古の冒険都市は観光地化の波に飲まれました 〜次は(俺・オレ・私・あたし・わたくし)のターン〜

杏仁霜

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short mission 4 宅配戦線、異常あり!

世にも愉快な襲撃者

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Side-ラスファ 3

 下り坂は唐突に終わりを迎えた。
 延々と木々の枝が覆っていた視界が一気に開ける。そして領主の屋敷に続く橋は、目前に迫っていた。

 一部岩肌がむき出しになった峠の道。そこここに茂みが点在し、身を隠すにはもってこいの開けた場所にさしかかった。
 何気なく周囲を警戒し、最初に気づいたのはアーチだった。

「おいでなすったぜ」
 アーチが不敵な笑みで短く告げる。言われるまでもないさ。
 私は無言で背負った木箱を下ろすとアーシェとラグに託した。そのまま後方に促す。
 デュエルは愛用の槍を抜きつつ、訳がわかっていないネルソンをカーチスもろとも安全域まで押しやった。
 
「ふっ…よくぞここまで来たな、だがここまでだ!」
 よく通る大声が響き渡る。岩陰から現れたのは馬に乗り、輝く鎧に身を包んだ騎士だった。茂みの中に潜んでいたらしい数人の歩兵も後に続く。
「「「…………」」」
 奴は、私たちが何も言わないことをいい事に喋り続けた。

「この我輩が来たからには、お前たちの命運も…」
「おいちょっと待ていいか?」
その大仰な口上を遮って、アーチが割り込んだ。
「なんだ一体? これからがいいところだと言うのに…」
 明らかに不機嫌になる鎧騎士。
「悪りィけどオレら、観光大使にゃ用ないんだ」

 …相手方の空気が局地的に凍りついた。

「そうか! 道理でどこかで聞いたことがある台詞だと思った」
 手を打ちながら、デュエルが納得の声を上げた。私もそれに頷く。
「まあ、エルダードなら大抵どこかで公演していそうなネタではあるな」
「でもさぁ…ちょっとパターン古いよね? 言い回しがカビ臭いったら!」
「しーっ! 言ってやるなアーシェ! 可哀想だろ」

 彼にとっては非常に残念な事だが、なにせ全員がエルダードの者だ。下手に格好をつけようとしても…その手の言い回しは、日常で否応なく聞こえてくる芝居の口上にしか聞こえない。
 気合いを入れて磨いたであろう立派な鎧も、舞台衣装じみて見えるのが物悲しく思えてしまう。

「こっちを無視するな!!!」
 ついに鎧騎士がキレ出した。武器を構えた歩兵も各々武器を振りながら怒りをあらわにする。ややあって気を取り直して咳払い。剣をこちらに向けながら、高らかに言い放つ。
「まあいい。貴様らはまとめてここで死んでもらう!」
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