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第三章 「すべては竜神様の御心に」
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夕映えた甲板の上。
オルストンへ向かう大きな船にヒカルは乗っていた。兵士たちを含めた十数人の乗組員が、同じく甲板の上で波に揺られている。
木造の船は、まるで海賊船だ。船頭には竜をモチーフにした装飾もあった。
皆口を閉じ、船の操作の最低限の言葉だけが聞こえた。覚悟を決め、これから戦争の敵地へ向かうかのような顔つきが、夕日に良く映えていた。
オルストンには最後の説得に行くのだ、と青年は教えてくれた。
黄金竜の恐ろしさを身に染みた今こそ、説得の好機会らしい。
これで分かっただろう? 竜神様を討伐するなんて無理なんだよ、と。
オルストンがそれでも説得に応じなければ、それこそ戦争だ。だからこそ最後の説得。
彼らは黄金竜を崇拝する、竜保護派の兵士たちであった。
――僕たちだって、好きで戦う訳じゃない。
そう言った青年の顔が、なかなかヒカルの頭から離れてくれなかった。
竜討伐派と保護派の争い。ヒカルは自分が想っていたより歴史は複雑であると考えては、船の上でちょっぴり憂鬱になっていた。
実は黄金の懐中時計を使って、逃げ出してしまおうかとも考えていた。ヒカルはあくまでもバルを助けたいだけ。けれども、そうすると海を渡る手段が無くなってしまう。
幸い、船はオルストンへ向かう。海上の最短ルートみたいだし、ぜひ、便乗させて貰おう。
潮風に慣れてきて、ヒカルはうんと伸びをした。その時、甲板の二階のテラスに、銀髪の少女を見つけた。長い髪が潮風に揺れてキラキラと光る。
牢屋で目覚めた時にいた少女だ。欄干に手をかけて、遠くの水平線を眺めていた。
リオンと同じ黄色い目をした少女。夕日に照らされた彼女の横顔は、怖いくらいに美しかった。
「彼女の事が気になるの?」
振り返ると、ヒカルを牢屋から出してくれた青年がすぐ後ろにいた。動く度に、体のどこかしらに着けたアクセサリーがジャラジャラと揺れるのに、全く気がつかなかった。
「あまり深く関わろうとしない方が良いよ」
これは忠告だよ。
ポン、と青年がヒカルの肩を叩いた。
「僕の名前はウイン。彼女はカリンダさ」
ウインと名乗った青年が手を差し出す。握手だ。ヒカルはゆっくりとウインの手を握った。
「ヒカル、です」
「今さら敬語は無しにしようよ」
相変わらず、ウインは掴み所のない笑みを口許に浮かべている。だからこそ、ヒカルはなかなか警戒心を解くことが出来なかった。
「君のことは隊長にちゃんと言ったよ。僕の兄貴でね。ブリーゲルって言うんだ。ほら、君が目を覚ました時に、カリンダと一緒にいた男だよ」
銀髪の少女――カリンダの隣にいた大男だ。ヒカルは彼の着ていた黄色い甲冑を思い出した。
「ああ、黄金竜みたいな鎧を着た奴か」
「それ、本人に言ってみな。きっと喜んでくれるよ」
ウインがクスクスと笑う。
「それと一応、兄貴の前では隊長って呼んであげてくれ。僕も皆の前ではそう呼ぶし、それなりに敬意を払ってるから」
「……ごめん」
大きな波に揺れて、ヒカルは思わず転びそうになった。カリンダが立っていた二階のデッキにはすでに彼女は居らず、眩しい西日だけが見えた。
「どうして黄金竜を守るの?」
ヒカルの問いに、ウインの口許が僅かに歪んだ。
「記憶でもなくしちゃったのかい? 君は」
座んなよ。そう言って、ウインは甲板に腰をおろした。
ヒカルもゆっくりと隣に座る。それを確認すると、ウインはたっぷりと間をおいてから口を開いた。
「竜神様だって、はじめから僕たちを襲うことはなかったんだ。いや、違うな。僕が生まれた時には、平和の象徴でもあった。かつては世界中の人々が信仰し、祈りを捧げていた。でも――」
突然、変わってしまったんだ。
「本当か嘘か分からないけれど、オルストンは昔から竜神様を捕獲しようと企んでいたらしい……平和の象徴だった黄金竜をさ」
「黄金竜を? どうして?」
ウインが意地悪く笑う。
「黄金竜を飼っている家に、泥棒は入りたくないだろう?」
ヒカルは驚いた。あの黄金竜を捕まえるなんて。無理に決まっている。
「昔、オルストンは戦争をしていた。僕が生まれた頃にはすでに始まっていた国盗り合戦さ。関係ない国の、関係ない争いだとばかり思っていた」
オルストンはその戦争に黄金竜の力を利用したかったらしい。
――きっと、竜神様は怒ったんだね。私を争いに巻き込むな、って。
「はじめは、海に浮かぶ小さな村だった。海に何かが落ちるのを見た村の漁師たちが船を出したけれど、帰って来た者は一人もいなかった」
そして、村は壊滅。生き残った村人は「黄金の蛇が海から現れた」と言ったのだとか。
「似たような事が世界中でも起きたんだ。被害にあった人々は皆、口を揃えて黄金竜を見たと言う。世界は混乱さ。僕たちも信じられなかったよ。神様だと信じていた竜神様が、人々を襲い始めたんだから」
ウインの肩が震えていることに、ヒカルは気がついた。
「何とかしなくてはいけない。それは僕たちも分かってる。そして、最初に武器を取ったのが大都市オルストンさ」
竜神様を討伐せよ――
「神様に武器を向ける。武力で解決する。大都市らしい考え方に、僕たちは反発した。世界中だってオルストンを避難したよ。でも、被害が多くなるにつれて、オルストンに賛同する国や村が増えていったんだ。連盟となり共和国を設置。皆も認めざるを得なくなってきたんだね。神殺しの罪を背負わなければならないことに」
夕日はいつの間にか沈んでいて、月明かりが代わりに船上を照らしてくれる。
夜の波は穏やかだったが、ヒカルの心は複雑だった。
かつて戦争中だったオルストンが、国盗り合戦に勝つために神様である黄金竜を味方につけようとした。
そのせいで、オルストンは神の逆鱗に触れたのだ。
味方になってくれないのなら反逆者だ、と石を投げる。
罰当たりすぎる行いに、神様は怒って当然だ。オルストンだけじゃ物足りない。このままでは人々を、世界が滅んでしまう。
「だから僕たちは説得にいくのさ。竜神様の怒りをおさめるために謝れ、ってね」
噂に過ぎないのだけれも、とウインは付け加えたが、ヒカルには届かなかった。
竜捕獲が真実であれ噂であれ、オルストンが黄金竜に剣先を向けたことに変わりはないのだから。
そのせいで、罪無き人々の涙が枯れる。
ヒカルはリオンを思い出した。リオンや、彼女の村人たちこそ無関係な被害者なのだ。
「彼女も戦うの? えっと……カリンダも」
カリンダもまた、何かしらの役割を背負っているのだろうか。
「言っただろう? 深く関わらない方が良いって。それに戦うわけじゃない。僕たちはあくまでも説得したいだけなんだってね」
その時、穏やかに進んでいた船が右に大きく傾いた。転ばないように手すりを持ったヒカルとウインの目の前を、コロコロと小さな樽が転がっていく。
「進路変更! 繰り返す進路変更! オルストンより、ジャスパー街道へ向かう! 竜神様がお見えになられるぞ!」
マストの上から兵士が甲板に向かって叫ぶと、船の上は一気に慌ただしくなった。
「進路変更って、黄金竜がくるの?」
「そうみたいだね。昨日はオルストンで、今度はジャスパーか。竜神様はこのあたりをぶらぶらしてるみたいだね」
「どうして来るのが分かるんだよ?」
船頭室へ向かっていたウインが振り返る。
そうだ! カリンダもまた、リオンと同じく黄色い瞳をしていたではないか!
「カリンダのネタばらしだ。彼女は竜神様と通じ合えるんだよ」
夜空には少しだけ欠けたお月様が、彼女の瞳のように不気味に黄色く輝いていた。
オルストンへ向かう大きな船にヒカルは乗っていた。兵士たちを含めた十数人の乗組員が、同じく甲板の上で波に揺られている。
木造の船は、まるで海賊船だ。船頭には竜をモチーフにした装飾もあった。
皆口を閉じ、船の操作の最低限の言葉だけが聞こえた。覚悟を決め、これから戦争の敵地へ向かうかのような顔つきが、夕日に良く映えていた。
オルストンには最後の説得に行くのだ、と青年は教えてくれた。
黄金竜の恐ろしさを身に染みた今こそ、説得の好機会らしい。
これで分かっただろう? 竜神様を討伐するなんて無理なんだよ、と。
オルストンがそれでも説得に応じなければ、それこそ戦争だ。だからこそ最後の説得。
彼らは黄金竜を崇拝する、竜保護派の兵士たちであった。
――僕たちだって、好きで戦う訳じゃない。
そう言った青年の顔が、なかなかヒカルの頭から離れてくれなかった。
竜討伐派と保護派の争い。ヒカルは自分が想っていたより歴史は複雑であると考えては、船の上でちょっぴり憂鬱になっていた。
実は黄金の懐中時計を使って、逃げ出してしまおうかとも考えていた。ヒカルはあくまでもバルを助けたいだけ。けれども、そうすると海を渡る手段が無くなってしまう。
幸い、船はオルストンへ向かう。海上の最短ルートみたいだし、ぜひ、便乗させて貰おう。
潮風に慣れてきて、ヒカルはうんと伸びをした。その時、甲板の二階のテラスに、銀髪の少女を見つけた。長い髪が潮風に揺れてキラキラと光る。
牢屋で目覚めた時にいた少女だ。欄干に手をかけて、遠くの水平線を眺めていた。
リオンと同じ黄色い目をした少女。夕日に照らされた彼女の横顔は、怖いくらいに美しかった。
「彼女の事が気になるの?」
振り返ると、ヒカルを牢屋から出してくれた青年がすぐ後ろにいた。動く度に、体のどこかしらに着けたアクセサリーがジャラジャラと揺れるのに、全く気がつかなかった。
「あまり深く関わろうとしない方が良いよ」
これは忠告だよ。
ポン、と青年がヒカルの肩を叩いた。
「僕の名前はウイン。彼女はカリンダさ」
ウインと名乗った青年が手を差し出す。握手だ。ヒカルはゆっくりとウインの手を握った。
「ヒカル、です」
「今さら敬語は無しにしようよ」
相変わらず、ウインは掴み所のない笑みを口許に浮かべている。だからこそ、ヒカルはなかなか警戒心を解くことが出来なかった。
「君のことは隊長にちゃんと言ったよ。僕の兄貴でね。ブリーゲルって言うんだ。ほら、君が目を覚ました時に、カリンダと一緒にいた男だよ」
銀髪の少女――カリンダの隣にいた大男だ。ヒカルは彼の着ていた黄色い甲冑を思い出した。
「ああ、黄金竜みたいな鎧を着た奴か」
「それ、本人に言ってみな。きっと喜んでくれるよ」
ウインがクスクスと笑う。
「それと一応、兄貴の前では隊長って呼んであげてくれ。僕も皆の前ではそう呼ぶし、それなりに敬意を払ってるから」
「……ごめん」
大きな波に揺れて、ヒカルは思わず転びそうになった。カリンダが立っていた二階のデッキにはすでに彼女は居らず、眩しい西日だけが見えた。
「どうして黄金竜を守るの?」
ヒカルの問いに、ウインの口許が僅かに歪んだ。
「記憶でもなくしちゃったのかい? 君は」
座んなよ。そう言って、ウインは甲板に腰をおろした。
ヒカルもゆっくりと隣に座る。それを確認すると、ウインはたっぷりと間をおいてから口を開いた。
「竜神様だって、はじめから僕たちを襲うことはなかったんだ。いや、違うな。僕が生まれた時には、平和の象徴でもあった。かつては世界中の人々が信仰し、祈りを捧げていた。でも――」
突然、変わってしまったんだ。
「本当か嘘か分からないけれど、オルストンは昔から竜神様を捕獲しようと企んでいたらしい……平和の象徴だった黄金竜をさ」
「黄金竜を? どうして?」
ウインが意地悪く笑う。
「黄金竜を飼っている家に、泥棒は入りたくないだろう?」
ヒカルは驚いた。あの黄金竜を捕まえるなんて。無理に決まっている。
「昔、オルストンは戦争をしていた。僕が生まれた頃にはすでに始まっていた国盗り合戦さ。関係ない国の、関係ない争いだとばかり思っていた」
オルストンはその戦争に黄金竜の力を利用したかったらしい。
――きっと、竜神様は怒ったんだね。私を争いに巻き込むな、って。
「はじめは、海に浮かぶ小さな村だった。海に何かが落ちるのを見た村の漁師たちが船を出したけれど、帰って来た者は一人もいなかった」
そして、村は壊滅。生き残った村人は「黄金の蛇が海から現れた」と言ったのだとか。
「似たような事が世界中でも起きたんだ。被害にあった人々は皆、口を揃えて黄金竜を見たと言う。世界は混乱さ。僕たちも信じられなかったよ。神様だと信じていた竜神様が、人々を襲い始めたんだから」
ウインの肩が震えていることに、ヒカルは気がついた。
「何とかしなくてはいけない。それは僕たちも分かってる。そして、最初に武器を取ったのが大都市オルストンさ」
竜神様を討伐せよ――
「神様に武器を向ける。武力で解決する。大都市らしい考え方に、僕たちは反発した。世界中だってオルストンを避難したよ。でも、被害が多くなるにつれて、オルストンに賛同する国や村が増えていったんだ。連盟となり共和国を設置。皆も認めざるを得なくなってきたんだね。神殺しの罪を背負わなければならないことに」
夕日はいつの間にか沈んでいて、月明かりが代わりに船上を照らしてくれる。
夜の波は穏やかだったが、ヒカルの心は複雑だった。
かつて戦争中だったオルストンが、国盗り合戦に勝つために神様である黄金竜を味方につけようとした。
そのせいで、オルストンは神の逆鱗に触れたのだ。
味方になってくれないのなら反逆者だ、と石を投げる。
罰当たりすぎる行いに、神様は怒って当然だ。オルストンだけじゃ物足りない。このままでは人々を、世界が滅んでしまう。
「だから僕たちは説得にいくのさ。竜神様の怒りをおさめるために謝れ、ってね」
噂に過ぎないのだけれも、とウインは付け加えたが、ヒカルには届かなかった。
竜捕獲が真実であれ噂であれ、オルストンが黄金竜に剣先を向けたことに変わりはないのだから。
そのせいで、罪無き人々の涙が枯れる。
ヒカルはリオンを思い出した。リオンや、彼女の村人たちこそ無関係な被害者なのだ。
「彼女も戦うの? えっと……カリンダも」
カリンダもまた、何かしらの役割を背負っているのだろうか。
「言っただろう? 深く関わらない方が良いって。それに戦うわけじゃない。僕たちはあくまでも説得したいだけなんだってね」
その時、穏やかに進んでいた船が右に大きく傾いた。転ばないように手すりを持ったヒカルとウインの目の前を、コロコロと小さな樽が転がっていく。
「進路変更! 繰り返す進路変更! オルストンより、ジャスパー街道へ向かう! 竜神様がお見えになられるぞ!」
マストの上から兵士が甲板に向かって叫ぶと、船の上は一気に慌ただしくなった。
「進路変更って、黄金竜がくるの?」
「そうみたいだね。昨日はオルストンで、今度はジャスパーか。竜神様はこのあたりをぶらぶらしてるみたいだね」
「どうして来るのが分かるんだよ?」
船頭室へ向かっていたウインが振り返る。
そうだ! カリンダもまた、リオンと同じく黄色い瞳をしていたではないか!
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