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1章
0歳 -火の陰月4-
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一通り消火活動も終わり、ほっと一息ついた頃、
ベチャ ビチャ ヌチャ……
と、正直あまり見たくないというか、聞きたくない音が小さく聞こえてきました。嫌な予感しかしませんが、確認できないのも怖いので慌てて周囲を見渡しますが、鎮火した後だと暗くて周りが良く見えません。
<この音、何?>
<ちょっと待ってろ>
私の問いかけに真っ先に応えてくれた桃さんは、自分の左腕に私を座らせるように抱き変えて右手をスッと上げると、その手がピカーーーッといきなり強烈に光りだしました。
<目がーーーー目がぁーーーーー!>
某映画の悪役のようなセリフが思わず出てしまいますが、暗闇に慣れた目にはちょっと強すぎる光でした。先日新しく覚えた「発光」という技能のようですが、桃さんの力加減が下手なところ、ちょっと直してほしいです。
<あー、これは水の妖の一種ですね。かなり下等な。>
そう教えてくれる浦さんの声があまり切迫していないので、妖とは言っても土蜘蛛やじゃんじゃん火のように手強い相手ではないのかな?
ようやく明かりに目が慣れてしっかりと目視で来たソレ。
浦さんがいう下等な水の妖は、色こそ真っ白なもののファンタジー系ゲームなどで見かけるスライムのように見えます。プルンとかポヨンとかしている丸っこい物体です。思っていたよりも少々固そうではありますが……。何と言えば良いのか、ゼラチン系のプルプルンではなく寒天系のブルンブルンと言えば良いのか、とにかく羊羹と同じぐらいか、もう少ししっかりとした固そうな印象を受けます。
まぁ少々固そうでも、蜘蛛騒動の後では和んでしまって頬が緩むぐらいには可愛く思えます。しかしそれでも妖である事には変わりありません。なのでちゃんと確認はしておきます。えぇ確認は大事。
<水の妖? 危険なの??>
<そうですねぇ……。人にとってはさほど危険はないと思いますよ。
この妖は動物や虫などを体内に取り込んで溶かしてしまうのですが、
自分よりずっと大きなモノは取り込む事ができませんから>
確かに自分のサイズ以上を捕食できないのなら人間の大半は守備範囲外になりそうです。何せ今の私とほぼ同じサイズですから……って、私は危ないんじゃん!
そう突っ込んだら
<えぇ、ですから絶対に私達の誰かに抱かれていてくださいね>
とにこやかに返されました。そうやって私達が話している最中にも白寒天は微妙に耳をふさぎたくなるような音をたてながら近づいてきて、黒こげになっている大蜘蛛に近づくていきました。
<この妖は基本的には戦闘能力はありませんから、
あぁやって動物や虫の死骸を取り込むんですよ、ほら>
浦さんが指さす方を見てみると、確かに1体の白寒天が黒こげ蜘蛛のすぐそばでブルブルと震えていました。これから食事タイムとなるのかな?
そう思った私の目の前で、白寒天が……白寒天が……
<…………もう、やだーーーーーーーーっ!>
吐瀉物です、どう見ても吐瀉物にしかみえません。
寒天のような白くて固い丸い外殻?がポロリと外れたと思ったら、中から自分の視界にモザイクをかけたくなるようなデロデロした超軟体というか半液体状のものが溢れ出てきました。
その吐瀉物、本体は半透明な白濁した部分のようなのですが、ウゾゾゾと動いてはそこらの草や小さな虫を取り込んでいった結果、中途半端に消化されたソレが見えて、ますます直視したくない汚物にしかみえません。
<スライムはプルンとかポヨンとかして可愛いもんじゃないの?!>
思わず叫んじゃったけれど、私の思い描くスライムはこちらの世界にはいないようで、三太郎さんたちは意味不明な事を言い出した私に首を傾げています。
<あの殻は火の極日の間、自分の身を守る為のモノですよ。
火の精霊力が一番強い時期を過ぎたので、
森の中に居る分には不要となったのでしょう。
なによりあの殻があると、大物を消化しづらいようですから>
出来るだけ表面積が小さくなるように丸くなった殻の中に居る分には私と同サイズの白寒天ですが、殻から出ると薄っぺらくなり表面積が増えます。だいたい1メートル四方より少し大きいぐらいのサイズになった元白寒天は、土蜘蛛や大蜘蛛の成れの果てを端から少しずつ取り込んでいきます。死骸は動かないから大物でも少しずつ取り込んでいっては消化するようです。森のお掃除屋さんのような妖なのでしょうか。
だとしても……
……グロイわぁ……
<癒し成分が足りない……>
危険じゃない、可愛いいふわふわもこもこな動物とか妖ってこの近辺にはいないのでしょうか。現状、癒しになりそうなのは兄上だけですよ。決してぽっちゃりしているっていう訳ではないのですが、幼児特有のぷっくりした手やぷにぷにの頬っぺた、可愛らしい笑顔が私の唯一の癒し成分です。
<癒し? 温泉にでも行きたいのか?>
桃さんが私を抱えなおしながら聞いてくれました。
そうですね、温泉も確かに癒しなのですがちょっと種類が違うというか……。
でもこの癒しの違いを言葉でうまく説明できる気がしません。
何にしてもあまり見たい光景ではないですし、何より足にまだ蜘蛛の糸が巻き付いたままなので早く洗い流してしまいたいです。
手で取って外そうと試みたのですが、指で突いてみたところベッタリとした糊状のものが糸にくっついていて、これは洗い流さないとダメだと後回しにしていたんですよね。なので
<温泉は行きたい! 今すぐ行きたい!>
ハイハイって勢いよく挙手して、温泉行きたいアピールをします。消火活動で煤塗れにもなってますしね。
<当初の目的であった7ztfg@は無事に倒せたゆえ、
今日の所はこれで戻っても構わぬだろう>
<あの大きいのって2体だけなの?>
<いや、もっと生息しておるがアレは用心深い性質でな。
仲間が倒された場所には、余程の理由が無い限り近づかん。
櫻が拠点としたいと言っているこの近辺には、この先近づかぬだろう>
アレ、まだ居るのか……。
でも安全を確保したいだけで全滅させたい訳ではないから、これが一番良い結果って事なのかもしれません。
そういえば、この7ztfg@って名前。私にはどうしても上手に発音ができないんですよね。聞き取りはちゃんと出来ていると思うんだけど発音の経験が低い所為だろうなぁ。聞こえている通りに「ヤツカハギ」って発音しているんだけど、三太郎さんたち曰く「聞き取れない程ではないが、かなり解りづらい発音」らしいです。無念。なので三太郎さんたちにお願いしてこの4人の中ではアレは「土蜘蛛」という名称を使う事にしてもらいました。
ちなみに白寒天は名前そのものが無かったらしく、一般的に弱い水の妖と呼ばれていたんだとか。それって他にも該当する妖がいそうなんだけど……。
なので、例によって解りやすさ重視で「べとべとさん」と命名しました。
「ふはぁ…………」
極上の癒しがここにある。そんなキャッチコピーが頭の中で勝手に出来上がるぐらいに気持ち良い入浴タイムです。以前と同じように金さんと桃さんには周囲の警戒をお願いしたのですが、彼らも煤だらけで早々に湯に入りたいらしく……。
まさかの0歳児にして男性3人?との混浴です。
いや0歳児だからこそ可能なんですが、中身17歳なんですけど……。
遠い目をして視点を近くに定めなければ……、うん、見えなければ大丈夫。
見ないよ、三太郎さんの裸なんて見ない。
足にベッタリ&グルグルと巻き付いていた蜘蛛の糸は、お湯で洗い流してもなかなか粘り気が落ちず、時間をかけて少しずつ粘り気を落す羽目になりました。そうやって粘り気を落してしまえば、綺麗な糸だけが残りました。
<糸かぁ。これ母上たちなら布に織り上げられるかなぁ?>
そう言いつつ引っ張ってみると、思いのほか簡単にプツリと切れてしまいました。私の足にグルグルと巻きついている時はあんなに頑丈だったくせに、随分と呆気なく切れる糸に吃驚です。粘りの有無か、それとも温度変化によるものか……何かしらの要因で糸が脆くなってしまったんでしょうね。ただそこさえクリアできれば綺麗な糸が手に入る訳です。土蜘蛛と積極的に戦いたい訳ではありませんが、土蜘蛛は自分のテリトリーの木々を支柱にしてかなりの量の糸を張り巡らしていました。それを回収できれば……。
<どうしました? 先程からうんうん唸って……。
せっかくのお湯が気持ちよくないのですか?>
糸をじっと見つめたまま唸っていたらしい私に、浦さんが心配そうに声をかけてきました。
<ううん、温泉は気持ち良いよ。
唸ってた自覚はないんだけど、ちょっと考え事はしてた>
返事をする際にうっかり浦さんを視界に入れてしまったけれど、幸いな事に三太郎さんみんなちゃんと胸の辺りまでしっかりとお湯に入っていてくれていたので視界にモザイクをかけたくなるような事態にはなりませんでした。濁り湯万歳!
三太郎さんを見ても大丈夫な確証を得たところで、先程から考えていた事を金さんに持ち掛けます。
<金さん、仕事を増やして悪いんだけど……。
拠点の外れ……過ぎると大変だから、ほどほどの場所に
小屋を一つ立ててから出立してほしいんだけど、できそう?>
<む? 小屋程度ならば可能だが……>
<色々と試したい事があるんだけど、兄上が簡単に入れるような場所はマズイの。
子供が触らない方が良い強アルカリ……って伝わらないよねぇ。
まぁ子供が触らない方が良い物を使って作りたいものがあるから。
正式なのは家を建て終わってからで良いんだけど、とりあえず小屋が欲しい>
<危険物を保管し、また実験する場として小屋が欲しいという事か。
あいわかった。して、小屋の中に必要なモノは?>
<小屋の中で水が使えるとありがたいし、火も確実に使うから竈も必要かな>
頭の中では糸もだけど、何より欲しい石鹸を作る事を想定して色々伝えます。他にも作業台や保管用の棚なんかもお願いして、最後に扉の上の方に閂を付けてもらって兄上が入れないようにしてもらう事を忘れずに伝えて……。とりあえずはこんな所かな?
ベチャ ビチャ ヌチャ……
と、正直あまり見たくないというか、聞きたくない音が小さく聞こえてきました。嫌な予感しかしませんが、確認できないのも怖いので慌てて周囲を見渡しますが、鎮火した後だと暗くて周りが良く見えません。
<この音、何?>
<ちょっと待ってろ>
私の問いかけに真っ先に応えてくれた桃さんは、自分の左腕に私を座らせるように抱き変えて右手をスッと上げると、その手がピカーーーッといきなり強烈に光りだしました。
<目がーーーー目がぁーーーーー!>
某映画の悪役のようなセリフが思わず出てしまいますが、暗闇に慣れた目にはちょっと強すぎる光でした。先日新しく覚えた「発光」という技能のようですが、桃さんの力加減が下手なところ、ちょっと直してほしいです。
<あー、これは水の妖の一種ですね。かなり下等な。>
そう教えてくれる浦さんの声があまり切迫していないので、妖とは言っても土蜘蛛やじゃんじゃん火のように手強い相手ではないのかな?
ようやく明かりに目が慣れてしっかりと目視で来たソレ。
浦さんがいう下等な水の妖は、色こそ真っ白なもののファンタジー系ゲームなどで見かけるスライムのように見えます。プルンとかポヨンとかしている丸っこい物体です。思っていたよりも少々固そうではありますが……。何と言えば良いのか、ゼラチン系のプルプルンではなく寒天系のブルンブルンと言えば良いのか、とにかく羊羹と同じぐらいか、もう少ししっかりとした固そうな印象を受けます。
まぁ少々固そうでも、蜘蛛騒動の後では和んでしまって頬が緩むぐらいには可愛く思えます。しかしそれでも妖である事には変わりありません。なのでちゃんと確認はしておきます。えぇ確認は大事。
<水の妖? 危険なの??>
<そうですねぇ……。人にとってはさほど危険はないと思いますよ。
この妖は動物や虫などを体内に取り込んで溶かしてしまうのですが、
自分よりずっと大きなモノは取り込む事ができませんから>
確かに自分のサイズ以上を捕食できないのなら人間の大半は守備範囲外になりそうです。何せ今の私とほぼ同じサイズですから……って、私は危ないんじゃん!
そう突っ込んだら
<えぇ、ですから絶対に私達の誰かに抱かれていてくださいね>
とにこやかに返されました。そうやって私達が話している最中にも白寒天は微妙に耳をふさぎたくなるような音をたてながら近づいてきて、黒こげになっている大蜘蛛に近づくていきました。
<この妖は基本的には戦闘能力はありませんから、
あぁやって動物や虫の死骸を取り込むんですよ、ほら>
浦さんが指さす方を見てみると、確かに1体の白寒天が黒こげ蜘蛛のすぐそばでブルブルと震えていました。これから食事タイムとなるのかな?
そう思った私の目の前で、白寒天が……白寒天が……
<…………もう、やだーーーーーーーーっ!>
吐瀉物です、どう見ても吐瀉物にしかみえません。
寒天のような白くて固い丸い外殻?がポロリと外れたと思ったら、中から自分の視界にモザイクをかけたくなるようなデロデロした超軟体というか半液体状のものが溢れ出てきました。
その吐瀉物、本体は半透明な白濁した部分のようなのですが、ウゾゾゾと動いてはそこらの草や小さな虫を取り込んでいった結果、中途半端に消化されたソレが見えて、ますます直視したくない汚物にしかみえません。
<スライムはプルンとかポヨンとかして可愛いもんじゃないの?!>
思わず叫んじゃったけれど、私の思い描くスライムはこちらの世界にはいないようで、三太郎さんたちは意味不明な事を言い出した私に首を傾げています。
<あの殻は火の極日の間、自分の身を守る為のモノですよ。
火の精霊力が一番強い時期を過ぎたので、
森の中に居る分には不要となったのでしょう。
なによりあの殻があると、大物を消化しづらいようですから>
出来るだけ表面積が小さくなるように丸くなった殻の中に居る分には私と同サイズの白寒天ですが、殻から出ると薄っぺらくなり表面積が増えます。だいたい1メートル四方より少し大きいぐらいのサイズになった元白寒天は、土蜘蛛や大蜘蛛の成れの果てを端から少しずつ取り込んでいきます。死骸は動かないから大物でも少しずつ取り込んでいっては消化するようです。森のお掃除屋さんのような妖なのでしょうか。
だとしても……
……グロイわぁ……
<癒し成分が足りない……>
危険じゃない、可愛いいふわふわもこもこな動物とか妖ってこの近辺にはいないのでしょうか。現状、癒しになりそうなのは兄上だけですよ。決してぽっちゃりしているっていう訳ではないのですが、幼児特有のぷっくりした手やぷにぷにの頬っぺた、可愛らしい笑顔が私の唯一の癒し成分です。
<癒し? 温泉にでも行きたいのか?>
桃さんが私を抱えなおしながら聞いてくれました。
そうですね、温泉も確かに癒しなのですがちょっと種類が違うというか……。
でもこの癒しの違いを言葉でうまく説明できる気がしません。
何にしてもあまり見たい光景ではないですし、何より足にまだ蜘蛛の糸が巻き付いたままなので早く洗い流してしまいたいです。
手で取って外そうと試みたのですが、指で突いてみたところベッタリとした糊状のものが糸にくっついていて、これは洗い流さないとダメだと後回しにしていたんですよね。なので
<温泉は行きたい! 今すぐ行きたい!>
ハイハイって勢いよく挙手して、温泉行きたいアピールをします。消火活動で煤塗れにもなってますしね。
<当初の目的であった7ztfg@は無事に倒せたゆえ、
今日の所はこれで戻っても構わぬだろう>
<あの大きいのって2体だけなの?>
<いや、もっと生息しておるがアレは用心深い性質でな。
仲間が倒された場所には、余程の理由が無い限り近づかん。
櫻が拠点としたいと言っているこの近辺には、この先近づかぬだろう>
アレ、まだ居るのか……。
でも安全を確保したいだけで全滅させたい訳ではないから、これが一番良い結果って事なのかもしれません。
そういえば、この7ztfg@って名前。私にはどうしても上手に発音ができないんですよね。聞き取りはちゃんと出来ていると思うんだけど発音の経験が低い所為だろうなぁ。聞こえている通りに「ヤツカハギ」って発音しているんだけど、三太郎さんたち曰く「聞き取れない程ではないが、かなり解りづらい発音」らしいです。無念。なので三太郎さんたちにお願いしてこの4人の中ではアレは「土蜘蛛」という名称を使う事にしてもらいました。
ちなみに白寒天は名前そのものが無かったらしく、一般的に弱い水の妖と呼ばれていたんだとか。それって他にも該当する妖がいそうなんだけど……。
なので、例によって解りやすさ重視で「べとべとさん」と命名しました。
「ふはぁ…………」
極上の癒しがここにある。そんなキャッチコピーが頭の中で勝手に出来上がるぐらいに気持ち良い入浴タイムです。以前と同じように金さんと桃さんには周囲の警戒をお願いしたのですが、彼らも煤だらけで早々に湯に入りたいらしく……。
まさかの0歳児にして男性3人?との混浴です。
いや0歳児だからこそ可能なんですが、中身17歳なんですけど……。
遠い目をして視点を近くに定めなければ……、うん、見えなければ大丈夫。
見ないよ、三太郎さんの裸なんて見ない。
足にベッタリ&グルグルと巻き付いていた蜘蛛の糸は、お湯で洗い流してもなかなか粘り気が落ちず、時間をかけて少しずつ粘り気を落す羽目になりました。そうやって粘り気を落してしまえば、綺麗な糸だけが残りました。
<糸かぁ。これ母上たちなら布に織り上げられるかなぁ?>
そう言いつつ引っ張ってみると、思いのほか簡単にプツリと切れてしまいました。私の足にグルグルと巻きついている時はあんなに頑丈だったくせに、随分と呆気なく切れる糸に吃驚です。粘りの有無か、それとも温度変化によるものか……何かしらの要因で糸が脆くなってしまったんでしょうね。ただそこさえクリアできれば綺麗な糸が手に入る訳です。土蜘蛛と積極的に戦いたい訳ではありませんが、土蜘蛛は自分のテリトリーの木々を支柱にしてかなりの量の糸を張り巡らしていました。それを回収できれば……。
<どうしました? 先程からうんうん唸って……。
せっかくのお湯が気持ちよくないのですか?>
糸をじっと見つめたまま唸っていたらしい私に、浦さんが心配そうに声をかけてきました。
<ううん、温泉は気持ち良いよ。
唸ってた自覚はないんだけど、ちょっと考え事はしてた>
返事をする際にうっかり浦さんを視界に入れてしまったけれど、幸いな事に三太郎さんみんなちゃんと胸の辺りまでしっかりとお湯に入っていてくれていたので視界にモザイクをかけたくなるような事態にはなりませんでした。濁り湯万歳!
三太郎さんを見ても大丈夫な確証を得たところで、先程から考えていた事を金さんに持ち掛けます。
<金さん、仕事を増やして悪いんだけど……。
拠点の外れ……過ぎると大変だから、ほどほどの場所に
小屋を一つ立ててから出立してほしいんだけど、できそう?>
<む? 小屋程度ならば可能だが……>
<色々と試したい事があるんだけど、兄上が簡単に入れるような場所はマズイの。
子供が触らない方が良い強アルカリ……って伝わらないよねぇ。
まぁ子供が触らない方が良い物を使って作りたいものがあるから。
正式なのは家を建て終わってからで良いんだけど、とりあえず小屋が欲しい>
<危険物を保管し、また実験する場として小屋が欲しいという事か。
あいわかった。して、小屋の中に必要なモノは?>
<小屋の中で水が使えるとありがたいし、火も確実に使うから竈も必要かな>
頭の中では糸もだけど、何より欲しい石鹸を作る事を想定して色々伝えます。他にも作業台や保管用の棚なんかもお願いして、最後に扉の上の方に閂を付けてもらって兄上が入れないようにしてもらう事を忘れずに伝えて……。とりあえずはこんな所かな?
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