【完結】二度目の人生、君ともう一度!〜彼女を守りたいだけなのに〜

トト

文字の大きさ
22 / 147
第一章 出会いからもう一度

ローズマリーという令嬢

しおりを挟む
 ローズマリーに子猫を預けてから1週間、里親が見つかったという連絡を受けた。
 里親になってくれた猫カフェの常連さんで、子猫を引き取ったあとも猫カフェにきては子猫の今の生活ぶりを話してくれてるらしい、そしてそれは従業員からローズマリーに、ローズマリーからユアンたちに伝えられた。

(里親を探してくれただけではなく、その後の様子も伝えてくれるなんて、なんてマメな令嬢なんだ)

『氷のような冷たい心の令嬢。平民は虫けらとしか思っていない。傲慢。嫌味な女』

 前の人生でローズマリーに関して色んな噂を聞いた。
 そしてそんな噂を耳にしてどれだけ自分も彼女のことを色眼鏡で見てきたか、同級生が自分の陰口を言ってるのを、見た目で人を差別する低俗な人間だと蔑んできたのに、まさに自分も昔は同じことをしてきたんだと、改めて突き付けられてる気がした。

(そういえば、僕はどんなことを言われて嫌だと思ったんだっけ?)

『肉ばかり食べて不健康ですわ』
『その贅肉は、少し落としたらよろしくないですの』
『学友一人もいないあなたに、私が話しかけてあげてるんですからもっと喜びなさい』

 そんな言葉を思い出す。

(そういえば、最近もよくローズマリーに話しかけられるようになったが)

『草しか食べれないほど貧乏ですの』
  そう言っては皿の上に肉をのせられ。

『筋肉ばかりつけて、暑苦しいですわ』
 そう言っては熱いひざしの日は、ランニングに行こうとすることを引き留めるられ。

『よほど学力に自信がおありですのね』
  眠りかけるユアンを譲り起こし、ノートを見せてくれた。

(あれ? なんかこれって……)

 今も昔も一見喧嘩を売ってるようにも聞こえるが、いや、言葉選びとしてはやはり間違っている気もするが、色眼鏡を置いて見てみれば、嫌味ではなくやさしさから出た言葉だというのがわかる。

 ──家柄も高く、先生方の評判も良い。それでいて容姿端麗。才色兼備。

 ただ生まれ持った家柄のせいか自然と出てくる命令口調。傲慢な口ぶり。
 怒っているわけではないけれど、ちょっとつり目がちなその目と、その奥に光るあの燃え上がるような真っ赤な瞳が、彼女の印象をきつい性格に見せてしまっている。
 その上であの素直でない言葉のチョイス、またそれがうまい具合に人のコンプレックスを刺激する。
 
「なんて残念なご令嬢なんだよ」

 同世代の時は気がつかなかったが、その口調も言葉も、今のユアンからしたら精一杯背伸びをしている、ちょっと強気な年相応な少女だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」

イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。 ある日、夢をみた。 この国の未来を。 それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。 彼は言う。 愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?

処理中です...