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入社祝い
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未公開株の振り分けも始まったようである。これは融資も絡むので小林のところが担当する。周平は国有地払下げで事前に関係者と会い現金の引渡しも済ませている。ミーは小林からの裏会社の名義変更を担当している。小林はこれからは表の人間になると思い込んでいるようで機嫌がいいということだった。
周平は今日初めて裏会社の新橋にある事務所に行く。ミーから渡された鍵を差し込む。
「開いているさ」
中から聞きなれた声がする。
「なんだ藤尾さん」
ソファーにもたれて弁当を手にビールを飲んでいる。
「ここは赤坂で上げた抱き合わせのビルなんだ。1階がこちらの会社の本社事務所で、上はそれぞれダミー会社の登記事務所さ。ところで裏会社の社長をやるらしいな」
「話が早いな?」
「ミーから聞いたよ。社長の名義が変わるって見せられた。それと小林の調査が無駄になったようだな」
「それもミーから?」
「いやそれはケイ君からだ。今彼に立退きの交渉を任せている。下手な地上げ屋よりうまいから」
そう言って腕時計を覗きこむ。
「もう来る」
と言った途端にケイ君の顔が覗く。手にビニール袋を抱えている。
「軽く入社祝いと思ってな」
「朝藤尾さんから呼ばれたんだ」
さっそくテーブルの新聞紙を払いのけて缶ビールとワンカップが並ぶ。なんだかこんな会社は楽しそうだ。
「ところで狐はミーさんを抱いた?」
真顔でケイ君が聞く。
「ケイ君ミーがタイプらしいや」
「やっぱり男?」
「ああ、胸はあるがポールは残っている」
「もうすぐそのポールさんも来るよ」
周平は今日初めて裏会社の新橋にある事務所に行く。ミーから渡された鍵を差し込む。
「開いているさ」
中から聞きなれた声がする。
「なんだ藤尾さん」
ソファーにもたれて弁当を手にビールを飲んでいる。
「ここは赤坂で上げた抱き合わせのビルなんだ。1階がこちらの会社の本社事務所で、上はそれぞれダミー会社の登記事務所さ。ところで裏会社の社長をやるらしいな」
「話が早いな?」
「ミーから聞いたよ。社長の名義が変わるって見せられた。それと小林の調査が無駄になったようだな」
「それもミーから?」
「いやそれはケイ君からだ。今彼に立退きの交渉を任せている。下手な地上げ屋よりうまいから」
そう言って腕時計を覗きこむ。
「もう来る」
と言った途端にケイ君の顔が覗く。手にビニール袋を抱えている。
「軽く入社祝いと思ってな」
「朝藤尾さんから呼ばれたんだ」
さっそくテーブルの新聞紙を払いのけて缶ビールとワンカップが並ぶ。なんだかこんな会社は楽しそうだ。
「ところで狐はミーさんを抱いた?」
真顔でケイ君が聞く。
「ケイ君ミーがタイプらしいや」
「やっぱり男?」
「ああ、胸はあるがポールは残っている」
「もうすぐそのポールさんも来るよ」
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