張り巡らせ、敵を近付けさせないようにしながら走った。
デカ物は五体。
一体はぬりかべが抑え込んでいて、残り四体だが、空葉と共に対処する事になるだろう。
変態オヤジではあるが、空葉は自分と同じ位には戦える。
――閻鬼がいたら、もっと楽だったのに。
考えないようにしてきたが、ぬりかべが圧死させられない相手までいたら、悔しいが頼りたくなってしまった。
背後で轟音が聞こえてきた。
ハクレウスを中心にした魔術師部隊が、竜巻の攻撃を始めたようだ。
それでも一度の魔法で攻撃できる範囲は狭い。
せめて、雪女でもいてくれたら。
多数に対する攻撃では、かなり有効であろう。敵に与えるダメージもそうだが、凍らせて動きを封じてしまえるのだ。
では、一体の強敵に対峙するのに最も向いているのは――。
ライバル視してきた鬼の姿が脳裏に浮かんだ。
一番近いデカ物に迫りつつあったその時、正面に雷撃が撃ち込まれた。
咄嗟に避ける。
「く……」
横に飛び退くようにして、躱せたのはいい。
問題は攻撃してきた奴だ。
そいつは黒かった。
「悪魔……?」
蝙蝠に似た翼を持ち、人型の体だが、不気味という印象を持った。鼻のように出た部分はあったが、顔らしい顔がなく、声も発してこなかった。
「ずんべら坊の親戚……という訳じゃないわよね」
あー、こいつ、強いわぁ――獣の勘のようなものが働き、額から汗が流れていく。
最初の攻撃もわざと避けられる程度にされたように思えた。
どんな理由かは知らないが、こんな奴の相手なんて一人では無理だ。
「ああん、狸オヤジはなにしてんの!」
悲痛な叫びが、城壁の方から聞こえた。
――――
城壁の上まで登ってきた人狼の胸を刀で貫いたその時、そいつの存在に気付いた。
空葉は一瞬、動きを止めてしまう。
何だ、こいつは――と、考えている自覚を持つ前に、黒闇を集めて圧縮したような槍が襲いかかってきた。
英雄と呼ばれ、勇者と信じられてきた男の胸にそれは突き刺さる。
彼の戦いぶりを心酔して見ていた兵士らが悲痛に叫んだ。
「あ、あぁあああ――――っ!」
それは、英雄の死を周囲に伝えるのに、充分な程の大きさで、刹那、兵らは立ち尽くす。
呆然とした彼らにトロールの一体が迫って、伸ばした手で、城壁の上を払った。
十人程度が吹き飛ばされたか。
ベテラン衛兵が、声を振り絞る。
「戦え! まだ、我らは負けていないのだぞ!」
これは戦争である。それも躊躇いなく人を殺せる魔物との。
死ぬのが当たり前の舞台。
だから、勇者と思われるような男でも死ぬ事がある。
皆、理解している。頭で理解できても心はそうはいかない。
心技体――兵士にとって、重要なこのうちの心が急速に低下していた。
そのうえ、あの謎の敵だ。
人型の魔物なのは見て分かる。黒い翼を持っているが、ハーピーのような鳥系の魔物ではない。
姿形よりも問題なのは、あの英雄を一撃で殺した力だ。
「無理だ……」
誰かがそう呟くと、絶望が伝染していく。
次々と人狼が城壁の上に到達し、その鋭い爪と牙で、人間の兵らが犠牲になっていった。
一体が走り、下へ向かう階段に辿り着く。
「そ、そいつを誰か止めろ!」
叫んだ衛兵も背後から別の人狼に首を咬み切られた。
最期の叫びだけが聞こえてくると、程なく、正面の門が開かれてしまう。
街に魔物が雪崩れ込んでいく。
動く壁が、それに気付き、正面門を塞ごうと立ちあがるのだが、押さえていたトロールに、今度は逆に抑えられるのだ。
住民の避難が終わっている事だけが幸いか。
もう兵らは後退できない。
正門から入った魔物らが、今度は階段を上って、背後から迫ってくる。
「全員、城壁から撤退! 我らが道を切り開く」
響き渡った声に、まだ終わっていないとベテランも思った。
声の方には、賢者がいる。
彼の指揮の下、魔術師らが放った魔法が階段を上がってこようとする魔物らを怯ませた。
「今だ! 行くぞ!」
周囲にいた若い兵らを率いて、ベテランが走る。
まだ賢者が残っている。天空の覇者さえ圧倒したというハクレウスがいれば、きっと立て直せるはずだ。
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