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絶望と策略3
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ステラが反発するなんて、それこそ10年ぶりくらいだろうか。
親を巻き込んで姉妹間の格差を作り、違いを分からせてきたというのに、少し男にちはほやされたくらいで調子に乗っているとブリジットは感じた。
「あのねえ、そもそもあんたがあの人に好かれる要素ないのよ? ちょっと優しくされたからって勘違いしちゃって可哀そう」
なにも分からない愚かな子供に諭すような、同情しきった声音だった。
ステラはそんなことないと反論したかったが、できずに唇を噛む。
ハウンドがステラを気に掛ける「理由」は、おそらく過去にありステラはそれを思い出せないからだ。
(私にも理由は分からないからブリジットに説明はできない。けれど……私はハウンドの気持ちを信じている)
ステラだってハウンドを信じられるようになったのは最近のことなのだ。
自分でもブリジットに説明できるとは思えないし、誰かに分かってもらう必要もないと思っている。
しかしブリジットは勝利を確信したようだ。
「いくら仲がよくても、結婚を申し込まれていないのよね? あんたが婚約相手を探していることは有名なのに、どうしてハウンド様はあんたと婚約しないの?」
くすくすと嘲るように笑われる。
ステラが気にしていたことを指摘され、何も言えなくなってしまう。
気にしても仕方ないから曖昧に流していただけで、ステラの立場はハウンドのことを詐欺師だと思っていたころと何も変わっていない。
「それに、あんたには分からないでしょうけれど私がハウンド様と結婚できる術はあるのよ」
「そんなことできるわけが……」
ブリジットはアハハハ!と高らかに笑う。
「簡単なこと。妊娠すればいいのよ。ハウンド様との子を。そうしたら、私と結婚せざるをえないの。分かる?」
「……!」
一発殴ろうとして一歩踏み出し、ステラは使用人に床に打ち据えられた。
「離して! あなたたちもブリジットを止めなさい!」
「……」
使用人たちがステラの言うことを聞くはずもない。
長年グレアム家の支配者はブリジットだったのだ。
「まあステラはどうやってたら孕むのかも分からないでしょうけれど」
それはそうだった。
貴族の子女であれば「殿方にお任せなさい」と家庭教師や親に教えられる。
ステラは結婚したら自然と子供が出来るのかな、とそもそもなにも考えていなかった。
しかし、ブリジットが子供を利用しハウンドの尊厳を踏みにじろうとしているのは理解できる。
「私と交われるなんてハウンド様も幸運だわ。あ~早くパーティーの日にならないかしら。私のこの身体を前にして抵抗できる男はいないけれど、グレアム家をあげてハウンド様とは子供をつくらせてもらうわよ」
「ブリジット!」
床に押さえつけられても噛みつかんばかりのステラを、使用人たちは口をふさいで地下室の奥まで突き飛ばす。
「ハウンド様のことは私に任せて、邪魔なあんたはさっさと死んだらいいのよ。アッハハハ!」
親を巻き込んで姉妹間の格差を作り、違いを分からせてきたというのに、少し男にちはほやされたくらいで調子に乗っているとブリジットは感じた。
「あのねえ、そもそもあんたがあの人に好かれる要素ないのよ? ちょっと優しくされたからって勘違いしちゃって可哀そう」
なにも分からない愚かな子供に諭すような、同情しきった声音だった。
ステラはそんなことないと反論したかったが、できずに唇を噛む。
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ステラだってハウンドを信じられるようになったのは最近のことなのだ。
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しかしブリジットは勝利を確信したようだ。
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くすくすと嘲るように笑われる。
ステラが気にしていたことを指摘され、何も言えなくなってしまう。
気にしても仕方ないから曖昧に流していただけで、ステラの立場はハウンドのことを詐欺師だと思っていたころと何も変わっていない。
「それに、あんたには分からないでしょうけれど私がハウンド様と結婚できる術はあるのよ」
「そんなことできるわけが……」
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「……!」
一発殴ろうとして一歩踏み出し、ステラは使用人に床に打ち据えられた。
「離して! あなたたちもブリジットを止めなさい!」
「……」
使用人たちがステラの言うことを聞くはずもない。
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それはそうだった。
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しかし、ブリジットが子供を利用しハウンドの尊厳を踏みにじろうとしているのは理解できる。
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「ブリジット!」
床に押さえつけられても噛みつかんばかりのステラを、使用人たちは口をふさいで地下室の奥まで突き飛ばす。
「ハウンド様のことは私に任せて、邪魔なあんたはさっさと死んだらいいのよ。アッハハハ!」
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