171 / 199
天海の子4
しおりを挟む
狗は京之助と狼を送って国境の茶屋に行った。
「家康が影武者と言うのも噂だが、服部半蔵も大阪夏の陣で死んだと言われている。私が噂を撒いているときにこの噂も聞いた」
「そんな噂があったのですか?」
「これは半蔵自身が流したように思う」
「なぜです?」
「夏の陣で家康を最後まで守っていたのは私と半蔵だった。偽の後藤基次と戦ったのも二人だ。服部半蔵もすべての部下と離れて家康を守っていた。私も宗矩殿の隊から離れて同じ場所にいた。だがあの攻撃には耐えきれなかった」
「それだけ天海の作戦が巧妙だったということですね?」
「私は体中を切られて家康と離れた。半蔵も修験者に追い詰められて戦場に身を潜めた。だが後藤基次と剣を交えたのも事実だ。私がおかしいと感じたことを半蔵も感じたのだ」
「おかしい?」
「後藤基次の槍が人間業ではないと。半蔵も同じくあそこまで追い詰められた家康は生きていないと思ったはずだ」
「それで死んだと噂を流した?」
そう言えばしばらく半蔵の姿を見ていなかった。それが急に隠れ家に半蔵自身が総攻撃を掛けて来た。天海が半蔵に総攻撃を持ち掛けたのだ。柳生と服部をぶつける作戦に天海が出たのだ。
「私達も同じ作戦を取れと言うことか?」
別れて城下に戻ると大騒ぎになっていた。蝙蝠が近づいてきた。
「与三が50人の部下を連れて服部宗家の立ち入りをしたのです」
「やはりな?」
「それが大爆発が起きて半分が死ぬという事件が起こって中止となりました」
「家老がビビったな?」
「家康が影武者と言うのも噂だが、服部半蔵も大阪夏の陣で死んだと言われている。私が噂を撒いているときにこの噂も聞いた」
「そんな噂があったのですか?」
「これは半蔵自身が流したように思う」
「なぜです?」
「夏の陣で家康を最後まで守っていたのは私と半蔵だった。偽の後藤基次と戦ったのも二人だ。服部半蔵もすべての部下と離れて家康を守っていた。私も宗矩殿の隊から離れて同じ場所にいた。だがあの攻撃には耐えきれなかった」
「それだけ天海の作戦が巧妙だったということですね?」
「私は体中を切られて家康と離れた。半蔵も修験者に追い詰められて戦場に身を潜めた。だが後藤基次と剣を交えたのも事実だ。私がおかしいと感じたことを半蔵も感じたのだ」
「おかしい?」
「後藤基次の槍が人間業ではないと。半蔵も同じくあそこまで追い詰められた家康は生きていないと思ったはずだ」
「それで死んだと噂を流した?」
そう言えばしばらく半蔵の姿を見ていなかった。それが急に隠れ家に半蔵自身が総攻撃を掛けて来た。天海が半蔵に総攻撃を持ち掛けたのだ。柳生と服部をぶつける作戦に天海が出たのだ。
「私達も同じ作戦を取れと言うことか?」
別れて城下に戻ると大騒ぎになっていた。蝙蝠が近づいてきた。
「与三が50人の部下を連れて服部宗家の立ち入りをしたのです」
「やはりな?」
「それが大爆発が起きて半分が死ぬという事件が起こって中止となりました」
「家老がビビったな?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
改造空母機動艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。
そして、昭和一六年一二月。
日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。
「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる