復讐の芽***藤林長門守***

夢人

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「いいところに戻られた」
 源爺が砦から迎えに出てきた。凛の部隊も砦に入る。これからここからの出撃になる。
「造船所の港まで道を整えた」
 源爺が新たに加えた地図を広げる。
「別れ道は手を施して見た目は消してしまった。いずれ服部が攻めてくるのを手当てしたわ。それと器用な男女の年寄りの10人を港の長屋に入れた」
「港はどうですか?」
「長屋は完成していたが、炊事場や風呂などは彼らに作らせる。海底を掘るのは難航していた。それで技術を伝授した。南蛮船は立派なものだなあ」
「出来上がっていましたか?」
「ああ、堺に出て荷を積んだら航海に出ると」
「いずれみんなで海を渡る日が来るだろう」
「近いですかな?」
「思ったより近い。秀吉は命の火が消えそうだった。茶々や三成では家康の敵ではない。そうなれば闇は服部が支配することになる」
「抜け忍村は?」
「何とか守りたいものだ。抜け忍村と港と海をしっかり繋ぐことだ」
「ただ心配なのは途中にある修験場を調べたがここには3百ほどいるのが気にかかる。調べてみたがとくに村も襲われたこともないそうだ。それで入口に炭焼き小屋を建て年寄りを住まわせた」
「念には念だな」







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