最弱にして最強となる冒険者〜龍神の恩恵を授かりし最弱ランクの闘い〜

uyosiの脳内は茜色

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一章 ステータスプレート

冒険者適性結果

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 早かった卒業式を無事に終え一段落。

 魔術演習フロアーを後に【学びの教室】へと卒業生は足を運ぶ。
 溢れんばかりの涙を手で拭い、足元がおぼつかない卒業生もちらほら。それとは別に卒業出来た解放感に喜びを抱きはちきれんばかりのテンションを高める者も……。
 卒業とは一種の通過点……俺はどちらでもなく、ただ冒険者になる事だけに喜びを抱いていた──長かった5年間。

 やっと
 

 学びの教室──ビルディスタの歴史について学んだり、神から授かったとされる魔力の使用方法(魔法術式)について学習し冒険者としての心得を5年間を通し学んだ教室。

 振り返れば沢山の思い出がこの教室に詰まっている。
 明日からは皆散り散りに自身が目指す目標へと羽ばたくと言うのに、俺は少しばかりか悲しみを抱いてしまっていた、だが、一人……俺を確認するや否、俺の元に駆け寄る幼馴染ことウルリカ・レイネ、赤茶けたショートヘアーの髪を無造作にはためかせ、そこから覗かせるふんわりした顔立ちは見る者全てを魅了してしまうだろーと俺は思ってしまう。
 とは言ってもレイネとは幼馴染故、俺はそのような気持ちは抱かないが、過去には抱いていた。
 無論レイネと仲良くする事は周囲の男連中からは、嫉妬に似た羨む視線が俺には向けられていた。

 俺の気持ち等知らないレイネは……「ネイト卒業おめでと」と俺の目前までやってきた。
 なんと可愛い顔を俺に……と俺の気持ちを揺さぶろうとする、だが、俺は屈しない……幼馴染なのだからそれ以上の気持ちは俺にはない……そもそもレイネは? 
 ふんわりとした記憶が思い出せない……ここで鼻の下を伸ばせば──
 俺は抑え込む。

 危うく黒歴史を刻むところだった。

「──あぁ、レイネも卒業おめでとう……てか。レイネ卒業できたんだな」
「何言ってんの? こんなに凄いレイネが卒業出来な訳ないよーだ!」
「自分で言うなよな。確かに魔法術式はトップだけどさ……」
「ねぇねぇ」
「どうした改まって?」

 意味深な表情を俺に見せるレイネ──この顔をする時のレイネの思考は恐ろしい。
 良い事があった試しがほとんどない……不吉極まりない感覚が俺を追い詰める。
 
「卒業証書確認した?」
 
 なんだ……そんな事か。

「それなら、確認するまでの事でもないけど……どうして?」

 言葉の意味がわからなかったのか表情には──何言ってるの? と見て取れる表情を俺に向けていた。

 だからこそ二度告げた。

「……見なくても知っているし、後でゆっくり見るよ」

 そうなのだよ。
 この卒業証書には冒険者となる為の初期ランクが【ビルディスタ冒険者育成学校】推薦の元記載されている。
 冒険者として適性を測る機械を通し、水準を定めた後5年間の成績を基準に冒険者としてのランクを定める制度。
 残念な事に俺は冒険者としての適性が皆無……その為入学当初《Dランク》判定。
 冒険者にして最低ランクを与えられていた。
 だからこそ冒険者としての素質がない事は事前に知っていた。
 でも、そればかりでない事は確か。
 せっかく入学し5年間を過ごすんだ、冒険者の素質がなくとも成績は教師の判断もと付けられる……とは言っても冒険者としての素質に直結する事はないが。
 分野別において成績判定はつけてくれている。

 俺は冒険者以外になる気は毛頭ない事から、それ以外の成績等見るに値しないのだがな……。

 そんな俺の言葉を真に受けないレイネは、卒業証書見せてよと俺に訴えかける。
 俺はしぶしぶ丸筒の蓋を外し証書を取り出す。
 くるまった証書を広げ…………。

 証書を確認する為か至近距離、俺の真横に頭を配置させた。
 女の子特有の甘い香りが俺の嗅覚を刺激する事になるが、俺は屈する事なく鼻の下を伸ばさない。

 卒業証書の記載……やはりか、と、俺は想像していた通り。

〈ビルディス冒険者育成学校第〇期卒業したことをここに証明致します。5年間の冒険者適性結果──デュリエル・ネイトDランク判定〉

 その文字だけは5年間頑張っても変わることのない。
 ほぼ決まっている…………例外は存在するが、それは俺ではない。

 今なお証書を覗き込む女の子こそ例外だった。
 ──5年間の学習訓練過程にて、特殊解放をした者こそがランク変動を行われる。

戦歌鎮魂歌レクイエム》レイネのみが許された特殊魔法。
 別に羨む事はない……俺自身も特殊解放はしているのだから、とは言っても戦闘向けじゃない事が残念だかな。

 魔眼の一瞬《千差万別》──目に見え無いものが見える、魔法探求に優れた能力。
 残念ながら俺にとっては喜ばしく無い能力……だが、無いよりはましなのかもしれない。

 
「ネイト《Dランク》なんだ……でもでも魔法探求の素質《Aランク》だよ」

《千差万別》があるからこその《Aランク》判定だかな……。

「それは所詮教師の判断。そもそも冒険者以外に興味ないけどな」
「そうなんだ……前も言ってたけど、どうして冒険者しか見ないの? そんなにあの人の意思って大事のかなー?」

 俺の心を突き動かしたあの人……。
 あの言葉があったからこそ……。
 あの時あの場所で決断した。
 
「そうだな! それも一つだが──見てみたいんだよ! まだ見た事の無い世界エレスをな……レイネはどうすんだ?」
「ネイトと同じ!」
「前から言っているけどさ、自分の事なんだからもっと真剣に考えなよ!」
「だってぇぇー」

 なんだその顔……なになに、物欲しそうな顔やめて……。
 
「見せてみ」
「何を?」
「何をって、一つしかないだろ!」

 何故、胸元を少し広げる?
 見える……なぬっ、ピピピンク。
 ふわりと膨らむ胸元から覗かせるピンクの……って俺は何を見ているんだ! 違う!

「何してんだよ!」
「えっ? ネイト見たいって?」
「普通に違うだろ……卒業証書の事言ってんだわ!」
「あぁーそっちか」
「どう考えたらそうなる、それに簡単に見せようとするなよ!」
「言っとくけどネイトにしか見せた事ないから!」
(待ってください、一度も見た事はありません)

 そもそも言葉の意味がわからない……幼馴染だからって事なのか?
 誰得? 俺得! 幼馴染……?
 いかん、いかん! レイネのペースに飲み込まれる所だった。
 
 俺は意識を変え、レイネの卒業証書に目を走らせた。

〈冒険者適性結果ウルリカ・レイネ《Aランク》判定〉
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