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査察
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翌朝、テレビにベンチャーの本社の玄関に段ボールを抱えたスーツ姿の一団が入るシーンが映し出された。どの番組でも同じシーンが繰り返し流されている。周平とミーは昨夜も毛布を持ち込んで泊り込んだ。運び込んだ段ボールの中身を再点検して、消却するものとここからも持ち出すものとに分ける。ミーはNビルに出かけて、社長室の整理をして、裏の会社の事務部をこのビルの空き室に移動させた。4tを2台藤尾が調達してきた。
「何か手伝うよ」
昼過ぎにケイ君が顔を出した。
「団長の指示か?」
「これ3人分の弁当だ。大変なことになったな。逮捕されることは?」
「今のところない。伯母の?」
「すべて団長に話している」
「カオルは元気か?」
こっくりと頷く。
「テレビ見ているかい?」
総務部長の声だ。また公衆電話からかけているのだろう雑音が聞こえている。
「そちらの指示通り、小林の部屋はすべて調べてみた。とくに怪しいものはなかった。そちらの言うようにその他のものはそのままにしている。社長室も同様にした。あのリストは本社にはないだろうね?」
「表では一切触っていませんから。銀行の方はどうですか?」
「今後の判断待ちだそうだ。専務曰く、メインのS銀行とM銀行次第だそうだ」
「小林と秘書は?」
「まだ泊められている。小林はどこまで知っているんだ?」
「Kジャーナルに出たあのリスト以外はノンタッチです。彼も使い込みやバックがばれているのは了解していますから、駆け引きですべてを話すことはしないと思いますよ」
だがこれからどうなるのか周平にもわからない。周平は目をこすりながら書いた『噂の真相』の記事をケイ君に運んでもらうことにした。Kジャーナルの黒崎が赤坂に絡んでいたことを記事にした。どこまで彼らを牽制できるか分からない。
「何か手伝うよ」
昼過ぎにケイ君が顔を出した。
「団長の指示か?」
「これ3人分の弁当だ。大変なことになったな。逮捕されることは?」
「今のところない。伯母の?」
「すべて団長に話している」
「カオルは元気か?」
こっくりと頷く。
「テレビ見ているかい?」
総務部長の声だ。また公衆電話からかけているのだろう雑音が聞こえている。
「そちらの指示通り、小林の部屋はすべて調べてみた。とくに怪しいものはなかった。そちらの言うようにその他のものはそのままにしている。社長室も同様にした。あのリストは本社にはないだろうね?」
「表では一切触っていませんから。銀行の方はどうですか?」
「今後の判断待ちだそうだ。専務曰く、メインのS銀行とM銀行次第だそうだ」
「小林と秘書は?」
「まだ泊められている。小林はどこまで知っているんだ?」
「Kジャーナルに出たあのリスト以外はノンタッチです。彼も使い込みやバックがばれているのは了解していますから、駆け引きですべてを話すことはしないと思いますよ」
だがこれからどうなるのか周平にもわからない。周平は目をこすりながら書いた『噂の真相』の記事をケイ君に運んでもらうことにした。Kジャーナルの黒崎が赤坂に絡んでいたことを記事にした。どこまで彼らを牽制できるか分からない。
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