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先輩ジャーナリストの歓迎レポート
1-2 父からの重大発表
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「ブランドフォード卿、いらっしゃるなら言っていただければ……社長に御用でしょうか」
シルクハットにタキシードのエルの父に、デスクが頭を下げて御用伺いをする。
エルは面白くない。
思わず唇を尖らせてしまう。
娘の職場に父親が顔出すとは過保護にもほどがある。
「何しに来たの」
上司よりも雑に父の予定を伺う。
「社長にちょっと急な話があってね。近くまで来たから寄ったんだよ。それにエル、君にも話があるんだ」
エルって言った……!
ペンネームであるエルの名前で語りかける時は、それなりの話がある時だ。
本名で呼ぶと機嫌が悪くなるから、話がしずらい。だから、最初からエルと呼んで話をしやすくしようという父の作戦だ。名の通った父がわざわざこっそり働いている娘の職場までやってくるのだから、これでタダの親バカだったら、二度と家に帰らないと宣言するところだ。
しかし、父の顔は緊張感ある真面目な表情だった。
話があると言われても、これから取材に出かけようと思った矢先、出鼻をくじかれる気持ちだ。
とはいえ、デスクの顔を覗き込むとうんうんとうなずいている。
仕事中でも許可するということだろう。
デスクだって上司とはいえ、単なる民間会社の社員だ。
社会的身分のある父とは本来であれば会話すら難しい。せいぜい新聞記者という肩書で取材で短時間、というのが関の山だ。権威に強く立ち向かう性格でもなく、頭を下げっぱなしの枯れ木以上にはなりえない、彼だってなりたくないだろう。
勝手に話を進めたって、咎められたりしない。
父の登場で、エルは新人記者ではなくなってしまった。
今までの生意気な会話もすべて吹っ飛ぶ。
だから嫌なのだ、と叫ぶのを我慢する。
そんな空気にため息が交じる。
仕方なしに父を応接に案内する。
が、応接も何も衝立一枚で仕切られたソファーとテーブルセット。
父は首を振る。
「廊下でもいいかな」
新聞社なのにここの廊下は静かと評判なのをなぜ知っているのか。
よく考えれば社長と古いお友達なのだから、さもありなんということだろう。
「それで、話ってなに」
エルは廊下に出て扉を閉めるなり、腕を組んで声色低く尋ねた。
「フローラ=ブランドフォードとして、重要な話だ」
父も真面目な声色を使う。
そして、エルの本名を持ち出した。
「それだったら家帰ってから聞くけど?」
「そう言って、帰らないじゃないか。アパート暮らしが板についたってきいているぞ」
ちっと舌打ちする。
「フローラ。心して聞いてほしい」
会話に溜めをつくってきた父の表現に思わず顔をあげて、目を合わせた。
悲しそうだった。
嫌な話だ、と身構えようとしたとき、
「縁談がなくなった」
「……へ?」
予想していなかった答えだった。
「許嫁だったリボー家との婚約だ」
「あ、ああ。わたしの婚約?……破棄? なんで?」
目が点になるとはこのことだ。
いきなりのことに理解が追いつかない。
地方領主のリボー家の長男である優男。
整った顔立ちで美形として名を馳せていたが、性格も含めると世間の評価とは必ずしも一致しないというのがエルの評価だ。
幼いころからの両家の決めた結婚だから、それ以上でもそれ以下でもない。
しかし、呪われた運命と思っていたはずなのに、いきなりの婚約破棄と伝えられて、感情は追いつかない。
「詳しくはこの場では言えないが、オリバー君の推薦で皇太子殿下が異例の……」
「そっか。ダメか……」
理由を求めていながら、父の長い講釈を最後まで聞く気にならず。
ひとまず、受け入れた。
別に愛し合っているというわけでもないから、それほどでもないとエルは口にしようと思ったが、うまく言葉が出てこなかった。
「今の仕事やってていいよって言ってたんだけどなあ……」
気落ちするまいと天を仰ぐ。
が、やがてうつむく。
「そういうわけで、たまにはうちに帰っておいで」
ろくに話を聞いていないエルに優しく帰宅を促す父。
「この話、うちで話した?」
そろそろ嫁に行くという話は邸のメイドやコックまでもが知る周知の事実。
それに、もう一人。
「いやまだだよ」
「当分言わないでいいから」
「ああ、そうするよ」
あっさりと、口止めを約束する。
「特に」
「エリシオ君かな」
むっつりと黙る。
「君の口から伝えたまえ」
はいはいと適当に流す。
あいつにはいつ嫁に行くとも言ってない。
ウェディングドレスの仕立てが進んでいたはずだが、気づいていないだろう。
なのだから、伝えなくてもいい話でもある。
「要件はそれだけ?」
「ああ、そうだ」
エルはまるで動じていないように気丈に振舞った。
「じゃあ早く社長のところへ行ってくれば。場所はわかるでしょ」
「ああ、そうするよ」
ステッキを振って、父は去っていった。
何度も後ろを振り返り、心配そうに見つめる。
そのたびに適当に手を振って追い返すようにした。
その姿が消えたのを確認して、ふーっ、と息を吐いて、冷静になろうと努める。
でも、ダメだ。
どうしても顔を抑えてしまう。
自分自身の異端差が責められているようだ。
名のある貴族の娘なのに、男のなりして、一人で暮らして、労働者の真似事をして、競馬の記事なんて書いて、だからまともな結婚もできない。
誰かがわたしにそんな陰口を言っている……エルの耳に幻の声が聞こえていた。
「あー、もう、うるさい!」
それほど好きな相手でもなかった。
これで好きな仕事にうちこめる。
運命が変わった。
わたしは自由になった。状況的には良いことづくめのはずだった。
そうやって、自分に言い聞かせる。
それでも、遅効性の毒のように感情の波は徐々に押し寄せてくる。
――はあ。これだから、あの世界は嫌だ。わたしを惑わせる。
そういえば、オリバーがどうとかって話。
かつての同窓生の名前が耳に入ったが、スルーしてしまった。
皇室に取り入って、若いのに大抜擢とか聞いたことがあるが、でもなんでオリバーの名前がこの話題に出てくるのだろうか。彼にそんな権力があるわけでもない。
活躍しているのは喜ばしいことだ。
と別の話題に頭を持っていくが、そこで止まってしまう。
またため息をつき、エル=プリメロ記者に戻ろうと必死に頬を両手で叩く。
まだ仕事中だぞ、と。
深呼吸して、事務所の扉を勢いよく開ける。
すると、そこにはデスクと先輩が飛びあがるようにびくついていた。
そわそわして、慌てて書類の整理をはじめたりして、挙動不審をおもむろに表現していた。
聞き耳をたてていたと推測するに十分な状況証拠だった。
「……聞いてましたね?」
感情の無い声になってしまった。
恥ずかしいというより、なぜかふつふつと怒りが湧いてくる。
「え、いや、なんのことかね……お父上は帰られただろうか」
隠しきれない額の汗を拭いているデスクの目は泳いでいた。
「エル、取材いけるか? それとも今日は帰るか?」
先輩がどや顔で声をかけてきた。
ごまかしているのがまるわかりだ。
「やっぱり、聞いてたんじゃないですか。馬主取材ですか? わたし行きますよ。こうなりゃ仕事します」
なぜか今度は怒りが押し寄せて、デスクをきっとにらむ。
「……元気ならいいんだ」
「当たり前です、振られたくらいで落ち込んでたら仕事なんて出来ません」
そう宣言して、リストを見た直後、涙が頬を伝った。
今日の取材対象としてクロムウェル=リボーの名があったからだ。
――よりによって、なんで今!!
手足は震えるが、無意識に「行きましょう、先輩」と、今度はエルが先輩の肩に手を乗せた。
手に力は入っていない。先輩が振り向くとエルの重心がずれ、ふらついてしまう。
「わたしは競馬記者のエル=プリメロですから、もうフローラ=ブランドフォードではないんです」
だから、行かなくちゃいけないんです。
声に力は無かった。
「俺に任せておけ」
先輩はどんと胸を張る。
「新人君はついてくるだけでいいぞ、しんどい時は先輩を頼るもんだぞ」
むかつくくらいのどや顔でアピールする。
さらにエルの肩を叩いて、励まそうとした。
が、エルはそれをすり抜けて、逆に思い切り抱き着いて泣いてしまった。
シルクハットにタキシードのエルの父に、デスクが頭を下げて御用伺いをする。
エルは面白くない。
思わず唇を尖らせてしまう。
娘の職場に父親が顔出すとは過保護にもほどがある。
「何しに来たの」
上司よりも雑に父の予定を伺う。
「社長にちょっと急な話があってね。近くまで来たから寄ったんだよ。それにエル、君にも話があるんだ」
エルって言った……!
ペンネームであるエルの名前で語りかける時は、それなりの話がある時だ。
本名で呼ぶと機嫌が悪くなるから、話がしずらい。だから、最初からエルと呼んで話をしやすくしようという父の作戦だ。名の通った父がわざわざこっそり働いている娘の職場までやってくるのだから、これでタダの親バカだったら、二度と家に帰らないと宣言するところだ。
しかし、父の顔は緊張感ある真面目な表情だった。
話があると言われても、これから取材に出かけようと思った矢先、出鼻をくじかれる気持ちだ。
とはいえ、デスクの顔を覗き込むとうんうんとうなずいている。
仕事中でも許可するということだろう。
デスクだって上司とはいえ、単なる民間会社の社員だ。
社会的身分のある父とは本来であれば会話すら難しい。せいぜい新聞記者という肩書で取材で短時間、というのが関の山だ。権威に強く立ち向かう性格でもなく、頭を下げっぱなしの枯れ木以上にはなりえない、彼だってなりたくないだろう。
勝手に話を進めたって、咎められたりしない。
父の登場で、エルは新人記者ではなくなってしまった。
今までの生意気な会話もすべて吹っ飛ぶ。
だから嫌なのだ、と叫ぶのを我慢する。
そんな空気にため息が交じる。
仕方なしに父を応接に案内する。
が、応接も何も衝立一枚で仕切られたソファーとテーブルセット。
父は首を振る。
「廊下でもいいかな」
新聞社なのにここの廊下は静かと評判なのをなぜ知っているのか。
よく考えれば社長と古いお友達なのだから、さもありなんということだろう。
「それで、話ってなに」
エルは廊下に出て扉を閉めるなり、腕を組んで声色低く尋ねた。
「フローラ=ブランドフォードとして、重要な話だ」
父も真面目な声色を使う。
そして、エルの本名を持ち出した。
「それだったら家帰ってから聞くけど?」
「そう言って、帰らないじゃないか。アパート暮らしが板についたってきいているぞ」
ちっと舌打ちする。
「フローラ。心して聞いてほしい」
会話に溜めをつくってきた父の表現に思わず顔をあげて、目を合わせた。
悲しそうだった。
嫌な話だ、と身構えようとしたとき、
「縁談がなくなった」
「……へ?」
予想していなかった答えだった。
「許嫁だったリボー家との婚約だ」
「あ、ああ。わたしの婚約?……破棄? なんで?」
目が点になるとはこのことだ。
いきなりのことに理解が追いつかない。
地方領主のリボー家の長男である優男。
整った顔立ちで美形として名を馳せていたが、性格も含めると世間の評価とは必ずしも一致しないというのがエルの評価だ。
幼いころからの両家の決めた結婚だから、それ以上でもそれ以下でもない。
しかし、呪われた運命と思っていたはずなのに、いきなりの婚約破棄と伝えられて、感情は追いつかない。
「詳しくはこの場では言えないが、オリバー君の推薦で皇太子殿下が異例の……」
「そっか。ダメか……」
理由を求めていながら、父の長い講釈を最後まで聞く気にならず。
ひとまず、受け入れた。
別に愛し合っているというわけでもないから、それほどでもないとエルは口にしようと思ったが、うまく言葉が出てこなかった。
「今の仕事やってていいよって言ってたんだけどなあ……」
気落ちするまいと天を仰ぐ。
が、やがてうつむく。
「そういうわけで、たまにはうちに帰っておいで」
ろくに話を聞いていないエルに優しく帰宅を促す父。
「この話、うちで話した?」
そろそろ嫁に行くという話は邸のメイドやコックまでもが知る周知の事実。
それに、もう一人。
「いやまだだよ」
「当分言わないでいいから」
「ああ、そうするよ」
あっさりと、口止めを約束する。
「特に」
「エリシオ君かな」
むっつりと黙る。
「君の口から伝えたまえ」
はいはいと適当に流す。
あいつにはいつ嫁に行くとも言ってない。
ウェディングドレスの仕立てが進んでいたはずだが、気づいていないだろう。
なのだから、伝えなくてもいい話でもある。
「要件はそれだけ?」
「ああ、そうだ」
エルはまるで動じていないように気丈に振舞った。
「じゃあ早く社長のところへ行ってくれば。場所はわかるでしょ」
「ああ、そうするよ」
ステッキを振って、父は去っていった。
何度も後ろを振り返り、心配そうに見つめる。
そのたびに適当に手を振って追い返すようにした。
その姿が消えたのを確認して、ふーっ、と息を吐いて、冷静になろうと努める。
でも、ダメだ。
どうしても顔を抑えてしまう。
自分自身の異端差が責められているようだ。
名のある貴族の娘なのに、男のなりして、一人で暮らして、労働者の真似事をして、競馬の記事なんて書いて、だからまともな結婚もできない。
誰かがわたしにそんな陰口を言っている……エルの耳に幻の声が聞こえていた。
「あー、もう、うるさい!」
それほど好きな相手でもなかった。
これで好きな仕事にうちこめる。
運命が変わった。
わたしは自由になった。状況的には良いことづくめのはずだった。
そうやって、自分に言い聞かせる。
それでも、遅効性の毒のように感情の波は徐々に押し寄せてくる。
――はあ。これだから、あの世界は嫌だ。わたしを惑わせる。
そういえば、オリバーがどうとかって話。
かつての同窓生の名前が耳に入ったが、スルーしてしまった。
皇室に取り入って、若いのに大抜擢とか聞いたことがあるが、でもなんでオリバーの名前がこの話題に出てくるのだろうか。彼にそんな権力があるわけでもない。
活躍しているのは喜ばしいことだ。
と別の話題に頭を持っていくが、そこで止まってしまう。
またため息をつき、エル=プリメロ記者に戻ろうと必死に頬を両手で叩く。
まだ仕事中だぞ、と。
深呼吸して、事務所の扉を勢いよく開ける。
すると、そこにはデスクと先輩が飛びあがるようにびくついていた。
そわそわして、慌てて書類の整理をはじめたりして、挙動不審をおもむろに表現していた。
聞き耳をたてていたと推測するに十分な状況証拠だった。
「……聞いてましたね?」
感情の無い声になってしまった。
恥ずかしいというより、なぜかふつふつと怒りが湧いてくる。
「え、いや、なんのことかね……お父上は帰られただろうか」
隠しきれない額の汗を拭いているデスクの目は泳いでいた。
「エル、取材いけるか? それとも今日は帰るか?」
先輩がどや顔で声をかけてきた。
ごまかしているのがまるわかりだ。
「やっぱり、聞いてたんじゃないですか。馬主取材ですか? わたし行きますよ。こうなりゃ仕事します」
なぜか今度は怒りが押し寄せて、デスクをきっとにらむ。
「……元気ならいいんだ」
「当たり前です、振られたくらいで落ち込んでたら仕事なんて出来ません」
そう宣言して、リストを見た直後、涙が頬を伝った。
今日の取材対象としてクロムウェル=リボーの名があったからだ。
――よりによって、なんで今!!
手足は震えるが、無意識に「行きましょう、先輩」と、今度はエルが先輩の肩に手を乗せた。
手に力は入っていない。先輩が振り向くとエルの重心がずれ、ふらついてしまう。
「わたしは競馬記者のエル=プリメロですから、もうフローラ=ブランドフォードではないんです」
だから、行かなくちゃいけないんです。
声に力は無かった。
「俺に任せておけ」
先輩はどんと胸を張る。
「新人君はついてくるだけでいいぞ、しんどい時は先輩を頼るもんだぞ」
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