積もるのは嘘と気持ちと

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蓮くんは何度も今日は心配だから泊まると言っていたが、
お家の人も心配してるだろうから帰ってあげてと説得したら渋々帰っていった。
今日の朝から心配でアパートの前で待っていたらしい。

ベッドに横になると鼻が勝手に彼の匂いを求める。
部屋のどこからかからの匂いがして、歩き回る。
手を拭いたのか、キッチンにかかっているタオルから少し彼の匂いがする。
タオルかけから外してベッドに持ってくる。
そのままそのタオルを抱きしめると、彼の匂いに安心して眠りに落ちた。


次の日の朝また迎えにきてくれて、いつもの穏やかな1週間が始まった。

でも時々ふと、今後と今の幸せすぎる現状との落差に、彼に吐き続けている嘘に発狂してしまいそうになる。

本来の僕は、今みたいな幸せに過ごしているのが普通じゃないかとか、幸せすぎて勘違いして、

今まで家で過ごしてきたのが普通じゃなかったんだと、あれは悪い夢を見ていただけで、こっちが現実だと。

思いたくなる。

日に日に彼とこのまま過ごしていたいと欲が出る。

そんな時、父から連絡が入った。

正直、ホッとした。
このまま夢を見続けていたら、壊れてしまいそうだったから。