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しおりを挟むやや放心してしまったようになっているノーヴにかわり、ユキがローレンスの手の縛めを解いてタライの湯でタオルを濡らして精液を拭いてやり、夕食の皿を置いた。
ローレンスは鼻が痛み、喉もジンジンと疼くような感じを覚えたまま四つん這いで冷めた白い粥をゆっくりすする。
「今夜もよく頑張ったね、ローレンス。これからもこの調子でよろしくね?」
ユキが褒美に頭を撫でてやると、ローレンスは目を細める。
タライや空になった皿を片づけ、ベッドを綺麗にしてからユキとノーヴは自分たちの寝室に行った。
寝巻きに着替え二人でベッドに潜り込んだ途端、ノーヴがユキにすがるよう抱きつく。
「どうしたの?」
「ユキ……俺、怖いよ」
薄い胸に顔を埋めてくる大の男をユキは赤子をあやすように抱いて撫でる。
「大丈夫、大丈夫……そのうち慣れるよ」
ノーヴの後頭部を撫でおろしながら、ユキは優しく囁くようつづけた。
「これからもこの調子でよろしくね?」
ローレンス調教の日々がはじまってから、しばらくが経ったある日の昼下がり。
「ローレンス、今日買い出し付き合ってもらうから。これ着て」
「これ着て、って……」
ローレンスの部屋のベッドで、裸で座っているローレンスの前に並べた衣服をユキは指し示す。フリルやレースがあしらわれた白のワンピースと、明らかに女性ものの下着類。
「あ、その前にこれ挿れようね」
エプロンのポケットからユキは水晶で作られた張形と香油の瓶を取り出す。それらを目にするとローレンスは一瞬表情がこわばったが、すぐにあきらめたように小さくため息を吐いた。
「お尻向けて」
「……はい」
ローレンスは従順にユキに後ろを向け、四つん這いになる。ユキは張形にたっぷりと香油をまとわせた。
白い双丘に手をかけて開くと、あらわになった締まっている蕾にユキは張形から滴る香油を垂らしてから浅く指を挿入する。
「んっ……」
少し弄れば蕾はもう簡単に綻んだ。ユキは指を抜き、張形の先端を宛てがい押し込んでいく。
「ぅぅっ……」
ローレンスは唇を噛み、小さく唸りながらナカを押し拡げられていく苦しさに耐えた。すべて呑み込ませると、ユキはローレンスにリボンのついたショーツをはかせる。
「……」
ノーヴはドアの近くで様子を見守っていた。腕を組み、妻の長い支度を待っている主人のような雰囲気を醸し出している。その胸中は慣れたのか麻痺したのかまだ落ち着いていた。
ユキはまたローレンスを座らせると丈が長めの靴下を履かせ、靴下留めもさせ、ワンピースを着せる。さらにコルセットを腰に巻き、留め具をはめてローレンスの後ろに回ると紐を引っぱって締めた。
ぐぇっとローレンスは呻き、内臓を圧迫されたことで張形が出そうになり慌てて蕾に力を入れる。それからユキはポケットから化粧道具を取り出すと、ローレンスの前へ回り白粉や口紅を塗ってやった。
美少年によるお人形遊びという耽美的で倒錯的な光景。仕上げにユキはローレンスにヘッドドレスを着けて、歩けるよう鎖が長めの足枷をはめた。
「お待たせ、ご主人様。行こう」
ユキが切れ長の目をした黒髪の美少女奴隷と化したローレンスをベッドから立たせ、ノーヴに振り向く。ノーヴは組んでいた腕を解き、頷いた。
買い出しの必要に迫られ、ノーヴはユキに付き合ってほんの数回ほど外に出たことがあった。
塔や尖った屋根の建物が並ぶ街には地味なチュニックを着た庶民や、足枷をした奴隷を連れている華美な服装の富裕層が行き交っており、ベルベットのスーツ姿のノーヴと少年メイドのユキと美少女奴隷のローレンスが歩いていてもそれほど目立たない。
「これとこれと、これも。はい、ローレンス持って」
市場で野菜や果物を買い、紙袋に入ったそれらをユキはローレンスに渡し、ノーヴと並んで歩く。
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