暁の果てに火は落ちず ― 大東亜戦記・異聞

―原爆が存在しなかった世界で、大東亜戦争は“終わらなかった”。―

硫黄島、沖縄、小笠原、南西諸島。
そして、九州本土決戦。
米軍上陸と同時に日本列島は泥濘の戦場と化し、
昭和天皇は帝都東京に留まり、国体を賭けた講和が水面下で進められる。

帝国軍高官・館林。
アメリカ軍大将・ストーン。
従軍記者・ジャスティン。
帝都に生きる女学生・志乃。
それぞれの視点で描かれる「終わらない戦争」と「静かな終わり」。

誰も勝たなかった。
けれど、誰かが“存在し続けた”ことで、戦は終わる。

これは、破滅ではなく“継がれる沈黙”を描く、
もうひとつの戦後史。
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