復讐の芽***藤林長門守***

夢人

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暗殺1

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 京に入ったが茉緒は凛にも弾正にも会わず2倍ほど大きくなった今井宗久の京屋敷に忍んだ。宗久の茶室に見た顔がある。さる顔の藤吉郎だ。
「秀吉殿、織田殿はいつ京に上られる?」
「紹介していただいた将軍とは話が出来ましたが、弾正殿は拒まれておりまする」
「天下が見えてきたのですなあ」
「殿は弾正殿を気に入っています。どうしたものか」
「戦われるとよい」
「それでは?」
「弾正は強いと思ったら手のひらを返しますよ」
 茉緒が立ち上がろうとしたとき金縛りにあっているのに気付いた。これは殺される!
「弾正はここまでの器かもしれない」
 声が心に響く。だが殺気が全くない。両手が乳房を掴んでいる。
「果心居士?」
「茉緒はまだまだ伸びる」
「弾正は日本一の天守閣を建てる。人は形あるもので日本一を具現しようとするとそこで終わる」
 それだけ言うと幻のように消える。おそらくいつになっても果心居士にかなうことはない。彼には殺気がないのだ。それに乳房を握っていた手は骨のような感触だった。






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