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【14歳 春】
3、【14歳 春】暖かい光は春を呼ぶ
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「遅くなりました! 魔女様!」
いきなりまばゆい光が飛び込んできたのは、そのときだった。
「魔女様!」
(えっ……)
夢でも見ているのかと思った。
あまりにもこの場にはそぐわない不釣合いな光景だった。
憧れた光景すぎて、ついにわたしも幻覚を見るようになってしまったのか。
気が動転してしまった騎士の人たちも途中から目には見えないものを見始めたようだったから、わたしもそろそろなのかと思えた。
夢ならもう、覚めたくない……。
そう思えるほどに、その光はあまりにも温かすぎた。
「今日からお世話になります! あなたの騎士です!」
さらに大きな声を上げられて、我に返った。
(えっ? 誰……)
流れるように美しい銀髪を揺らし、長い前髪はびっくりするほど整ったお顔にかかっている。
洗練された身のこなしで、彼はこちらに向かって優雅にお辞儀をした。
(ど、どうして……こ、この人……)
新しい騎士だと言った。
この人が?
「よろしくお願いいたします!」
目が合うと、嫌な顔ひとつせずににっこりと笑みを浮かべてなおも続けた。
「お食事中ですか?」
いつもの騎士たちは入ってくるなり絶望的な表情を浮かべていた。
わたしと目が合えば、この世の終わりと言わんばかりに暴れ始めたり……大変なことになっていた。それなのに、
「俺もたくさん食べ物を持ってきたんです。よかったらご一緒してもよろしいですか?」
にこにこと不気味なほどに笑みを絶やさない春の光のようなこの人は一体どういうつもりでここに足を踏み入れたのだろうか。
見るからに生身の人間のようだし、どうやら願いに願いすぎて自身の希望をついに現実にしてしまったのかもしれない。
ぞっとした。
すぐに王宮に連絡をしないと。
混乱した頭の中でぐるぐると、このあとやらねばならないことを想像する。
きっと、今度こそただでは済まない。
自分だけではない。
無実の祖母までもを巻き込むことになるかもしれない。
「魔女様?」
挙動不審なわたしの様子を不思議な面持ちで眺めてくる彼は、わたしが怖くないのだろうか。
いや、突然目が覚めて、他の騎士のように騒ぎ出すかもしれない。
「失礼しますね」
透き通るような滑らかな肌と空のような淡い瞳に一瞬目を奪われて、息をのむ。
こんな人間いるものなのかと思えるほどに顔がいい。
(ああ、わたしはまた……)
声にしかけた言葉は音にならず、わたしは唇を噛んだ。
それは、十五になる少し前の春のこと。
こうしてわたしは、ひとりの騎士と出会った。
薄暗く変わり映えのない森に一縷の光が差し込み、灰色の空のように色を失ったわたしの毎日に新しい色が加わった、そんな出来事だった。
いきなりまばゆい光が飛び込んできたのは、そのときだった。
「魔女様!」
(えっ……)
夢でも見ているのかと思った。
あまりにもこの場にはそぐわない不釣合いな光景だった。
憧れた光景すぎて、ついにわたしも幻覚を見るようになってしまったのか。
気が動転してしまった騎士の人たちも途中から目には見えないものを見始めたようだったから、わたしもそろそろなのかと思えた。
夢ならもう、覚めたくない……。
そう思えるほどに、その光はあまりにも温かすぎた。
「今日からお世話になります! あなたの騎士です!」
さらに大きな声を上げられて、我に返った。
(えっ? 誰……)
流れるように美しい銀髪を揺らし、長い前髪はびっくりするほど整ったお顔にかかっている。
洗練された身のこなしで、彼はこちらに向かって優雅にお辞儀をした。
(ど、どうして……こ、この人……)
新しい騎士だと言った。
この人が?
「よろしくお願いいたします!」
目が合うと、嫌な顔ひとつせずににっこりと笑みを浮かべてなおも続けた。
「お食事中ですか?」
いつもの騎士たちは入ってくるなり絶望的な表情を浮かべていた。
わたしと目が合えば、この世の終わりと言わんばかりに暴れ始めたり……大変なことになっていた。それなのに、
「俺もたくさん食べ物を持ってきたんです。よかったらご一緒してもよろしいですか?」
にこにこと不気味なほどに笑みを絶やさない春の光のようなこの人は一体どういうつもりでここに足を踏み入れたのだろうか。
見るからに生身の人間のようだし、どうやら願いに願いすぎて自身の希望をついに現実にしてしまったのかもしれない。
ぞっとした。
すぐに王宮に連絡をしないと。
混乱した頭の中でぐるぐると、このあとやらねばならないことを想像する。
きっと、今度こそただでは済まない。
自分だけではない。
無実の祖母までもを巻き込むことになるかもしれない。
「魔女様?」
挙動不審なわたしの様子を不思議な面持ちで眺めてくる彼は、わたしが怖くないのだろうか。
いや、突然目が覚めて、他の騎士のように騒ぎ出すかもしれない。
「失礼しますね」
透き通るような滑らかな肌と空のような淡い瞳に一瞬目を奪われて、息をのむ。
こんな人間いるものなのかと思えるほどに顔がいい。
(ああ、わたしはまた……)
声にしかけた言葉は音にならず、わたしは唇を噛んだ。
それは、十五になる少し前の春のこと。
こうしてわたしは、ひとりの騎士と出会った。
薄暗く変わり映えのない森に一縷の光が差し込み、灰色の空のように色を失ったわたしの毎日に新しい色が加わった、そんな出来事だった。
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