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mission 1 俺たち、観光大使じゃない冒険者!
黒幕発見!
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Side-アーチ 6
奴が何か仕掛けてくる…そう思った時だった。オレが打ち込んで固定したクサビのおかげで開けっ放しだった扉の向こうから何かがまっすぐ飛んできて、その向こう…パズスの胸に突き立つ。
白羽の矢。
そいつが、飛んできたものの正体だった。なんだ、ってことは…やっとあいつが追いついたのか。
「遅ェぞ、厨房エルフ! タリーから、昼寝して待つとこだったぜ!」
「奴から目を離すな! そいつは…マトモじゃない!」
何か、奴にしかわからねぇことでもあんのか?オレの軽口を警告で返すと、矢の主…ラスファは部屋に駆け込み油断なく再び弓を構える。確かに、こいつの警告通りだ。どう考えたって、さっきの矢は心臓を貫いているはず。だがパズスとやらは数歩後退しただけで、倒れる様子もねぇ。ローブの中に鎧でも着込んでるかとも思ったが、それらしい金属音も聞こえなかった。って事は…やっぱアレ刺さってるよな?
「いきなり随分と丁寧な挨拶だな、君は。おかげで一度、死んだではないか」
事もなげにいうと、奴は無造作に刺さった矢を引き抜いた。数滴の血らしきものが滴るが、答えた様子もそれ以上の血が出た様子もねぇ。やっぱこいつ、本格的に人間やめてやがるな?
『パズス…貴様、一体何をした?』
最前列に出て剣を構えながら問うラドフォードの旦那に、奴は冷笑で答える。「なに、ただちょっと同居してるだけさ…低級魔族とな。どうという事もあるまい? これから病魔を宿して操るために体を慣らす、そのための正式な手順を踏んだだけだ」
おいおい、このおっさんマジで言ってんのか? 妙に若いのは、低級魔族と契約して取り込んだせいか。ってことは、ここの病魔も同じく取り込むつもりなのか? 虫唾が走るスゲー発想だ。まあ驚いたのはオレだけじゃねぇ。全員、言葉もなく絶句してやがる。それに気を良くしたのか、奴はさらに続けた。
「力さえ手に入れば、帝国も思いの儘。わしの時代がこれから始まるのだ…!」
完全に自分に酔ったセリフ。聞くに耐えねぇな、おっさんのナルシスト全開な寝言なんざよ。どうにも我慢できなくなって、オレは水を差した。
「ったくよお。なら聞くが、力を手にして帝国を乗っ取った後はどうすんだよ? そっから先の目標もクソもねぇんだろ? 簡単に上り詰めちまっても、そっから先の人生が味気なくなるだけだぜ?」
「過程など問題ではない。重要なのは結果のみだ。力を持たず惨めな仕打ちを受ける、その屈辱をお主らは知るまい? 今度はわしが全てを手に入れる。全ては思いのままに!」
一向に覚めネェ奴のセリフに、今度はラスファが冷笑で答える。
「だから、人知を超えた力を安直に得ようとした、と? 労せずに得た強大な力は、力に溺れる堕落を招くだけだ。そもそも人としての誇りを持たない貴様のことなど、理解も共感もしたくない」
その言葉にパズスの顔から表情が消えた。ぎょろりとした眼差しでラスファを睨みつける。
「誇り、とは?」
「屈辱に対する報復くらい、自力でやれ。他者の力で復讐などと考えた時点で、卑しさを自覚しろ。力のなさを自覚したなら、それ以上帝国に関わるな。挙句に、病魔を支配? 寝言か? そもそもその欲望は、本当に貴様の意思か?」
おいおい、いつになく熱くなってやがんな、こいつ。辛辣な言葉を吐き続ける奴の瞳が、一瞬赤く光った気がするが、気のせいか?
エルフの熱弁に、パズスは怒りをたぎらせる。鬱屈した期間が長かったのは何と無く理解したが、それをここまで身も蓋もなくこき下ろしにされるとは思わなかったんだろうぜ。
それよりも、オレは最後の一言が引っかかった。
こいつが魔族を取り込んだのまでは、確かにこいつ自身の意思だ。だがその先は…? 最初は単なる帝国への復讐っつー小せェ目的だっただろう。それが、魔族を取り込んだことで増幅されたとしたら? いや、それよりも。取り込んだ魔族に、取り込まれていることにも気づいてねぇってことはねぇか?
そこまで考えたオレの視界に、デケェ人影が割り込んだ。やっときたか!
「すまない、待たせて。どうやら間に合ったようだな?」
開け放たれた大扉から、走りこんできた大男が開口一番にそれだ。お人好しっつーかなんというか…。
「遅刻ギリギリってとこだな、大将! さっさと準備しろよ、楽しい乱闘パーティが盛大に始まるとこだ!」
「ああ、悪かったな。あちこち崩れてて通れないところが多くてな、ずいぶん遠回りした。当面の相手はこいつか?」
通路の崩落について心当たりがありすぎるオレは、こっそりと視線をそらす。いや、オレがやったがオレのせいじゃねぇよ? そういうことにしてくれや。
「そういうこった。人間やめかけてる上に、病魔使って帝国の乗っ取りまで考えてる業つくジジイだからな。念入りに相手してやろうぜ!」
奴が何か仕掛けてくる…そう思った時だった。オレが打ち込んで固定したクサビのおかげで開けっ放しだった扉の向こうから何かがまっすぐ飛んできて、その向こう…パズスの胸に突き立つ。
白羽の矢。
そいつが、飛んできたものの正体だった。なんだ、ってことは…やっとあいつが追いついたのか。
「遅ェぞ、厨房エルフ! タリーから、昼寝して待つとこだったぜ!」
「奴から目を離すな! そいつは…マトモじゃない!」
何か、奴にしかわからねぇことでもあんのか?オレの軽口を警告で返すと、矢の主…ラスファは部屋に駆け込み油断なく再び弓を構える。確かに、こいつの警告通りだ。どう考えたって、さっきの矢は心臓を貫いているはず。だがパズスとやらは数歩後退しただけで、倒れる様子もねぇ。ローブの中に鎧でも着込んでるかとも思ったが、それらしい金属音も聞こえなかった。って事は…やっぱアレ刺さってるよな?
「いきなり随分と丁寧な挨拶だな、君は。おかげで一度、死んだではないか」
事もなげにいうと、奴は無造作に刺さった矢を引き抜いた。数滴の血らしきものが滴るが、答えた様子もそれ以上の血が出た様子もねぇ。やっぱこいつ、本格的に人間やめてやがるな?
『パズス…貴様、一体何をした?』
最前列に出て剣を構えながら問うラドフォードの旦那に、奴は冷笑で答える。「なに、ただちょっと同居してるだけさ…低級魔族とな。どうという事もあるまい? これから病魔を宿して操るために体を慣らす、そのための正式な手順を踏んだだけだ」
おいおい、このおっさんマジで言ってんのか? 妙に若いのは、低級魔族と契約して取り込んだせいか。ってことは、ここの病魔も同じく取り込むつもりなのか? 虫唾が走るスゲー発想だ。まあ驚いたのはオレだけじゃねぇ。全員、言葉もなく絶句してやがる。それに気を良くしたのか、奴はさらに続けた。
「力さえ手に入れば、帝国も思いの儘。わしの時代がこれから始まるのだ…!」
完全に自分に酔ったセリフ。聞くに耐えねぇな、おっさんのナルシスト全開な寝言なんざよ。どうにも我慢できなくなって、オレは水を差した。
「ったくよお。なら聞くが、力を手にして帝国を乗っ取った後はどうすんだよ? そっから先の目標もクソもねぇんだろ? 簡単に上り詰めちまっても、そっから先の人生が味気なくなるだけだぜ?」
「過程など問題ではない。重要なのは結果のみだ。力を持たず惨めな仕打ちを受ける、その屈辱をお主らは知るまい? 今度はわしが全てを手に入れる。全ては思いのままに!」
一向に覚めネェ奴のセリフに、今度はラスファが冷笑で答える。
「だから、人知を超えた力を安直に得ようとした、と? 労せずに得た強大な力は、力に溺れる堕落を招くだけだ。そもそも人としての誇りを持たない貴様のことなど、理解も共感もしたくない」
その言葉にパズスの顔から表情が消えた。ぎょろりとした眼差しでラスファを睨みつける。
「誇り、とは?」
「屈辱に対する報復くらい、自力でやれ。他者の力で復讐などと考えた時点で、卑しさを自覚しろ。力のなさを自覚したなら、それ以上帝国に関わるな。挙句に、病魔を支配? 寝言か? そもそもその欲望は、本当に貴様の意思か?」
おいおい、いつになく熱くなってやがんな、こいつ。辛辣な言葉を吐き続ける奴の瞳が、一瞬赤く光った気がするが、気のせいか?
エルフの熱弁に、パズスは怒りをたぎらせる。鬱屈した期間が長かったのは何と無く理解したが、それをここまで身も蓋もなくこき下ろしにされるとは思わなかったんだろうぜ。
それよりも、オレは最後の一言が引っかかった。
こいつが魔族を取り込んだのまでは、確かにこいつ自身の意思だ。だがその先は…? 最初は単なる帝国への復讐っつー小せェ目的だっただろう。それが、魔族を取り込んだことで増幅されたとしたら? いや、それよりも。取り込んだ魔族に、取り込まれていることにも気づいてねぇってことはねぇか?
そこまで考えたオレの視界に、デケェ人影が割り込んだ。やっときたか!
「すまない、待たせて。どうやら間に合ったようだな?」
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