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第6話 たった一つの彼女
たった一つの彼女 その1
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「お別れ会を開いて欲しいそうです」
時刻は朝の七時半過ぎ。研究所まで来た私に、ロビーのソファーに座っていた鹿間さんはこめかみの辺りを押さえながら辛そうな顔でそう告げました。近づいただけでずいぶんお酒の匂いがしたので、昨日は夜遅くまで飲んでいたのかもしれません。
鹿間さんの言葉を聞いた時、正直言って私は混乱しました。彼女はまだ酔いが残ってるのかもしれない、なんていうことも考えたくらいです。いったい誰のためのお別れ会なのでしょうか? その点を訊ねると、彼女は「伊瀬冬さんのです」と答えました。ますます意味がわかりません。
「鹿間さん、どういうことなの?」
「それが、わからないんです。とにかく源尾さんにそう伝えてくれって、伊瀬冬さんが……」
この時、私は理由もわからず嫌な予感を覚えました。「ありがとう」と鹿間さんにお礼を告げた私は、駆け足で伊瀬冬くんのいる研究室へと向かいました。
部屋の扉を開けると、お酒の匂いがぷんと漂ってきました。鹿間さんはきっとここで飲んだに違いありません。「伊瀬冬くん?」と呼びかけると、「おう。来たな、源尾」といつも通りの軽い調子の彼の声がスピーカーから響いてきます。その途端、何故だか私は冷たい掌で心臓を握られたように不安な気持ちになると同時に、これから彼が何を話し始めるのか、なんとなくですがわかってしまいました。
どうか、この心配が杞憂でありますように。そう願いながら私は、「伊瀬冬くん。お別れ会ってなに?」と彼に訊ねました。
「たぶん、お前が想像してる通りだ。そのうち俺はここから消える。それなら、最後の時間はみんなと過ごしたい」
私の願いは唱えた瞬間に砕けました。「なんで?」「どうして?」と感情的になる自分を必死に抑えつけながら、私はこちらを視界に捉える伊瀬冬くんの〝瞳〟に真っ直ぐ視線を向けます。
「……言ったでしょ。勝手なこと言わないでって。伊瀬冬くんは私が助ける」
「ありがとな、源尾。でも、大丈夫だ」
その声は、まるで彼の笑顔が目の前に見えてきそうなくらい眩しい声でした。溢れそうになる涙をせき止めることで手一杯の私は、何を言うこともできません。
「当日は思いっきり笑ってくれ。そうすりゃ、俺に悔いはない」
「笑えるわけないでしょ。なんで諦めちゃうの。きちんと話してよ、伊瀬冬くん」
辛うじて出てきた私の声に伊瀬冬くんは答えてくれませんでした。彼が自ら休止状態(スリープモード)に入ったと気づいたのは、しばらく経った後のことでした。
私は伊瀬冬くんへ呼びかけ続けました。それでも彼はなんの反応も見せてくれません。もちろん、無理やり起こすことだってできます。でも私はそれをやろうとは思いませんでした。彼は、人間だから。無理強いはしたくありません。
朝の八時半を過ぎて、部屋にはチームのみんなが次々と集まってきました。鹿間さんは顔を洗ったのか、先ほどまでよりもすっきりした顔をしています。「さっきの伊瀬冬さんのヤツ、なんだったんですか?」と言われて、私は「ちょっとね」と言葉を濁しました。伊瀬冬くんが〝生〟を手放そうとしているなんて、口に出したくありませんでしたし、言葉という形にしたら、本当のことになってしまいそうに思えたからです。
「そういえば、伊瀬冬くんの声が聞こえないわね」と水島さんが朝食のサンドウィッチをかじりながら言った時のことです、研究室の扉が静かに開きました。やって来たのは、佐藤課長でした。
「おはようございます」と義務のように言った佐藤課長は、私達の挨拶を待たずに続けました。
「この度は、よく決心したようで」
「……急にどうされたんですか?」
「おや、お忘れですか。昨日の夜遅く、私のパソコンに、貴女のアドレスから社内メールで送られてきましたが。『ISY』の企画凍結と破棄を受け入れる。ついては、『ISY』を交えてお別れ会を開いてほしい、と」
まったく身に覚えがありません。私は「そんなはずはありません」と即座に言って、自分のパソコンを確認します。
……何故か、佐藤課長の言う通り、私のパソコンから彼女が述べたような内容のメールが送られていました。
「お別れ会というのが理解できませんが、まあいいでしょう。人間、踏ん切りをつけるにはきっかけというものが必要になります」
「ちょ、ちょっと待ってください! 私、こんなメールを送った覚えはありません!」
「覚えはないと言われましても、送られてきたのは事実です。そして、源尾博士が心変わりしないうちに、すでに所長と相談して処分日を決定しました。五日後です」
「……課長がやったんですか? 私のパソコンから、勝手にメールを送って、既成事実を作ったんですか?」
「人聞きの悪いことを言わないでください。そんなつまらないことをするはずがない」
一切の感情を表に出さずに言葉を並べた佐藤課長は、後ろ手に扉を開きながら「それでは」と残して部屋を出ていきました。突然の大雨に晒されたように、私はただ立ち尽くしました。
〇
慌てて所長の元へ行き、事情を話して『ISY』の破棄の中止検討をお願いしましたが、まともに取り合ってくれませんでした。考えてみれば当たり前のことです。私達研究チーム以外、伊瀬冬くんを好ましく思っている人はもうこの所内にいないんですから。向こうとしては、それこそ〝いいきっかけ〟だったのでしょう。
研究室に戻った私は、中止検討が却下された件と、今朝の伊瀬冬くんとの一件についてみんなに伝えました。重い空気は沈黙を生み、私も含めたみんなは顔を伏せてしまいました。水島さんが「とにかく、最後まで粘りましょう」と言ってくれるまで、私達はしばらくそのままでした。
それから私は昨日に引き続いて方々へ連絡を取る作業をはじめました。院や大学の同期はもちろん、高校、中学の同級生から恩師まで……とにかく、今回の件で少しでも頼れそうな相手には協力を仰いでいます。
……それでも、今のところ芳しい結果はひとつとして得られていません。もちろん私に人望が無いのもありますが、一番の理由は佐藤課長です。先日の一件以外にも、直前になって話をひっくり返されるようなことが多々ありました。課長はよほど伊瀬冬くんを所外に出したくないのだと思います。
「大丈夫ですか?」と声を掛けられ顔を上げると、大藪さんが心配そうに私を見つめていました。窓の外を見ればいつの間にかすっかり日が暮れています。研究室には私と彼以外にはすでに誰もいません。残された時間は少ないというのに、今日も成果はありませんでした。
「大丈夫です。ご心配おかけしてすいません」
「とてもそうは見えませんよ。一日中電話とメールの繰り返しで……食事だってろくにとってないでしょう」
大藪さんはラップに包まれた手作りおにぎりをふたつ、「これをどうぞ」と言いながら差し出してきました。大藪さんの作ったおにぎりはとても美味しくて、なんだか大好きだったおばあちゃんを思い出す味がします。
「ありがとうございます。いただきます」
おにぎりを受け取ると同時にお腹がぐぅと鳴って、我慢できずにラップを剥がした私はそれにかぶりつきました。中身は焼いたたらこです。「美味しいです」と私が言うと、大藪さんは「それはよかった」と微笑みました。
「僕の方でも手は尽くします。だから源尾さん、せめて今日は休んでください」
大藪さんはそう言うと、荷物をまとめて部屋を出ていきました。残された私はおにぎりを食べてから作業を再開するつもりでしたが、お腹に物を入れたせいかどっと疲れが出てきて、その日は帰ることにしました。
家に帰り、道中で買った鮭弁当とサラダで食事を済ませ、シャワーを浴びているうちに眠気が襲ってきて、髪も乾かさずにベッドへ入ってしまいました。まぶたの裏には、彼の笑顔が浮かびました。
時刻は朝の七時半過ぎ。研究所まで来た私に、ロビーのソファーに座っていた鹿間さんはこめかみの辺りを押さえながら辛そうな顔でそう告げました。近づいただけでずいぶんお酒の匂いがしたので、昨日は夜遅くまで飲んでいたのかもしれません。
鹿間さんの言葉を聞いた時、正直言って私は混乱しました。彼女はまだ酔いが残ってるのかもしれない、なんていうことも考えたくらいです。いったい誰のためのお別れ会なのでしょうか? その点を訊ねると、彼女は「伊瀬冬さんのです」と答えました。ますます意味がわかりません。
「鹿間さん、どういうことなの?」
「それが、わからないんです。とにかく源尾さんにそう伝えてくれって、伊瀬冬さんが……」
この時、私は理由もわからず嫌な予感を覚えました。「ありがとう」と鹿間さんにお礼を告げた私は、駆け足で伊瀬冬くんのいる研究室へと向かいました。
部屋の扉を開けると、お酒の匂いがぷんと漂ってきました。鹿間さんはきっとここで飲んだに違いありません。「伊瀬冬くん?」と呼びかけると、「おう。来たな、源尾」といつも通りの軽い調子の彼の声がスピーカーから響いてきます。その途端、何故だか私は冷たい掌で心臓を握られたように不安な気持ちになると同時に、これから彼が何を話し始めるのか、なんとなくですがわかってしまいました。
どうか、この心配が杞憂でありますように。そう願いながら私は、「伊瀬冬くん。お別れ会ってなに?」と彼に訊ねました。
「たぶん、お前が想像してる通りだ。そのうち俺はここから消える。それなら、最後の時間はみんなと過ごしたい」
私の願いは唱えた瞬間に砕けました。「なんで?」「どうして?」と感情的になる自分を必死に抑えつけながら、私はこちらを視界に捉える伊瀬冬くんの〝瞳〟に真っ直ぐ視線を向けます。
「……言ったでしょ。勝手なこと言わないでって。伊瀬冬くんは私が助ける」
「ありがとな、源尾。でも、大丈夫だ」
その声は、まるで彼の笑顔が目の前に見えてきそうなくらい眩しい声でした。溢れそうになる涙をせき止めることで手一杯の私は、何を言うこともできません。
「当日は思いっきり笑ってくれ。そうすりゃ、俺に悔いはない」
「笑えるわけないでしょ。なんで諦めちゃうの。きちんと話してよ、伊瀬冬くん」
辛うじて出てきた私の声に伊瀬冬くんは答えてくれませんでした。彼が自ら休止状態(スリープモード)に入ったと気づいたのは、しばらく経った後のことでした。
私は伊瀬冬くんへ呼びかけ続けました。それでも彼はなんの反応も見せてくれません。もちろん、無理やり起こすことだってできます。でも私はそれをやろうとは思いませんでした。彼は、人間だから。無理強いはしたくありません。
朝の八時半を過ぎて、部屋にはチームのみんなが次々と集まってきました。鹿間さんは顔を洗ったのか、先ほどまでよりもすっきりした顔をしています。「さっきの伊瀬冬さんのヤツ、なんだったんですか?」と言われて、私は「ちょっとね」と言葉を濁しました。伊瀬冬くんが〝生〟を手放そうとしているなんて、口に出したくありませんでしたし、言葉という形にしたら、本当のことになってしまいそうに思えたからです。
「そういえば、伊瀬冬くんの声が聞こえないわね」と水島さんが朝食のサンドウィッチをかじりながら言った時のことです、研究室の扉が静かに開きました。やって来たのは、佐藤課長でした。
「おはようございます」と義務のように言った佐藤課長は、私達の挨拶を待たずに続けました。
「この度は、よく決心したようで」
「……急にどうされたんですか?」
「おや、お忘れですか。昨日の夜遅く、私のパソコンに、貴女のアドレスから社内メールで送られてきましたが。『ISY』の企画凍結と破棄を受け入れる。ついては、『ISY』を交えてお別れ会を開いてほしい、と」
まったく身に覚えがありません。私は「そんなはずはありません」と即座に言って、自分のパソコンを確認します。
……何故か、佐藤課長の言う通り、私のパソコンから彼女が述べたような内容のメールが送られていました。
「お別れ会というのが理解できませんが、まあいいでしょう。人間、踏ん切りをつけるにはきっかけというものが必要になります」
「ちょ、ちょっと待ってください! 私、こんなメールを送った覚えはありません!」
「覚えはないと言われましても、送られてきたのは事実です。そして、源尾博士が心変わりしないうちに、すでに所長と相談して処分日を決定しました。五日後です」
「……課長がやったんですか? 私のパソコンから、勝手にメールを送って、既成事実を作ったんですか?」
「人聞きの悪いことを言わないでください。そんなつまらないことをするはずがない」
一切の感情を表に出さずに言葉を並べた佐藤課長は、後ろ手に扉を開きながら「それでは」と残して部屋を出ていきました。突然の大雨に晒されたように、私はただ立ち尽くしました。
〇
慌てて所長の元へ行き、事情を話して『ISY』の破棄の中止検討をお願いしましたが、まともに取り合ってくれませんでした。考えてみれば当たり前のことです。私達研究チーム以外、伊瀬冬くんを好ましく思っている人はもうこの所内にいないんですから。向こうとしては、それこそ〝いいきっかけ〟だったのでしょう。
研究室に戻った私は、中止検討が却下された件と、今朝の伊瀬冬くんとの一件についてみんなに伝えました。重い空気は沈黙を生み、私も含めたみんなは顔を伏せてしまいました。水島さんが「とにかく、最後まで粘りましょう」と言ってくれるまで、私達はしばらくそのままでした。
それから私は昨日に引き続いて方々へ連絡を取る作業をはじめました。院や大学の同期はもちろん、高校、中学の同級生から恩師まで……とにかく、今回の件で少しでも頼れそうな相手には協力を仰いでいます。
……それでも、今のところ芳しい結果はひとつとして得られていません。もちろん私に人望が無いのもありますが、一番の理由は佐藤課長です。先日の一件以外にも、直前になって話をひっくり返されるようなことが多々ありました。課長はよほど伊瀬冬くんを所外に出したくないのだと思います。
「大丈夫ですか?」と声を掛けられ顔を上げると、大藪さんが心配そうに私を見つめていました。窓の外を見ればいつの間にかすっかり日が暮れています。研究室には私と彼以外にはすでに誰もいません。残された時間は少ないというのに、今日も成果はありませんでした。
「大丈夫です。ご心配おかけしてすいません」
「とてもそうは見えませんよ。一日中電話とメールの繰り返しで……食事だってろくにとってないでしょう」
大藪さんはラップに包まれた手作りおにぎりをふたつ、「これをどうぞ」と言いながら差し出してきました。大藪さんの作ったおにぎりはとても美味しくて、なんだか大好きだったおばあちゃんを思い出す味がします。
「ありがとうございます。いただきます」
おにぎりを受け取ると同時にお腹がぐぅと鳴って、我慢できずにラップを剥がした私はそれにかぶりつきました。中身は焼いたたらこです。「美味しいです」と私が言うと、大藪さんは「それはよかった」と微笑みました。
「僕の方でも手は尽くします。だから源尾さん、せめて今日は休んでください」
大藪さんはそう言うと、荷物をまとめて部屋を出ていきました。残された私はおにぎりを食べてから作業を再開するつもりでしたが、お腹に物を入れたせいかどっと疲れが出てきて、その日は帰ることにしました。
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