式神

夢人

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包囲網9

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 果心と朱雀は鎧を着けた武士と入れ替わって陣の中を歩き回る。とくに信玄がいるだろう陣幕には近づけない。陣幕にはわずか重臣だけがいるようだ。夜が明けるまで3度医師が出入りしている。この警戒では果心を持っても侵入は無理だ。
 だが朝になってこの陣幕から重臣と鎧を着けた信玄が出てくる。二人は鎧を付けた武士に守られて一番広い陣幕に入る。果心と朱雀は集まってくる鎧集団の後ろから中に入る。百名ほどの鎧武者が揃っている。それぞれが心配しているような気配だ。何が起こったのか彼らも知らいようだ。
 信玄は床几に座り重臣が代わりに口を開く。
「今回戦勝ご苦労。殿は疲れが出て休まれたいたがもう大丈夫だ。先ほどまで作戦会議を重ねていたが一度甲斐に戻ることになった」
 ざわめきが起こる。信玄が頷き鎧を取る。信玄だがどこか表情が硬い。
「だが騎馬隊は近くまで来ている織田の先方隊に攻撃を入れる。家康は今は動けないだろう。その間に殿は甲斐に向かう」
 信玄は結局何も言わず立ち上がる。果心は陣幕を出て丘に向かう。早くも自慢の騎馬隊だけが陣を出てく。それでも十分に織田は恐れるだろう。
「あれは影武者だ。だが生きているどうか確かめる必要がある」
 そう言うと果心は出入りしていた医師を捕まえて丘まで運んだ。果心が催眠術を掛ける。
「信玄はどうした?」
「・・・」
 医師は歯を食いしばって抵抗している。余程脅されているのか震えている。朱雀は後ろの陣幕に注視している。すでに陣幕が畳まれ始めて足軽の隊が撤退を始めた。遂に僅かな騎馬隊に守られるように信玄の馬が続いた。その後ろを荷隊が続く。とりわけその真ん中に立派な輿を騎馬が守るように付いている。
「信玄は死んだのだな?」
「ああ」
と耐え切れず医師が頷く。
「信長には天魔が付いているのだな」


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