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【番外編】デネブの英雄伝説
1、彦星の親友
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「根室くん、あの……これ……」
高校生になったら、好きな人ができて、恋人を作って、それから部活動もして、人並みでいいからドラマなんかで見かけるような青春時代を過ごせるものだと夢見ていた。というよりも、ある程度の年齢になったら、そんな未来は誰にでも訪れるものなのだと思っていた。だけど、
「これ、保科くんに渡してくれない?」
現実はそう甘くないことは早々に悟ることになる。
差し出された小さな包み紙を前に、今月何度目だろうかと体の力が抜けていくのを感じる。目の色なんて、それはそれは無機質な色をしていただろう。
暑かった夏が終わり、部活動も引退し、本格的に受験シーズンに突入したこの逃げ場のない季節にさらに追い打ちをかけてくる。
じゃんけんに負け、グランドの奥にある収集所まで今日も盛りだくさんのゴミ袋を両手に抱え、運んでいたところ、突然女子の軍団に囲まれて、そのうちのひとりから声をかけられたのだ。恐ろしすぎる襲撃である。
「あの、わたし……」
(あ……はいはい。知っていた。知っていたよ)
目の前でもじもじする女子は確か、二組の子だと思うけど、彼女はいつも保科くんのことばっかり目で追っている。
「あー、ごめん」
仕方ないので、今日も当たり障りのない決まり文句を並べる。
「ホッシーのものはホッシーに許可なく勝手に受け取らないようにしてるんだ」
いつもいつも保科くん保科くん保科くん。
中学時代から慣れっこのため、もう気にもしないし、今では対処法だってある程度わかっているつもりだ。
「でも……」
「ってわけで、悪いな」
そう言いながら、颯爽と立ち去ろうとすると、後ろから割り込んできた別の女子たちに『何あいつ!』『自分がモテないからって僻んでんじゃないの?』『うわ、最悪!』などと、とばっちりもいいところな悪態をつかれるまでがこの出来事にはもれなくついてくる。
(はいはいはいはい、何とでも言ってくれ)
慣れている。慣れているのである。
人並みの青春時代を送りたいと誰よりも願っていたけど、そんなものは選ばれし人間にだけ与えられた特権だと今ではわかっている。現に俺なんてかわいそうなものだ。
まわりにふたりも目立つ男がいるのだから。俺がいったい何をしたのだと、そろそろ嘆きたくもなるくらいに。
綾瀬くんと保科くん。
中学校の時から親友ふたりの身長がぐんぐん伸び始め、俺を見下ろし始めた。もともと整った顔を持つふたりがさらに美しく進化を遂げ、ますます目立つようになり、俺は常に脇役と化した毎日を送ることになったため、今ではもう自分の立場はわかっているつもりだ。
「ムロ、大丈夫……」
教室に入ろうとすると、後ろから話題の的である保科くんから声をかけられた。わざわざ隣の教室からやってくるなんて彼らしい。女子だったらきゃーきゃー騒ぎそうなご尊顔を歪ませ、申し訳なさそうにこちらを見ている。
保科くん保科くん。
「アヤから聞いた。ごめん、また迷惑かけたみたいで」
「くそ、アヤちゃん、見ていたのに、助けてくれなかったのか……」
「今日は急いでたみたいで」
「明日、覚えとけよ……」
保科くん保科くん保科くん。みんなが大好き、保科くん。
「ムロ、何かあったら俺のせいにして逃げていいんだからね」
この男がとてつもなく嫌な奴なら良かったのだけど、保科くんことホッシーはとんでもなくいいやつのため、何を言われたってこっちが勝手に守ってやりたくなってしまうのだ。
「ホッシーの手は煩わせないよ」
「でも、ムロが悪く言われたら嫌だし」
「俺だって何も考えてないわけじゃない。この神対応の繰り返しで、いつか『わぁ~、根室くんって友達想い!』って言ってくれる人も現れるだろうし、気にするな」
現れたってそれ以上に発展しないだろうことはわかっていたけど、ホッシーにはいつも笑っていてほしい。
「……助かるよ」
昔は俺よりも背が小さく気も弱かったけど、中学二年生の後半くらいからいきなり背が伸び始めたホッシーは、それでも変わらず謙虚で優しい性格とそれに加えて整った甘いマスクまで兼ね備えていたため、まわりの人間も放っておくがわけがない。天はこの男に二物以上与えすぎだろ、と思ったこともあったけど、そんなこんなでいつも俺の背に隠れていた小さなホッシーは、いつの間にやら一気にヒエラルキーのてっぺんにいる人物になってしまった。俺なんて百七十センチまでのあと一センチの壁が目の前に見えているようで遠い。まるで関門海峡を隔てて見える唐戸市場から門司港までの距離のようだ。
そんな俺でも変わらず仲よくしてくれるのは、ホッシーのいいところである。
「でも断らないでほしいこととかあったら遠慮なく言ってよ。協力するから」
「あ……うん」
ホッシー目当てに近づいてくる人間は片っ端から断り続けているけど、ホッシーにとって良いご縁があ
る場合もある。そのため、念のため、断らない選択肢もあるということを伝えると、気まずそうに『ありがとう』と返された。
「でも、しばらくは大丈夫」
そして、力なく笑う。
「もったいないぁ~。俺がホッシーなら遊びまくるのに」
机に散らばった荷物をカバンに詰め込みながらさりげなく告げると、困った顔を向けられた。
「俺はムロほど器用じゃないから……あ、アヤたちだ!」
ホッシーが窓の外に向かって手を振ったため、根室くんの器用さはまだ発揮していないぞ、などと思い
ながらも同じ方向に目を向けると、もうひとりの親友である、アヤちゃんこと綾瀬くんが長年付き合っている恋人と帰っていくところだった。まさに理想的で想像通りの高校生の姿である。アヤちゃんは格好良くても安定した恋人がいるから何も言われることはないのだけど、ホッシーにはずっと浮ついた噂がない。
だから最近はホッシーがひとり無法地帯状態で、四方八方から集中攻撃を受けているようにも感じられる。
もちろん、根室くんもいるんだけど、小さいからか、まったく気づいてもらえない。
いつまで続くんだこのモテ期は!と思えるほど長い長いモテ期を今年も地味に更新し続けているくせに、当人のホッシーは『しばらく恋愛はいいかな』と口にすることが増えた。受験を控えている身のため、今は恋愛よりも勉学に励むべきだと思うけど、ホッシーを見ているとなんだかなぁ、と思えてならない。
「ホッシーこそ、帰らなくていいの?」
今日は彼がよく浮かれていた木曜日だ。
本人から直接聞いたことはなかったけど、俺もアヤちゃんも気付いていた。
ホッシーは、木曜日の放課後が近づくと浮き足立ってそわそわし始め、ホームルームが終わると同時に誰よりも早く教室から飛び出していくようになった。
「うん。もう帰るよ。今日は自転車じゃないから、ムロ、途中まで一緒に帰ろう」
(……そうだな、って、そういうことじゃなくって)
無邪気に返されて、言葉を失う。そして、
「おう、準備するからちょっと待って」
そんなホッシーに言い返せるはずもなく、今日も優しい笑顔を向けられると、オッケー任せろ!といつもの通り大きな声でガッツポーズを作ってしまうのだった。
部活動を引退して、自転車通学をしなくなったホッシーは、たまにこうして一緒に帰ろうと迎えに来てくれることが増えたのだった。
ホッシーファンの女子たちが見たら羨ましくて仕方がない光景だろう。親友の根室くんにだけ与えられた特権だ。
近づいてきてくれる人はますます減る一方だけど、開き直って優越感に浸りたいものだ。男同士の友情だって、青春のひとつだと信じている。
高校生になったら、好きな人ができて、恋人を作って、それから部活動もして、人並みでいいからドラマなんかで見かけるような青春時代を過ごせるものだと夢見ていた。というよりも、ある程度の年齢になったら、そんな未来は誰にでも訪れるものなのだと思っていた。だけど、
「これ、保科くんに渡してくれない?」
現実はそう甘くないことは早々に悟ることになる。
差し出された小さな包み紙を前に、今月何度目だろうかと体の力が抜けていくのを感じる。目の色なんて、それはそれは無機質な色をしていただろう。
暑かった夏が終わり、部活動も引退し、本格的に受験シーズンに突入したこの逃げ場のない季節にさらに追い打ちをかけてくる。
じゃんけんに負け、グランドの奥にある収集所まで今日も盛りだくさんのゴミ袋を両手に抱え、運んでいたところ、突然女子の軍団に囲まれて、そのうちのひとりから声をかけられたのだ。恐ろしすぎる襲撃である。
「あの、わたし……」
(あ……はいはい。知っていた。知っていたよ)
目の前でもじもじする女子は確か、二組の子だと思うけど、彼女はいつも保科くんのことばっかり目で追っている。
「あー、ごめん」
仕方ないので、今日も当たり障りのない決まり文句を並べる。
「ホッシーのものはホッシーに許可なく勝手に受け取らないようにしてるんだ」
いつもいつも保科くん保科くん保科くん。
中学時代から慣れっこのため、もう気にもしないし、今では対処法だってある程度わかっているつもりだ。
「でも……」
「ってわけで、悪いな」
そう言いながら、颯爽と立ち去ろうとすると、後ろから割り込んできた別の女子たちに『何あいつ!』『自分がモテないからって僻んでんじゃないの?』『うわ、最悪!』などと、とばっちりもいいところな悪態をつかれるまでがこの出来事にはもれなくついてくる。
(はいはいはいはい、何とでも言ってくれ)
慣れている。慣れているのである。
人並みの青春時代を送りたいと誰よりも願っていたけど、そんなものは選ばれし人間にだけ与えられた特権だと今ではわかっている。現に俺なんてかわいそうなものだ。
まわりにふたりも目立つ男がいるのだから。俺がいったい何をしたのだと、そろそろ嘆きたくもなるくらいに。
綾瀬くんと保科くん。
中学校の時から親友ふたりの身長がぐんぐん伸び始め、俺を見下ろし始めた。もともと整った顔を持つふたりがさらに美しく進化を遂げ、ますます目立つようになり、俺は常に脇役と化した毎日を送ることになったため、今ではもう自分の立場はわかっているつもりだ。
「ムロ、大丈夫……」
教室に入ろうとすると、後ろから話題の的である保科くんから声をかけられた。わざわざ隣の教室からやってくるなんて彼らしい。女子だったらきゃーきゃー騒ぎそうなご尊顔を歪ませ、申し訳なさそうにこちらを見ている。
保科くん保科くん。
「アヤから聞いた。ごめん、また迷惑かけたみたいで」
「くそ、アヤちゃん、見ていたのに、助けてくれなかったのか……」
「今日は急いでたみたいで」
「明日、覚えとけよ……」
保科くん保科くん保科くん。みんなが大好き、保科くん。
「ムロ、何かあったら俺のせいにして逃げていいんだからね」
この男がとてつもなく嫌な奴なら良かったのだけど、保科くんことホッシーはとんでもなくいいやつのため、何を言われたってこっちが勝手に守ってやりたくなってしまうのだ。
「ホッシーの手は煩わせないよ」
「でも、ムロが悪く言われたら嫌だし」
「俺だって何も考えてないわけじゃない。この神対応の繰り返しで、いつか『わぁ~、根室くんって友達想い!』って言ってくれる人も現れるだろうし、気にするな」
現れたってそれ以上に発展しないだろうことはわかっていたけど、ホッシーにはいつも笑っていてほしい。
「……助かるよ」
昔は俺よりも背が小さく気も弱かったけど、中学二年生の後半くらいからいきなり背が伸び始めたホッシーは、それでも変わらず謙虚で優しい性格とそれに加えて整った甘いマスクまで兼ね備えていたため、まわりの人間も放っておくがわけがない。天はこの男に二物以上与えすぎだろ、と思ったこともあったけど、そんなこんなでいつも俺の背に隠れていた小さなホッシーは、いつの間にやら一気にヒエラルキーのてっぺんにいる人物になってしまった。俺なんて百七十センチまでのあと一センチの壁が目の前に見えているようで遠い。まるで関門海峡を隔てて見える唐戸市場から門司港までの距離のようだ。
そんな俺でも変わらず仲よくしてくれるのは、ホッシーのいいところである。
「でも断らないでほしいこととかあったら遠慮なく言ってよ。協力するから」
「あ……うん」
ホッシー目当てに近づいてくる人間は片っ端から断り続けているけど、ホッシーにとって良いご縁があ
る場合もある。そのため、念のため、断らない選択肢もあるということを伝えると、気まずそうに『ありがとう』と返された。
「でも、しばらくは大丈夫」
そして、力なく笑う。
「もったいないぁ~。俺がホッシーなら遊びまくるのに」
机に散らばった荷物をカバンに詰め込みながらさりげなく告げると、困った顔を向けられた。
「俺はムロほど器用じゃないから……あ、アヤたちだ!」
ホッシーが窓の外に向かって手を振ったため、根室くんの器用さはまだ発揮していないぞ、などと思い
ながらも同じ方向に目を向けると、もうひとりの親友である、アヤちゃんこと綾瀬くんが長年付き合っている恋人と帰っていくところだった。まさに理想的で想像通りの高校生の姿である。アヤちゃんは格好良くても安定した恋人がいるから何も言われることはないのだけど、ホッシーにはずっと浮ついた噂がない。
だから最近はホッシーがひとり無法地帯状態で、四方八方から集中攻撃を受けているようにも感じられる。
もちろん、根室くんもいるんだけど、小さいからか、まったく気づいてもらえない。
いつまで続くんだこのモテ期は!と思えるほど長い長いモテ期を今年も地味に更新し続けているくせに、当人のホッシーは『しばらく恋愛はいいかな』と口にすることが増えた。受験を控えている身のため、今は恋愛よりも勉学に励むべきだと思うけど、ホッシーを見ているとなんだかなぁ、と思えてならない。
「ホッシーこそ、帰らなくていいの?」
今日は彼がよく浮かれていた木曜日だ。
本人から直接聞いたことはなかったけど、俺もアヤちゃんも気付いていた。
ホッシーは、木曜日の放課後が近づくと浮き足立ってそわそわし始め、ホームルームが終わると同時に誰よりも早く教室から飛び出していくようになった。
「うん。もう帰るよ。今日は自転車じゃないから、ムロ、途中まで一緒に帰ろう」
(……そうだな、って、そういうことじゃなくって)
無邪気に返されて、言葉を失う。そして、
「おう、準備するからちょっと待って」
そんなホッシーに言い返せるはずもなく、今日も優しい笑顔を向けられると、オッケー任せろ!といつもの通り大きな声でガッツポーズを作ってしまうのだった。
部活動を引退して、自転車通学をしなくなったホッシーは、たまにこうして一緒に帰ろうと迎えに来てくれることが増えたのだった。
ホッシーファンの女子たちが見たら羨ましくて仕方がない光景だろう。親友の根室くんにだけ与えられた特権だ。
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