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叛乱1
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350人から窓際教室の人口は減らない。当然本社から非難を受けている。だが今の私は昔ほど心配していない。
初めて再建処理部長から酒の席に呼ばれた。3時から外出をして直帰することにした。落ち合う場所は赤坂の地上げの一角に入る赤坂見付の居酒屋だ。地上げのメンバーが集まるところだという。
店は土地の調査でよく前を通っていた。3時頃から暖簾が出ていて4時に店に入ると2階に案内された。2階は個室になっている。ドアを開けるとすでに部長の他3人がビールを飲んでいる。
「みんなお馴染みだから紹介はなしだ」
と部長が言うように1人は再建処理部の次長だ。彼は本社から来た社員だ。地上げ現場部隊の長で本社の覚えが悪い。もう1人は財務部の元課長で私と同じ銀行出身者だ。もう1人は意外な男だ。ほとんど話したことはないが彼も中途採用で元法務部長で今は処理部の4課長をしている。本社に引かれるはずだった。
「1か月後に次長を頭に24人が第1陣退職する。このメンバーだ。用意してくれ」
次長がメンバー表を渡す。
「このメンバーはこの地区の地上げ部隊だ。2か月後にあの不動産会社に500億分売却が決まったのさ。次長があの会社の開発部5課の責任者になる」
着々と進んでいる。さすがに部長だ。ビールを注ぎ合いながら打ち合わせを続ける。
「この部分は向こうの土地と合わせるとすぐにビルを建設できる。一番リスクのない場所だ。売却の決裁はすでに本社で採っている。彼らは全く分かっていないからな」
次長が地上げの地図に色を付けている。ここはそれ自体歪な土地だが相手の土地と足すと確かにいい土地になる。本社では分からないところだろう。
「今後4課長が連絡係になる。人事部長は人の移動の準備を相手の人事部長と頼む。これは極秘だ」
私は相手の部長とすでに何度も給与の調整をしている。今度はさらに具体的な打ち合わせになる。
「顧問には?」
「ああ、もちろん都度報告をしている。これはささやかな叛乱だ」
叛乱という言葉が快い響きで聞こえた。
「この土地は東京都心の最後の大型開発になるさ。もちろんまだ難しい問題を残している」
「難しい問題?」
「これは事件を起こしたこちらの会社では絶対できないことだ。国有地の払い下げだ」
確かに地上げ地に国有地がどっかり横たわっていた。
初めて再建処理部長から酒の席に呼ばれた。3時から外出をして直帰することにした。落ち合う場所は赤坂の地上げの一角に入る赤坂見付の居酒屋だ。地上げのメンバーが集まるところだという。
店は土地の調査でよく前を通っていた。3時頃から暖簾が出ていて4時に店に入ると2階に案内された。2階は個室になっている。ドアを開けるとすでに部長の他3人がビールを飲んでいる。
「みんなお馴染みだから紹介はなしだ」
と部長が言うように1人は再建処理部の次長だ。彼は本社から来た社員だ。地上げ現場部隊の長で本社の覚えが悪い。もう1人は財務部の元課長で私と同じ銀行出身者だ。もう1人は意外な男だ。ほとんど話したことはないが彼も中途採用で元法務部長で今は処理部の4課長をしている。本社に引かれるはずだった。
「1か月後に次長を頭に24人が第1陣退職する。このメンバーだ。用意してくれ」
次長がメンバー表を渡す。
「このメンバーはこの地区の地上げ部隊だ。2か月後にあの不動産会社に500億分売却が決まったのさ。次長があの会社の開発部5課の責任者になる」
着々と進んでいる。さすがに部長だ。ビールを注ぎ合いながら打ち合わせを続ける。
「この部分は向こうの土地と合わせるとすぐにビルを建設できる。一番リスクのない場所だ。売却の決裁はすでに本社で採っている。彼らは全く分かっていないからな」
次長が地上げの地図に色を付けている。ここはそれ自体歪な土地だが相手の土地と足すと確かにいい土地になる。本社では分からないところだろう。
「今後4課長が連絡係になる。人事部長は人の移動の準備を相手の人事部長と頼む。これは極秘だ」
私は相手の部長とすでに何度も給与の調整をしている。今度はさらに具体的な打ち合わせになる。
「顧問には?」
「ああ、もちろん都度報告をしている。これはささやかな叛乱だ」
叛乱という言葉が快い響きで聞こえた。
「この土地は東京都心の最後の大型開発になるさ。もちろんまだ難しい問題を残している」
「難しい問題?」
「これは事件を起こしたこちらの会社では絶対できないことだ。国有地の払い下げだ」
確かに地上げ地に国有地がどっかり横たわっていた。
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