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10件目 いつまで“弟くん”でいるつもり?
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「なー、コウ。あんた、いつまで私のこと避けんの?」
その声に、俺は驚いて振り向いた。
放課後の体育倉庫、片付けを手伝っていたはずが、最後に残ったのは俺と――
「……ミカ先輩」
黒江ミカ。高3、俺より一つ上。背が高くて、肌は小麦色。明るい金茶のロングヘアにピアス、ネイルまで完璧な黒ギャル。
その外見と自由な言動から学校ではちょっと浮いてるけど、俺にとっては“昔から一緒にいた、ちょっと怖くてやさしい幼馴染”。
「ねえ、コウってば。最近さ、私の顔ちゃんと見て話さなくなったでしょ」
「……別に、そんなつもりじゃ」
「うそー。だってさ、前はもっと私に懐いてたじゃん。“ミカねえ”って呼んで、毎日後ろくっついてきてさ」
「それは、昔の話です」
「ふーん。じゃあ、今のコウは……私のこと、どう見てんの?」
ミカ先輩は一歩ずつ近づいてくる。そのヒールの音が、静かな倉庫の中に響いた。
自然と、喉が乾いていく。
「正直に言ってみ? コウの目、ずっと私を見てる目してたからさ」
「……俺、先輩のことが、好きです」
たまらず吐き出したその言葉に、彼女は一瞬きょとんとした顔をして、それからふっと笑った。
「はー。やっっっっと言った」
「……知ってたんですか」
「バカ、女は気づくに決まってんじゃん。あんたが“ミカねえ”って呼ばなくなったときから、なんかあるなーって思ってたし」
彼女は俺の前で立ち止まり、ゆるく首をかしげた。
「で、なに。好きなら、ちゃんと告白くらいしてくんないと困るんだけど?」
「……今、しました」
「いやいや、もっとちゃんと。こっちが“彼氏にしたいな”って思えるくらいさ」
少し意地悪そうな笑み。だけどその目は、どこか優しかった。
「ミカ先輩。俺、本気であなたのことが好きです。ずっと“お姉ちゃん”だと思ってたけど、いつの間にか、女の人として見てました。――俺と、付き合ってください」
言い終えた瞬間、ミカ先輩が目を細めた。
「……合格。よく言えました」
そのまま、彼女の長い腕が俺の肩を引き寄せて、顔が近づく。
「ごほうびね」
そう言って、彼女の唇が、俺の唇にそっと重なった。
「ちゅっ、……ふひっ、んっちゅっちゅくっちゅっ……」
優しくて、でもちゃんと“女の子”の味がした。
長年の片想いが報われる瞬間、世界が一瞬止まったような気がした。
「やっば、コウの顔、真っ赤」
「……そりゃ、そうなりますって……」
「ふふ。かわい。ね、これからは“ミカ先輩”じゃなくて、“彼女”って呼んでくれていいよ?」
「調子乗りすぎです、それ」
「でも、嫌じゃないでしょ?」
彼女はそう言って、俺の手をそっと握った。
あの日追いかけてた背中は、いつの間にか俺の隣にいた。
幼馴染の“お姉ちゃん”は、今日から俺の“彼女”になった。
この恋は、始まったばかりだ。
「んっちゅっ、れろっあむっちゅっ、れろれろっちゅっ……、しゅきっ、んむっ、チュピっ……ちゅっちゅこっ、ちゅここっ、はぁっ……んむっちゅっ、ふ……っちゅ……っ……」
その声に、俺は驚いて振り向いた。
放課後の体育倉庫、片付けを手伝っていたはずが、最後に残ったのは俺と――
「……ミカ先輩」
黒江ミカ。高3、俺より一つ上。背が高くて、肌は小麦色。明るい金茶のロングヘアにピアス、ネイルまで完璧な黒ギャル。
その外見と自由な言動から学校ではちょっと浮いてるけど、俺にとっては“昔から一緒にいた、ちょっと怖くてやさしい幼馴染”。
「ねえ、コウってば。最近さ、私の顔ちゃんと見て話さなくなったでしょ」
「……別に、そんなつもりじゃ」
「うそー。だってさ、前はもっと私に懐いてたじゃん。“ミカねえ”って呼んで、毎日後ろくっついてきてさ」
「それは、昔の話です」
「ふーん。じゃあ、今のコウは……私のこと、どう見てんの?」
ミカ先輩は一歩ずつ近づいてくる。そのヒールの音が、静かな倉庫の中に響いた。
自然と、喉が乾いていく。
「正直に言ってみ? コウの目、ずっと私を見てる目してたからさ」
「……俺、先輩のことが、好きです」
たまらず吐き出したその言葉に、彼女は一瞬きょとんとした顔をして、それからふっと笑った。
「はー。やっっっっと言った」
「……知ってたんですか」
「バカ、女は気づくに決まってんじゃん。あんたが“ミカねえ”って呼ばなくなったときから、なんかあるなーって思ってたし」
彼女は俺の前で立ち止まり、ゆるく首をかしげた。
「で、なに。好きなら、ちゃんと告白くらいしてくんないと困るんだけど?」
「……今、しました」
「いやいや、もっとちゃんと。こっちが“彼氏にしたいな”って思えるくらいさ」
少し意地悪そうな笑み。だけどその目は、どこか優しかった。
「ミカ先輩。俺、本気であなたのことが好きです。ずっと“お姉ちゃん”だと思ってたけど、いつの間にか、女の人として見てました。――俺と、付き合ってください」
言い終えた瞬間、ミカ先輩が目を細めた。
「……合格。よく言えました」
そのまま、彼女の長い腕が俺の肩を引き寄せて、顔が近づく。
「ごほうびね」
そう言って、彼女の唇が、俺の唇にそっと重なった。
「ちゅっ、……ふひっ、んっちゅっちゅくっちゅっ……」
優しくて、でもちゃんと“女の子”の味がした。
長年の片想いが報われる瞬間、世界が一瞬止まったような気がした。
「やっば、コウの顔、真っ赤」
「……そりゃ、そうなりますって……」
「ふふ。かわい。ね、これからは“ミカ先輩”じゃなくて、“彼女”って呼んでくれていいよ?」
「調子乗りすぎです、それ」
「でも、嫌じゃないでしょ?」
彼女はそう言って、俺の手をそっと握った。
あの日追いかけてた背中は、いつの間にか俺の隣にいた。
幼馴染の“お姉ちゃん”は、今日から俺の“彼女”になった。
この恋は、始まったばかりだ。
「んっちゅっ、れろっあむっちゅっ、れろれろっちゅっ……、しゅきっ、んむっ、チュピっ……ちゅっちゅこっ、ちゅここっ、はぁっ……んむっちゅっ、ふ……っちゅ……っ……」
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