205 / 248
ベンチャー事件の始まり
しおりを挟む
翌日のKジャーナルに未公開株のリストがぼやかせて載せられた。これを持って来たのは轟だ。周平もミーも思い思いにソファや椅子を並べて寝ていた。あれから裏会社に書類の段ボールを運び込んだ。手伝ってくれた藤尾と運転手は自分の事務所に戻って仮眠をとった。気が立っていたのかミーがなかなか寝付けず持ってきたワインを二人でいつの間にか空けてしまっていた。いつ寝たのかも覚えていない。
「Kジャーナルには黒崎の車が残っていて、部屋には数人がいるようだった。今ダチに張り込みを続けさせている。それからY新聞の系列の雑誌を買った。やはり同日であの小林と秘書の映像をベンチャー事件としてシリーズ掲載を始めた」
ここにはまだリストらしきものは載せられていない。
私設秘書から携帯が入る。
「やられたな。昨夜第1秘書から電話で3か月前付の解雇を言い渡されたよ。そちらとの関係もなかったということにしてもらえということだ」
「そうだろうね。これだけ聞きたいのだが、未公開株はあのリスト通りに配られた?」
「おそらくリストの半分もその通りに配られていないね。あくまでも想像だが」
これは総理が自分で振り分けたのだろう。
「噂でいいから集めてくれ」
「分かったよ。失業者だからな」
携帯を切った途端、本社の総務部長からの電話だ。
「銀座には公衆電話がないね。小林と秘書が警察に入った。解雇は済ませている。これからはこちらから電話を入れる。社長もそうだ」
「社長は?」
「ヘリで大阪に。任せたと言っておられた。でも未公開株の身内売買は業界の恒例だったはずだが?」
「でもそれを恒例としてきた人達が恒例でないと決めたらどうなるのでしょか?」
「私には考え付かないな」
これが黒崎の言う上の人達なのだろう。
「Kジャーナルには黒崎の車が残っていて、部屋には数人がいるようだった。今ダチに張り込みを続けさせている。それからY新聞の系列の雑誌を買った。やはり同日であの小林と秘書の映像をベンチャー事件としてシリーズ掲載を始めた」
ここにはまだリストらしきものは載せられていない。
私設秘書から携帯が入る。
「やられたな。昨夜第1秘書から電話で3か月前付の解雇を言い渡されたよ。そちらとの関係もなかったということにしてもらえということだ」
「そうだろうね。これだけ聞きたいのだが、未公開株はあのリスト通りに配られた?」
「おそらくリストの半分もその通りに配られていないね。あくまでも想像だが」
これは総理が自分で振り分けたのだろう。
「噂でいいから集めてくれ」
「分かったよ。失業者だからな」
携帯を切った途端、本社の総務部長からの電話だ。
「銀座には公衆電話がないね。小林と秘書が警察に入った。解雇は済ませている。これからはこちらから電話を入れる。社長もそうだ」
「社長は?」
「ヘリで大阪に。任せたと言っておられた。でも未公開株の身内売買は業界の恒例だったはずだが?」
「でもそれを恒例としてきた人達が恒例でないと決めたらどうなるのでしょか?」
「私には考え付かないな」
これが黒崎の言う上の人達なのだろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる