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第十三章 麻生明梨
~メイ1~
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「おかーさま。今日はあめが降っていないからお外に行けるよね。ねっ?」
縁が私の手を取ってぶんぶん振っている。
「縁。お外には行けないのよ」
「どぉして」
「そのうち出られるようになるわ。だからそれまでは、我慢しようね?」
「……分かった。そのときはおかーさまも一緒だからねっ」
「……えぇ。」
叶うことのない夢を話す娘を見ていると悲しくてたまらなくなる。ごめんね…縁
叶えてあげられない。
「さぁ。縁。そろそろ寝なさい」
「はぁい。おかーさま。おやすみなさい」
「お休みなさい。」
縁が出ていった後、大きく息をついた。
あの子は…幼い頃の私にそっくりだ。無邪気で、まだ何も知らずに夢を見ていた頃の私に。
お母様はどんな思いで私に接していたのだろう。
雪が…お母様が死んでから私の周りは大きく変わっていった。
一番大きな変化はメイと話せるようになったこと。
元々メイには感情があったらしく、私をずっと見守ってくれていた。
今の私にとって唯一の理解者だ。
“明梨。あんなこと言ってよかったの?そのうち出られるなんてこと…”
メイが話しかけてきた。
「……叶えるわ。縁のために。縁には、私のような思いはさせたくない。…お母様が一番したかったことをするわ」
“明梨……あなた、まさか”
「裕に言われて思い出したの。母の願いを。大切な人達のために私は……この村を滅ぼす」
“……決めたのね?もう迷ったりしない?”
「えぇ。迷わないわ。村人達のための選択でもあるから。誰にだって自分らしく生きる権利がある。村に全てを決められる必要なんかない」
“村を滅ぼせば、この村は消える。全ての人々が村を忘れることになる。それでもいいのね?”
「いいよ。私だけは覚えているから。村を愛しているみんなの分、私が村を守る。……これが私の選んだ道よ」
そう。今度こそ自分で決める。
悲しみしか生まないおきてはもう、いらない。
縁が私の手を取ってぶんぶん振っている。
「縁。お外には行けないのよ」
「どぉして」
「そのうち出られるようになるわ。だからそれまでは、我慢しようね?」
「……分かった。そのときはおかーさまも一緒だからねっ」
「……えぇ。」
叶うことのない夢を話す娘を見ていると悲しくてたまらなくなる。ごめんね…縁
叶えてあげられない。
「さぁ。縁。そろそろ寝なさい」
「はぁい。おかーさま。おやすみなさい」
「お休みなさい。」
縁が出ていった後、大きく息をついた。
あの子は…幼い頃の私にそっくりだ。無邪気で、まだ何も知らずに夢を見ていた頃の私に。
お母様はどんな思いで私に接していたのだろう。
雪が…お母様が死んでから私の周りは大きく変わっていった。
一番大きな変化はメイと話せるようになったこと。
元々メイには感情があったらしく、私をずっと見守ってくれていた。
今の私にとって唯一の理解者だ。
“明梨。あんなこと言ってよかったの?そのうち出られるなんてこと…”
メイが話しかけてきた。
「……叶えるわ。縁のために。縁には、私のような思いはさせたくない。…お母様が一番したかったことをするわ」
“明梨……あなた、まさか”
「裕に言われて思い出したの。母の願いを。大切な人達のために私は……この村を滅ぼす」
“……決めたのね?もう迷ったりしない?”
「えぇ。迷わないわ。村人達のための選択でもあるから。誰にだって自分らしく生きる権利がある。村に全てを決められる必要なんかない」
“村を滅ぼせば、この村は消える。全ての人々が村を忘れることになる。それでもいいのね?”
「いいよ。私だけは覚えているから。村を愛しているみんなの分、私が村を守る。……これが私の選んだ道よ」
そう。今度こそ自分で決める。
悲しみしか生まないおきてはもう、いらない。
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