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陥穽5
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3日後に社長の話が辞令となって新しくできた整理委員会から出た。委員長は親会社の本社の専務で構成員には本社の役員と弁護士だ。私達は完全に被告の立場に置かれたようだ。私は唯一のスタッフを連れて人事部に異動した。人事部は彼女の他5人の部下が配属された。彼らは人事部に残されたメンバーだ。
さっそく100人の整理の6か月計画を出さされた。整理委員会の意向は最大の人員を配置された債権処理部250人を最後に回しスタッフ部門からの整理だ。総務部、財務部、経理部、広報室、関連事業部、最後になった大阪支店だ。元関連事業部長で今回再建処理部長にまず擦り合わせに行くことから始まる。ここは赤坂の地上げをしていた部隊だ。部長の抵抗で100人いた部員を50人に減らしただけで残されている。彼は社長が引っ張った元銀行員だが社長とは今は犬猿の仲になっている。
再建処理部は人事部の下の階をすべて使っている広いフロワーだ。その奥に部長室がありノックをすると昔私が京都支店長時代の女性課長の室長がドアを開ける。同じ部長だが彼は取締役だ。
「久しぶりだな」
彼はその頃本店営業部長で私とは常に成績で争ってきた仲だ。だが考え方は社長より彼と合っていた。
「さっそく嫌な話ですが整理委員会から関連事業部の廃止を決めています」
「ああ、分かっている。だが赤坂は最大の3500億の債権だ。この部隊しか債権内容は分からんよ」
「それで提案ですがこの50人を再建処理部に吸収して250人で収めてもらいたいのです。でないと強制廃部は見えています」
彼は今の250人に対しては半分ほどがお荷物と思っている。本社から転社してきた帰れない無能な社員を抱えているからだ。
「君は今の政策に賛成か?」
「・・・」
「赤坂も途中から思い切りブレーキをかけられて不良債権になってしまったのだ。社長の上場延期は最大のミスだ。このままこの政策をしていけば汗をかいたものは重罪を背負わせられるだけじゃないか?」
私も同感だ。
「僕は生きる道を模索するよ。だが今回の君の案は飲むよ」
私は自席に戻るの5人の部員を集めて他の部の長に減員の数字の承認に向かわせた。
「リストは用意してくれたか?」
「はい。本社の人材派遣部を入れて24社と連絡を取りました。まあ私の転職活動のようなものですからね」
「次は資料を入れていた空き室を確保してくれ」
「100人を窓際族として集めるのですね?」
「気は進まないがね」
確かにこの会社の社員はおおむね優秀な大学卒だがバブルが弾けて厳しい状況が予想されるのだ。転社の教育が必要だ。それに上場を当てにして買っていた株が紙切れになっているのだ。生活が破綻していることも考えられる。私も1千万の社員持ち株が消えている。すでに人事部では離婚者が50人を超している事実も掴んでいる。もっと心配しているのは自殺者が出ることだ。
さっそく100人の整理の6か月計画を出さされた。整理委員会の意向は最大の人員を配置された債権処理部250人を最後に回しスタッフ部門からの整理だ。総務部、財務部、経理部、広報室、関連事業部、最後になった大阪支店だ。元関連事業部長で今回再建処理部長にまず擦り合わせに行くことから始まる。ここは赤坂の地上げをしていた部隊だ。部長の抵抗で100人いた部員を50人に減らしただけで残されている。彼は社長が引っ張った元銀行員だが社長とは今は犬猿の仲になっている。
再建処理部は人事部の下の階をすべて使っている広いフロワーだ。その奥に部長室がありノックをすると昔私が京都支店長時代の女性課長の室長がドアを開ける。同じ部長だが彼は取締役だ。
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彼はその頃本店営業部長で私とは常に成績で争ってきた仲だ。だが考え方は社長より彼と合っていた。
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「ああ、分かっている。だが赤坂は最大の3500億の債権だ。この部隊しか債権内容は分からんよ」
「それで提案ですがこの50人を再建処理部に吸収して250人で収めてもらいたいのです。でないと強制廃部は見えています」
彼は今の250人に対しては半分ほどがお荷物と思っている。本社から転社してきた帰れない無能な社員を抱えているからだ。
「君は今の政策に賛成か?」
「・・・」
「赤坂も途中から思い切りブレーキをかけられて不良債権になってしまったのだ。社長の上場延期は最大のミスだ。このままこの政策をしていけば汗をかいたものは重罪を背負わせられるだけじゃないか?」
私も同感だ。
「僕は生きる道を模索するよ。だが今回の君の案は飲むよ」
私は自席に戻るの5人の部員を集めて他の部の長に減員の数字の承認に向かわせた。
「リストは用意してくれたか?」
「はい。本社の人材派遣部を入れて24社と連絡を取りました。まあ私の転職活動のようなものですからね」
「次は資料を入れていた空き室を確保してくれ」
「100人を窓際族として集めるのですね?」
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