73 / 248
団長の謎
しおりを挟む
また、昔の課長の机に戻ることになった。加瀬の荷物を今度は女性社員が段ボールに入れる。それでも、相談役の部屋の机はそのままに置いたままだ。これは今の周平の状態を表しているようだ。
ケイ君が珍しく携帯でビルの下にいると入った。
「少し離れた店がいいな」
気を使ってくれているようだ。新橋まで歩いて細い路地の店に入った。
「赤坂の件?」
「いや、団長の件だよ」
馴染の店のようで焼きそばを注文している。
「実は昨日団長の代理で出張出前ステージをしてきたんだ」
「ああ、例の」
「カオルの調子が悪くて、病院に付き添うということだった」
「カオルが?」
「知らなかったんだな。カオルは1年に2度くらい倒れるんだ。白血病の一種だということだ」
「それで?」
「あのサングラスの男と飲んだんだ。珍しくよくしゃべっていたからな。彼は京都の大学卒業で団長とは同窓生だったと言っている」
周平は思わず声を上げそうになった。同じ大学だ。
「サングラスの男の写真があったな?」
「言われると思って、何枚かサングラスを外したところを撮っている」
ポケットから何枚か出してみせる。
周平はじっと見つめてみる。まだ霧がかかっている。
「一度京都の大学を訪ねてくれないか?このゼミの名簿を調べてもらえないか?」
周平はメモ用紙にゼミの名前と田辺周平と書いた。そして財布から10万円を出した。
ケイ君が珍しく携帯でビルの下にいると入った。
「少し離れた店がいいな」
気を使ってくれているようだ。新橋まで歩いて細い路地の店に入った。
「赤坂の件?」
「いや、団長の件だよ」
馴染の店のようで焼きそばを注文している。
「実は昨日団長の代理で出張出前ステージをしてきたんだ」
「ああ、例の」
「カオルの調子が悪くて、病院に付き添うということだった」
「カオルが?」
「知らなかったんだな。カオルは1年に2度くらい倒れるんだ。白血病の一種だということだ」
「それで?」
「あのサングラスの男と飲んだんだ。珍しくよくしゃべっていたからな。彼は京都の大学卒業で団長とは同窓生だったと言っている」
周平は思わず声を上げそうになった。同じ大学だ。
「サングラスの男の写真があったな?」
「言われると思って、何枚かサングラスを外したところを撮っている」
ポケットから何枚か出してみせる。
周平はじっと見つめてみる。まだ霧がかかっている。
「一度京都の大学を訪ねてくれないか?このゼミの名簿を調べてもらえないか?」
周平はメモ用紙にゼミの名前と田辺周平と書いた。そして財布から10万円を出した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる