6年1組ゆかいな仲間

箱森 のぶ

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第1話 転校生が来た

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僕の名前は田中直太郎。小学6年生。好きなことは、ゲームとユーユーチューブを観ること。勉強はあんまり得意じゃない。運動はもっと苦手。でも、サッカーはあんまり得意じゃないけど好きかなあ。昨日、先生が言ってたけど、今日は転校生が来るらしい。

朝の会の時、担任の新井先生が教室に入って来た。そのすぐ後に先生よりも背の高い黒人の男の人がニコニコしながら教室に入って来た。その人は、まだ4月なのに着ているものはピンクのパツパツのTシャツ、黄色のパツパツの半ズボン。靴下は履いてない。肌が黒いだけに、ピンクのTシャツがよく目立つ。とびっきりの笑顔で照れくさそうに僕たちを見ている。まさかまさかこの人が転校生???

先生は黒板に大きく字を書いた。

ンドゥール

「今日からみんなと一緒に勉強するンドゥール君だ。ンドゥール君はアフリカにある、地図にも載ってない小さい国から来ました。じゃあ、ンドゥール君。みんなにあいさつをしてください。」
ンドゥール君はズボンのポケットから紙を取り出し。ゆっくり読み始めた。
「ハージーメーマーシタ ボクーノーヌ マ エーワ ンドゥール デス ユール シク オヌ ガイ スマス」
ンドゥール君は、上手に言い切った感の得意気な顔だ。
僕もクラスのみんなも、ぽかーんとした。学校中で一番背の高い担任の新井先生よりもさらに背が高く、ピッチピチでヨッレヨレのピンクのTシャツ。ピッチピチでボッロボロの黄色の半ズボン。とびっきりの笑顔。そして名前がンドゥール。「ン」から始まる名前。すべてにおいて、衝撃的なツッコミ所がある。さらに衝撃的なのは、ンドゥール君の席は窓際の一番後ろの席。僕のとなりだ。
そして先生は僕に言った。
「田中、ンドゥール君のこと、よろしくな。」
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