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和寇4
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南蛮船が出向して2日になる。
「嫌な予感がします」
船長が客室に入ってくる。茉緒は海図を拡げて座るように促す。隣には果心居士が居眠りをしている。
「この地域で前回も襲撃に会ったのです。その日は霧が濃ゆく海岸も見通せなかったのです。この中を和寇の船団が現れて大砲を構える余裕もなかったのです」
「攻めてくるな」
果心が起きている。
「九郎を呼べ。船長、前の南蛮船に後ろに下がるように合図を送れ」
「はい。九郎です」
「これから海の戦いだ。大砲をすべて撃ちの用意だ。下忍には鉄砲を持たせろ」
「新しい火薬と大砲を試すのじゃ」
果心が立ち上がる。
「交戦が始まったら下がった南蛮船は高雄の港に入るように。私たちは和寇を撃退して密かに高雄の近くの漁港に入る」
茉緒が外に出るともう霧の中から百ほどの和寇の船が姿を現している。
「撃ち方を初め!」
大砲が前回になる。1刻半の戦いで半分ほどの和寇の船が煙を上げている。
「少し追い込め」
後ろの南蛮船は避けるように斜め前方に進んでいる。
「よし、旋回しろ。霧の中に入ってしまうのだ」
「あれは台湾の和寇ではないです。中国湾岸から出てきています」
船長がゆっくりと霧の中を進む。
「嫌な予感がします」
船長が客室に入ってくる。茉緒は海図を拡げて座るように促す。隣には果心居士が居眠りをしている。
「この地域で前回も襲撃に会ったのです。その日は霧が濃ゆく海岸も見通せなかったのです。この中を和寇の船団が現れて大砲を構える余裕もなかったのです」
「攻めてくるな」
果心が起きている。
「九郎を呼べ。船長、前の南蛮船に後ろに下がるように合図を送れ」
「はい。九郎です」
「これから海の戦いだ。大砲をすべて撃ちの用意だ。下忍には鉄砲を持たせろ」
「新しい火薬と大砲を試すのじゃ」
果心が立ち上がる。
「交戦が始まったら下がった南蛮船は高雄の港に入るように。私たちは和寇を撃退して密かに高雄の近くの漁港に入る」
茉緒が外に出るともう霧の中から百ほどの和寇の船が姿を現している。
「撃ち方を初め!」
大砲が前回になる。1刻半の戦いで半分ほどの和寇の船が煙を上げている。
「少し追い込め」
後ろの南蛮船は避けるように斜め前方に進んでいる。
「よし、旋回しろ。霧の中に入ってしまうのだ」
「あれは台湾の和寇ではないです。中国湾岸から出てきています」
船長がゆっくりと霧の中を進む。
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