最弱にして最強となる冒険者〜龍神の恩恵を授かりし最弱ランクの闘い〜

uyosiの脳内は茜色

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二章 授かりし恩恵

依頼

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 時間にして四時間も経過していた。

 やっとの思いで見えてくる【インドゥ村】門。

 門と言うよりは、森に生える図太い木を切断し、それを綺麗に削いだ物を柱とし形を形成している。多少なり違和感のある建築の仕方ではあるが、村特有の味が出ている事に俺は感動した。

 そもそも【ビルディスタ】の外に出た事がないことから、全てが新しく初めて見る物に感動していたのだ。
 ──っとその前に。
 此処まで来る道中、よりに寄って魔獣の群れに遭遇してしまい時間を取られてしまった。
 対して強い魔獣ではなかったおかげでフライヤの広範囲魔法が全てを投げ払ったのは良かったが、その後が大変だった。
 氷魔法を使った事に地面は氷付き、足元は滑り、思うようにコントロール出来なくなったからだ。
 本人のフライヤは問題なく足を滑らせ、凍った地面をすべるように進んだが、俺とレイネに関しては立つ事も難しく、尻餅を付いたり、両手足が地面から離せずにいた。
 その光景を見て笑うフライヤには少し嫌な気持ちを抱く事もあったが、何とか時間を掛ければフライヤと同じまでとはい言わないが、それなりに進む事は出来る様になった。

 だが体力の消費はかなり激しく、氷の地面を抜けた先で小休止を実行。

 一時間のロスをしたが体力温存は欠かせない。

 そうして山を降ると見えて来た【インドゥ村】の看板。

 足腰は鍛えていたがやはり長い旅路を歩いて行くのは、肉体的にも精神的にもきつかった。

 本来ならドゥグールの一頭もってのがセオリー。
 でも調教師の才能を持つ者がパーティーにいない事から、ドゥグールを操れない。

 四足歩行の分厚い皮膚を纏い、大地を駆け巡る事が出来る立派な移動手段として持ちいられる生き物(魔獣)です。
 
 調教師の才を目覚めさせるのが先だな。 
 徒歩移動は流石に難しい。
 だからこそ俺は決めた。次なる冒険までに調教師の才を目覚めさせドウグゥールを仕入れる事に。

 パーティーに一人調教師がいれば三頭まで操れる。
 丁度俺達のパーティーは三人、即決的考えに至るのも当たり前なのだよ。

 ってのは後に。

「ついたな! あれがインドゥ村だろ」念の為地図を確認、目的の場所を示している事から【インドゥ村】である事は疑い様がない。

 村の雰囲気を見るや、感じた気持ちをそのまま言葉にするレイネ。
「ビルディスタと全然違うんだね?」
 
 そもそも【ビルディスタ】は村ではなく都市、沢山ある村の人達が集まり繁栄と発展を繰り広げ作り上げられたとされる大都市。元は村であったと【ビルディスタ冒険者育成学校】で学んだが、あまり覚えていない。
 なので近い内、知ってそうなフライヤに尋ねる事に決めた。
 
「そうだな、全然違うな。それにしても静かだな。あれ? ……門番いないんだが? このまま入っていいのかな?」
「ネイトさん。村には門番はいないんですよ」
「あ、そうなんですね」

 フライヤの言葉に従い、素通りする形で入口を通過した。
 ぽつん、ぽつんと至る所に家が建造されており、子供達が賑やかにも走り遊ぶ姿が見えた。
 大きな声ではしゃぐ子供達は俺達の存在に気付いたのか、遊ぶ動きを一度止め、興味深そうに首を傾げる。
 すると、その子供達の遠目から俺達を見る大人の存在が確認できた。大人は静かに子供達の合間を抜け、俺の前へ。

「ビルディスタの冒険者の方でしょうか?」
 俺は首を縦に振る。
「はいそうです。村長さんはいらっしゃいますか?」
 俺達が来た事にほっとしたのか、警戒した表情は見る見る内に解けた。
「はい、こちらです。ついて来てください」
 言われるがまま、男性の背中の跡を付けた。

 見渡す限りビルディスタとは大きく異なる。
 賑やかと言うよりも衣装も活気もそれとは全く違った、まるで別世界にでも来たのかと錯覚してしまう程、貧富に差が生じている。
 建築建物を見ても、とても立派とは思えない。
 純粋に雨風が凌げる外壁に生活が送れる程度。付近には作物を育てる為の園芸場所、そこには立派にも野菜は育ち質は良さそうだ。

 一人の老人は腰を押さえながらもしっかりと耕す姿は、見ていて痛々しいが、俺が手を加える事は意味わからない展開になってしまう。
 そんな老人と目線が重なった時会釈をし、老人もそれを返した。
 すると案内をしてくれている男性が口を開く。

「どうですか? インドゥ村は?」
(どうですか?)とはこの村の事を問いているのだろーか。一言に言えば……生活水準が違う事から俺は答える事が出来ないでいる。
「……そうですね、華やかですね……」何言ってんだ俺、華やかって……。案の定と言うべきかレイネが口を挟む。それも俺の気遣いをそっちのけで。
「華やかって……ネイト何言ってるの? 何もないじゃん、此処」
「そんな事ないよ、ほら見てごらん、美味しそうな野菜がいっぱい、それに元気な子供がいっぱいだよ」

 何故俺はインドゥ村のフォローをしているのだ。
 そうか、レイネが突拍子のない発言したからか。
 それに案内してくれている男性の表情は少し寂しそうだった。恐らくレイネの感想がダメージを与えたのだろう。

「子供ならビルディスタにも沢山いるよ。何言ってるのネイト」
(少し黙れ)俺の心の声が言葉で漏れる所だった。
 ほら見ろよ、男性の顔が…………と思ったが、何故か笑顔にレイネに視線を向け話始める。
「嬢ちゃんインドゥ村はそう見えるかな? でも仕方ない事だね。ビルディスタとは大きく異なるし、見慣れない事ばかりだよね。でもねこの村で育った若者達はインドゥ村の野菜を沢山摂取してる事に、元気いっぱいなんだよ。ほら食べてごらん」
 そう言い、近くにある畑から、野菜を手に取りレイネに渡す。
 レイネは首を傾げ(この人何やってるの?)と言わんばかりの顔を浮かべ、俺に助けを求める……が、フライヤがレイネに説明し始める。

「それはそのまま食べれるのよレイネさん」
「ほわっ、このまま? 大丈夫なの、食べて?」

 どここら出したんだその声。
 確かにそのまま食べる習慣は俺にもない。流石にフライヤのお墨付きとは言え、口の中に入れるのは抵抗がッッッて、
 レイネはフライヤの宣言を鵜呑みに、がふりつく、シャリっと音をたて緑の棒状の野菜はレイネの口の中に進む。
「ふぉれ、おいしー」
 食べてから喋ろうね。
 満悦な表示を浮かべたレイネに喜ぶ所があったのか男性はウキウキ気分に話始める。
「それは緑瓜えんりと言って子供達に人気な野菜なんですよ」
縁瓜えんり? うん。おいしいよ、緑の棒」
 むしゃむしゃとがふりつき(しゃきしゃき)っと音を立て食べ続けるレイネ。
 それよりもこの野菜、母さんも料理で使っていたような、姿形は違うが。
 スライスしていたのだが、まっ、それは良いか。

 気に入ったのか、レイネは縁瓜えんりを片手に持ち、まるで子供のように口に運びウキウキ気分で歩き続けていた。
 俺はその姿を見る事に妙に(ほわほわ)する謎な気持ちになっていた。恐らくレイネの喜ぶ顔が俺にとって幸せなのかもしれない。
 ──可愛い奴だ。
 っと、そうこうしている内に目的となる場所? に辿り着くのだが、妙に沢山の人がいる。

 集会でもしているのか?

 まさにその通り、今回の依頼に直結する相談を村の大人集で話し合っているいたのだ。
 中心に皆をまとめているリーダーとも思える者が俺達を見るや、こちらに向け歩け始め、群がっていた人々は道を開ける。

 黒く中途半端な単発ヘアーにどこか胡散臭いオーラを感じてしまう。

 俺が抱いた第一印象。

 動きも振る舞いもまるで着飾っているような、本性を隠しているのではないかと、思ってしまう。まるで信用が出来ない。
 だが、この人から聞かされる言葉に俺は疑ってしまった。
「どちら様でしょうか?」
「デュリエル・ネイトと言います。依頼を受諾し【インドゥ村】に村長さん求めてやってまいりました。こちらが依頼受諾の証拠です」
 と、俺はステータスプレートに記載された依頼内容を見せた。
「これは失礼しました冒険者の方ですか、思ったより早く来て頂き感謝いたします。おっと、失礼、自己紹介が遅れました。私はインドゥ村、村長代理をやらせてもらっております、インジュリラ・クラネスと申します。早速ですが、宜しいでしょうか?」
 
 ……村長代理? だからなのか、だから振舞いにぎこちなさが。
 俺はそう考えた。
 代理って事は村長は体調が優れないのだろう、恐らく息子が代理を任せられているのだろう。
 普通に考えればこうなる。

「はい。今回の依頼内容お聞かせ下さい」
「ですが…………」っと声のトーンが落ちた。それは俺のステータスプレートのランクを見たからだろ《Dランク》と書かれた隠しようがない文字。
 別に恥らう事はない、が、案の定……。

「《Dランク》の方ですか、他の二名方も《Dランク》でしょうか?」
「いえ、僕以外は《Aランク》です」

 そりゃぁーそうだよな《Dランク》パーティーに《Aランク》村長代理の反応は別に不思議な事ではない。
 でも大袈裟ってのも俺は傷付くよ。
 そんなに口を開けて俺、レイネ、フライヤを何度も見直すと。
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