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冷戦8

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 豪の荷隊に下忍を含めて宗久への豊臣の財宝の一部を運び出した。ビルマで襲うのは問題が残るので必ずアユタヤの国境までに攻めてくるだろう。それで街道周辺に百人の護衛隊が張り付いた。それに合わせて商隊が街道の後ろから百人を出動依頼した。
 茉緒は下忍30人を総動員して秘密基地に待機している。やはり崖の上から合図があった。関所の屋敷に2百以上の盗賊の兵が集まっている。ヒデが茉緒の耳元で囁く。
「よしヒデ戦いが終わるまで待っていろ」
「出てきました!」
「よし下忍は火薬玉を持ってついてこい」
 街道を荷隊が護衛隊に守られてやってくる。森から盗賊隊が押し寄せてくる。荷隊は逃げ出す。護衛隊は道をふさぐように両端に分かれる。盗賊隊は荷隊を囲むように街道に現れる。荷物に手をかけた時に爆発が起こった。続けて火薬玉が投げ込まれる。
 茉緒は爆発の中飛ぶように盗賊隊の隊長の馬に飛び乗る。隊長は全く身動きができないでいる。茉緒は小刀を抜いてそのまま首を撥ねる。盗賊隊は混乱に陥る。
「逃げる者は逃がすのだ」
 すでに細かいことはヒデがそれぞれの隊に伝えている。
 後ろから商人隊が出てきて宗久の荷隊が続く。護衛隊が守りながら進む。
「恐らくこれでは終わらないな」
「一つ一つです」
 ヒデがいつの間にか横に来て笑っている。ヒデはやはり秀吉の血を引いているのだろうか。






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