ダンボールの中身は捨て幼女でした

ルナ

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日常の波乱

被害者

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「将!委員長!」
「どうした!何があっ…た…」

 委員長の病室まで全速力で駆けつけた俺達二人。部屋の中を見た瞬間、二人共言葉を失った。

「ぁ…あぁ…」
「お兄ち…ゃん…お姉ちゃん…がぁ…」
「…」

 心美が病室で泣いている。いつもなら真っ先に目に入るだろう。だが今は違う。泣いている心美よりも目にしなければいけない、そうせざるを得ない光景がそこにはあった。部屋の隅で腰を抜かし、ずっと震えている将もいたが、この時の俺は将の存在にすら気がつかなかった。
 委員長が土下座のような形で床に倒れている。彼女の左腕、これが異常だった。ねじれていた。まるでソフトクリームのように肩から指先にかけて、本来ならば有り得ない形をしている。ちぎれている訳では無く血は出てないのだが、肌の色が明らかに青紫に変色している。委員長はその左腕を右手で抑え、痛みに悶えてプルプルと全身を震えさせている。

「…ぁぃ…い…たぁい…」

 「何故」「どうして」そんな考えが頭の中でグルグル回り、思考回路がショートする寸前、委員長が必死に訴えた声にハッとする。ここは病院。医者も薬も有る。早く誰かを呼びに、助けを呼びに行かなくては。

「どうした!?何事だ!?」
「どうされました、患者様!?」

 と思ったのも束の間。将の尋常ではない叫び声を聞きつけ、ここまで駆けつけてくれた医者と看護師が複数人たった今到着した。この惨状を見た全員が絶句。それでもスグに正気に戻り、色々と準備をしてくれた。

「お姉ちゃん!…お姉ちゃん!」
「…ぁ…ぁあ」





☆●◇■△▼*▽▲□◆○★





 痛い。
 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
 なんで。
 どうして。
 私の腕、どうなってるの。
 凄く痛い。今まで感じた事無い激痛。
 私はただ心美ちゃんに触ろうと、頭を撫でようとしただけなのに。
 さっきの話。心美ちゃんの冗談だと思ってた。そんな事あるはずないと。でも違った。嘘じゃなかった。この子はそんな子じゃなかった。
 手。
 心美ちゃんの手が触れた瞬間、左腕が有り得ない形になった。訳が分からない。

「お姉ちゃん!お姉ちゃん!!」

 あまりの激痛に意識を失いそうな時、心美ちゃんの声が聞こえた。あぁ、私を心配してくれてる。
 薄れ行く意識を必死に保ちながら心美ちゃんの方を見る。眠ってしまう前にこれは、これだけは伝えなくちゃ。心美ちゃんのファン一号として言葉にしなくては。
 天使だったよ。まるで本物の。

 手。

 真っ先に目に映りこんだのは、手。
 必死にコチラへ伸びて来る、大好きな手。

 手。
 手…?

 あ…あぁ…

「お姉ちゃー」
「来るな化け物おおおおおおおおおお!!」

 心美の手が横塚聖羅の頭に触れる。
 その途端、その頭は左腕のように大きく捻れた。

 死因…異様な頭部外傷

 横塚聖羅は死んだ。
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