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拮抗2

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 どこの国も難しい。翌日から茉緒はヒデに言ってサンベット王子を呼び出した。彼は兄からも誰からも相手にされないので動き回るのには好都合だ。彼にしっかりとビルマとの関係の話を聞いた。剣の腕は大したことがないが博学だ。やはりゴラクの情報は正しい。大きく作戦変更だ。
「帰ってきたか?」
 豪が茉緒の部屋に入ってきて臭い足を投げ出す。リーは鼻をつまんで、
「この男足が臭いだけでなく手癖も悪いのよ」
と剥れている。
「水軍の将軍は?」
「チャクラバットに手を貸さないが、彼の後ろにはビルマがいると言ってた」
「やはりな」
「警備隊長も同じだと」
「隠れ家の豪の仲間を都に少しずつ入れるのは可能か?」
「元々いたのだからそれはわけがない」
「でどうするのだ?」
「じっくり攻める」
「次はどうする?」
 王子が口を挟む。
「王様を救出できないか?」
「でもすごい警備だよ」
「私は忍者よ。救い出してゴラクに匿ってもらう」
「それから」
「まずそこまでする」










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