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冷戦6

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 翌朝盗賊騎馬隊が百ほど出ていった。豪の兵が予定通り動いたのだ。ヒデから繋ぎが入ってその動きが確認された。ただ問題はビルマの兵が百応援で入ったのだ。仕方がないので茉緒は火薬玉を使うことにした。下忍を要所要所に張り付ける。
「関所あたりにいるのは豪の兵です」
 下忍から報告が入った。しまった!豪が討ち入ってからでは救出は出来ない。
「よし火薬玉の準備をするのだ」
 下忍を3人地下牢に回し隊長の部屋には1人を連れていく。屋根裏に潜るとまさに隊長は部隊が出ているのに凜の尻にしがみついている。これはわざと凜が引き込んだようだ。火薬玉が破裂する音が始まった。同時に羽目板を外して部屋に飛び降りる。隊長は凜に繋がったままだ。凜の締め付けは凄い。動けないでいる。茉緒は隊長の背中を蹴飛ばすと首を撥ねた。
 ドアが開いて兵が入ってくる。下忍がすばやく切り捨てている間に凜に忍び装束を着せて屋根裏に上げる。
「地下牢からも救い出しました」
「引き揚げよう」
「それが豪たちが囲まれて全滅します」
「仕方がないな。凜を運び出すほかは火薬玉を持って関所に回れ」
 豪の兵はもう半分は切られている。豪も体中傷だらけになっている。あの目は凜の愛が燃えている。茉緒は豪の元に切り込んでいく。豪は茉緒の恐ろしい一挙に5人を切り払った剣の技に驚いている。その中下忍が豪を運び出す。次に煙幕が投げ込まれヒデが作った獣道に入る。すでに豪の部隊は10人のうち7人を失い、豪自身も担架に乗せるほど重傷だ。
 ただ今回はビルマは盗賊の仕業なので表向きは兵を出さないでいる。









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