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4.脱いじゃおっか?

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チュッ

 あたしがキスしたのは、サクの唇のギリギリ端。

 雪「ビックリした? 唇じゃなかったらセーフだよね?」

 ここで悪の超人よろしくルール破りのキスを唇にぶちかますのも、それはそれでアリだろう。

 しかし、ここは逆にルールを利用してもっと盛り上げて行きましょー。

 頬、鼻の頭、顎先と色々場所を変えながら軽い接触を繰り返し、また唇のギリギリ端。
 更には、舌先で顔をペロペロ。

 ここでポイントは、顔を離すと気分が盛り下がるので、唇が触れそうで触れない絶妙な距離を一定に保ったまま、顔の凹凸に沿ってスライドさせる事だ。

 これを『雪スライド』と言う(ウソ)。

サク「そ、そう言うことなら」

 サクも同じように、舌先でペロペロ。

 この時点で、サクはもうあたしの唇が欲しくて欲しくて仕方なくなっているだろう。
 その証拠に、口が無意識にタコみたいになってる。

 あたしの『ぷるぷるリップ』を味わいたいが、唇同士の接触はNG。
 なら、どうする?

 そしてサクは、舌先であたしの唇を舐めてくる。
 あたしが何も言わないと段々調子に乗り、舌全体で舐りだす。

 あーもう、いっその事サクの顔をガッシリホールドしてドロドロのキスに突入したいっ。

 いやいや、待て待て。

 折角サクが『ルールの抜け道』を思い付いたんだから、ここは乗ってあげるべきだろう。

 あたしが僅かに覗かせた舌とサクの舌が一瞬触れると、さすがに驚いたようで、

サク「あ、今のってキスか?」

 あたしはニコッと笑い、

 雪「ぜーん然大丈夫。続けよ続けよ」

 舌を出して触れに行くと、サクも受け入れてくれる。

ピチャピチャ、クチュクチュ

 お互いの舌を、艶めかしく絡ませ合う。
 気持ちーが、焦れったい。

 あーもう、いっその事サクの顔をガッシリホールドして滅茶苦茶に唇を貪りたいっ。

 いやいや、待て待て。

 折角ここまで来たんだから、もうちょっと我慢して最高に気持ちーキス(ゴール)を目指そうじゃないか。

ピトッ

 頃合いを見て、ワザとらしくならない程度に軽く唇を当ててみる。

 慌てて離れ、

 雪「あ、ゴメ…間違って当たっちゃった」

 ニコッと微笑み、すぐに顔を近付ける。

 雪「でも、こんな状況だもん。
   ちょっと唇が当たっちゃっても、不可抗力だよね」

 そんなワケあるかー!!
 唇同士が接触したら、それはもうキスだよー。

 もっと言えば、舌を絡ませた時点でもうキスでしょー。

サク「うん、事故だよね」

 サクも上手く頭が回っておらず、またサクにとっても嬉しいハプニングなので、こう答えてしまう。

 今更、この流れを断つ選択もしないだろう。

 その後も、一定時間舌を絡めては息継ぎしたりと繰り返す。

 あーもう、いっその事サクの顔をガッシリホールドして思いっきり唇を押し付けたいっ。

 いやいや、待て待て。

 折角の良い流れを、あたしからご破算にするのは勿体ない。

 いや、それはそれでアリなのかも。
 いや、でも…。

ピトッピトッ

 絡み合いが深くなるに連れ『事故』の回数が増えて行く。いや、増やして行く。

 雪「何か『事故』多いけど、気のせいだよね?」
サク「∪NNN、気のせい気のせい」

 この辺になると、サクから否定的な言葉は返って来ない。
 てか、状況に身を任せる他手段がないと言った感じ。

 段々とツンツン突くような軽い接触を、ピタァと物を捕らえるような確実なモノに変えて行く。

 仕舞には、ピッタリ唇同士をくっつけながら、

 雪「何か『事故』ばっかだね」
サク「そんな事もある」

 はい、フィィィッシュッッッ!!

 その後はチューチューと唇を吸い合ったり、唇同士でハムハムしたり、ピタァと唇を重ねて舌を絡め合ったりと、もうヤリたい放題。

 今までの鬱憤を晴らすように、サクの唇を堪能する。

 あー、これ死ねる。軽く死ねる。

 脳から『ヤバい快楽物質』がドバドバ出てる感じで、溶けちゃいそう。

 もう永遠に続けていられるけど、そろそろ次行ってみよー。

 まだだ、まだ逃さないぜ。
 雪さんは貪欲なのです。

 キスはしてしまったけど、まだ本丸(SEX)が残ってるなんて思っちゃってます?

 でも、アナタのソレ(本丸)風前の灯ですからっ。残念!!

 顔を離した2人の間には、ネットリと銀色の橋が架かる。
「はぅ」とため息1つ、抱き着いてサクの首元に顔を埋める。

 雪「あーサク、ヤバい。これはヤバいかも」
サク「な何がヤバい?」

 ちょっと見詰め合った後、耳元に口を寄せ、

 雪「ま、マンコ、グチョグチョ」

 これは本当。

 軽く身動ぎしただけで、めっちゃヌルヌルしてすごい事になってるのがわかる。もう、確認しなくてもわかる。 

 これは、今さっきこうなったのではない。

 サクをベッドに連れ込んだ段階で、ううん、DVD鑑賞してた段階でもう、なんならサクの部屋に入った時にはすでに『ウルウル』してたかも知れない。

 ゴクリと、サクが喉を鳴らすのがわかった。

 雪「サクのチンチンもパンパンだね?」

 いくら夢中になってたからと言って、キスだけしてたワケじゃない。

 腰をグリグリ押し付けたり、脚を絡ませたり。

 DVDを鑑賞してた時から『予想』していたが、今チンチンの強張りを下腹部で『実感』している。



 雪「もういっそ、パンツとか脱いじゃおっか?」





~~多謝~~

 数多の作品の中から本作を見つけて頂き、そして目を通して頂きありがとうございます。

 本作は作者の前作『意外としたたかな幼馴染と俺』のEXおまけであり、同じ内容のモノを視点を変えて書いたモノです。

 本作から読んだ方にも理解してもらえるように配慮したつもりですが、前作を読んだ方には同じ表現が繰り返されていたりと、回りくどく感じる部分があるかも知れません。

 気になる点などありましたら、容赦なく指摘して下さい。

 内容的には同じですが、視点が違う事で決して退屈させないモノに仕上がってると自負しております。

 前作同様、サクッと全話上げていけるように頑張りますので、よろしくお願いします。
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