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第五話 事情聴取
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「それにしても敵小隊を殲滅ですか、魔導具をお持ちでないから少し心配しましたが、さすがです」
こいつ、一人で殲滅と言わなかったな、油断も隙もない奴。
「いっそ私も死んでくれたら思わなかったか?」
「滅相もない。そんな事になったらリベリア嬢が大変ですから」
私自身はどうでもいいわけだ。まあ引退した身だし。
「お父様、その指は、どうしたのですか?」
娘はすっと私の左手に手を伸ばした。そして色の少し変わった三本の指を見ている。
「この話は、あとで相談しよう」
私を左手を引いて、がやがやと人の声や馬の嘶きが聞こえたので窓の外を見る。
どうやら、騎士団の調査団が予定の時間より少し早めに着いたらしい。
「やつらはセインラブ皇国の兵士だな」
私は話題を変える。
「こちらが得ている情報では、ハニートラップに遭われたとか」
ガレスは少し憐れむような感じで言った。
そしてセルケトさんを眺めてふっと溜息をついた。
それに合わせてリベリアが戸惑ったような表情で私の顔を見上げた。
「あの娘さんは一体、お父様の何なのですの?」
質問したくてうずうずしていたリベリアが声をあげる。
娘の知っていた情報なら、相手は行商のおばさんのはずだからな。
物以外を売るおばさんと知って呆れていただろうが、それが若い娘となると心中穏やかではないだろう。
私としては想定通りなので、冷静に答えた。
私もセルケトさんのほうに振り向いて手招きをする。
彼女は座っている私の横に来て肩に手を乗せる。
「手続きはまだだが紹介しておくよ、名前はセルケト、私の妻だ」
「新しい奥様ですか、さすがです」
「な、なんて破廉恥なの!こんな若い娘さんを嫁にするなんてお父様!」
確かに見た目はリベリアと同い年くらいに見える。
背丈も変わらないが胸はセルケトさんの圧勝で時折私の頭にわざと当てている。
あきらかに、娘を煽っている。こいつは…
それを見て苛立つリベリアの肩を抑えてセルケトさんが微笑む。
「私、エルフだから若く見えるけど、フィアスより年上なのよ」
初めてセルケトが口を開いた。
「フィアスって・・・・・」
リベリアがふっと天を仰いで気絶する。私はあわてて傾く娘を抱きかかえた。
彼女の今を感じながら、額の髪に指で整える。
ちゃんと育ってくれて、ありがとう。
小さな声で親馬鹿と呟くセルケトさんの声が聞こえた。
そんな光景を見ながら、ガレスが冷静に用件を私に告げた。
「敵国の報復が予想されますし、それにお伺いしたい事が山ほどあります」
ガレスは、私、そしてセルケトを見て、気絶をしたリベリアに視線を落とした。
「それで?」
何を言われるか予想がつくが尋ねる。
「とりあえず帝都にお越しください。もちろんお二人で」
「それって拘束って意味だろ?」
「それ以外にありますか?」
無いよな、確かに…
元賢者であろうが現役の帝国騎士団<北神>の副団長ガレス・ブレイドの指示には逆らえない。
セルケトさんは何も考えて無いように即答する。
「行きましょうよ、貴方の指もくっつけないといけないし」
この想定外の展開は、いきなりシナリオの最終ページの想定Cに入っている。
セルケトは今、トンっと私の肩に手を置き直した。
そして強く握る。
私がいまだに失神している娘リベリアの肩を抱いているのが気に入らないようだ。
(だってしょうがないじゃないか)
では、済まないような雰囲気がする。
そう言えば前の妻も…、いや彼女と比べるものじゃない。
ガレスがそんな空気を察して立ち上がる。ありがたい。
「夕方までには、ここを出ましょう。フィアス様、ちょっと外でお話しませんか」
「分かった」
そう答えると寝ていたはずのリベリアがすっと立ち上がって言った。
「私もご一緒させてください」
えっ?
「だめ、狸寝入りしてたのを見逃してあげたでしょ」
ガレスは娘に庭の現場検証への参加を指示した。
娘は狸に例えるなと思ったけど黙っておく。
セルケトさんも分かっていたのは横顔をチラ見して分かった。
娘に甘いと絶対思っている。
「貴方の荷造りもしておくわ」
彼女はそれだけを言って私から離れて行った。
「ありがとうセルケト、じゃ、ちょっとガレスに付き合ってくる」
私は上着を羽織って妻に軽く手を振ってガレスと外に出た。
「大変ですね」
ガレスの言葉に思わず頷きそうになったが、笑顔で首を軽く横に振ってみせた。
こいつ、一人で殲滅と言わなかったな、油断も隙もない奴。
「いっそ私も死んでくれたら思わなかったか?」
「滅相もない。そんな事になったらリベリア嬢が大変ですから」
私自身はどうでもいいわけだ。まあ引退した身だし。
「お父様、その指は、どうしたのですか?」
娘はすっと私の左手に手を伸ばした。そして色の少し変わった三本の指を見ている。
「この話は、あとで相談しよう」
私を左手を引いて、がやがやと人の声や馬の嘶きが聞こえたので窓の外を見る。
どうやら、騎士団の調査団が予定の時間より少し早めに着いたらしい。
「やつらはセインラブ皇国の兵士だな」
私は話題を変える。
「こちらが得ている情報では、ハニートラップに遭われたとか」
ガレスは少し憐れむような感じで言った。
そしてセルケトさんを眺めてふっと溜息をついた。
それに合わせてリベリアが戸惑ったような表情で私の顔を見上げた。
「あの娘さんは一体、お父様の何なのですの?」
質問したくてうずうずしていたリベリアが声をあげる。
娘の知っていた情報なら、相手は行商のおばさんのはずだからな。
物以外を売るおばさんと知って呆れていただろうが、それが若い娘となると心中穏やかではないだろう。
私としては想定通りなので、冷静に答えた。
私もセルケトさんのほうに振り向いて手招きをする。
彼女は座っている私の横に来て肩に手を乗せる。
「手続きはまだだが紹介しておくよ、名前はセルケト、私の妻だ」
「新しい奥様ですか、さすがです」
「な、なんて破廉恥なの!こんな若い娘さんを嫁にするなんてお父様!」
確かに見た目はリベリアと同い年くらいに見える。
背丈も変わらないが胸はセルケトさんの圧勝で時折私の頭にわざと当てている。
あきらかに、娘を煽っている。こいつは…
それを見て苛立つリベリアの肩を抑えてセルケトさんが微笑む。
「私、エルフだから若く見えるけど、フィアスより年上なのよ」
初めてセルケトが口を開いた。
「フィアスって・・・・・」
リベリアがふっと天を仰いで気絶する。私はあわてて傾く娘を抱きかかえた。
彼女の今を感じながら、額の髪に指で整える。
ちゃんと育ってくれて、ありがとう。
小さな声で親馬鹿と呟くセルケトさんの声が聞こえた。
そんな光景を見ながら、ガレスが冷静に用件を私に告げた。
「敵国の報復が予想されますし、それにお伺いしたい事が山ほどあります」
ガレスは、私、そしてセルケトを見て、気絶をしたリベリアに視線を落とした。
「それで?」
何を言われるか予想がつくが尋ねる。
「とりあえず帝都にお越しください。もちろんお二人で」
「それって拘束って意味だろ?」
「それ以外にありますか?」
無いよな、確かに…
元賢者であろうが現役の帝国騎士団<北神>の副団長ガレス・ブレイドの指示には逆らえない。
セルケトさんは何も考えて無いように即答する。
「行きましょうよ、貴方の指もくっつけないといけないし」
この想定外の展開は、いきなりシナリオの最終ページの想定Cに入っている。
セルケトは今、トンっと私の肩に手を置き直した。
そして強く握る。
私がいまだに失神している娘リベリアの肩を抱いているのが気に入らないようだ。
(だってしょうがないじゃないか)
では、済まないような雰囲気がする。
そう言えば前の妻も…、いや彼女と比べるものじゃない。
ガレスがそんな空気を察して立ち上がる。ありがたい。
「夕方までには、ここを出ましょう。フィアス様、ちょっと外でお話しませんか」
「分かった」
そう答えると寝ていたはずのリベリアがすっと立ち上がって言った。
「私もご一緒させてください」
えっ?
「だめ、狸寝入りしてたのを見逃してあげたでしょ」
ガレスは娘に庭の現場検証への参加を指示した。
娘は狸に例えるなと思ったけど黙っておく。
セルケトさんも分かっていたのは横顔をチラ見して分かった。
娘に甘いと絶対思っている。
「貴方の荷造りもしておくわ」
彼女はそれだけを言って私から離れて行った。
「ありがとうセルケト、じゃ、ちょっとガレスに付き合ってくる」
私は上着を羽織って妻に軽く手を振ってガレスと外に出た。
「大変ですね」
ガレスの言葉に思わず頷きそうになったが、笑顔で首を軽く横に振ってみせた。
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