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臨時取締役会議
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本日は臨時取締役会議ということで周平は顧問に赤坂の最終報告をするように言われた。
会議室の扉が閉められて、取締役が全員揃う。議事進行は相談役が行う。会長は斜めに椅子にもたれて不機嫌そうである。社長は足をガタガタふるわせて窓の外ばかり見ている。舅も柳沢も背中を向けるように座っている。顧問だけがにこにこ座っている。
周平の赤坂の報告は露払いのようで誰も聞いていない。4者会談で決着したわけだから、ここで紛糾することはなさそうである。ただ情報を受けていない取締役はみんな真剣だ。とくに舅と柳沢は相談役が説明するのに立ち上がった時頭を同時に上げた。まるで忍者の棟梁の戦いでもあったわけだ。
「代表取締役社長を顧問にお願いします」
その声にざわめきが起こる。だが誰も発言しない。
続いて取締役の新任を淡々と発表してゆく。それぞれメモを取る人が増える。
今まで中立でいた人事部長が専務取締役にとなり、大きく会長派、社長派の取締役が外された。新任の取締役に相談役の息子がやはり入ってきた。これはM銀行頭取の意向だろう。その流れで柳沢も舅も取締役から外された。相談役は今回より取締役に帰り咲く。会長は代表取締役を外され平取会長としてとどまる。どうもここが顧問としては不満の残る結果だったのだろう。
急に柳沢が立ち上がって、会長を睨みつけるとそのまま会議室を出てゆく。舅も松葉杖を起こして立ち上がる。彼は相談役を見つめている。二人は将のために戦い見捨てられたのだ。
続いて会長派、社長派が退席してゆく。
「課長」
席を立とうとした周平に新社長が声をかけてくる。
「残ってください。続いて人事の素案を作ります」
社長の横に相談役と専務が席を詰めて座る。
「調査部はなくなります。その代り社長室室長をお願いしますよ。初仕事になりますね」
会議室の扉が閉められて、取締役が全員揃う。議事進行は相談役が行う。会長は斜めに椅子にもたれて不機嫌そうである。社長は足をガタガタふるわせて窓の外ばかり見ている。舅も柳沢も背中を向けるように座っている。顧問だけがにこにこ座っている。
周平の赤坂の報告は露払いのようで誰も聞いていない。4者会談で決着したわけだから、ここで紛糾することはなさそうである。ただ情報を受けていない取締役はみんな真剣だ。とくに舅と柳沢は相談役が説明するのに立ち上がった時頭を同時に上げた。まるで忍者の棟梁の戦いでもあったわけだ。
「代表取締役社長を顧問にお願いします」
その声にざわめきが起こる。だが誰も発言しない。
続いて取締役の新任を淡々と発表してゆく。それぞれメモを取る人が増える。
今まで中立でいた人事部長が専務取締役にとなり、大きく会長派、社長派の取締役が外された。新任の取締役に相談役の息子がやはり入ってきた。これはM銀行頭取の意向だろう。その流れで柳沢も舅も取締役から外された。相談役は今回より取締役に帰り咲く。会長は代表取締役を外され平取会長としてとどまる。どうもここが顧問としては不満の残る結果だったのだろう。
急に柳沢が立ち上がって、会長を睨みつけるとそのまま会議室を出てゆく。舅も松葉杖を起こして立ち上がる。彼は相談役を見つめている。二人は将のために戦い見捨てられたのだ。
続いて会長派、社長派が退席してゆく。
「課長」
席を立とうとした周平に新社長が声をかけてくる。
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社長の横に相談役と専務が席を詰めて座る。
「調査部はなくなります。その代り社長室室長をお願いしますよ。初仕事になりますね」
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