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第四話 箱入り系動画配信者 3

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 とにかく腹がへっているということだったので、電子レンジに失敬して取り出した弁当を中に入れて、実瑠は一分半程温める。

 そうしているところへ、ゲストさんの叫びが聞こえてきて、実瑠は跳び上がるように焦っては、余程疲れていると思った。

「もうイヤ! あんな家帰りたくない!」

 奈津美さんが帰ってきたので、「レンジ借りてます」と実瑠は念の為に断ると、丁度加熱が終了したので弁当をテーブルに置いた。

 先ほど支給して頂けたペットボトルのカフェオレを、ちょっとずつ減らしていたが、ゲストJKはフーフーして食べ始めた。

 その顔を見ていた実瑠はフニフニしながら眺めて、奈津美さんはテレビの電源をいれては、出る直前にためた洗い物を済ませる。

 やはり家主だからかと思うかも知れないが、そうではなく萌香は食器洗いも出来なくて、奈津美さんの手間を増やした事がある。

 実瑠はコンビニで買ったものばかりで、慣れていなかった上に二人共食器を割って、危ないと奈津美さんが判断して以来になる。

 俺も他人の家で勝手を得ていいものか毎回悩むくせがあって、やりだそうと思っても、その時にはほとんど済んでいることが多い。

 あまり奈津美さんに負担を掛けたくない俺達は、『敢えて家主に任せる』を選択して、無難に済ませる努力をしているに過ぎない。

「明日はちゃんと用意するから……。」

 全部済ませた奈津美さんも緑茶を淹れて、それを人数分置くと実瑠と一緒に、家出人のお顔をフニフニと観ながら済ます。

 始終裏実瑠のまま本体の分もゲストJKに、萌香も奈津美さんもそっと絡まるように、四人で密着し合っては甘々な空間が展開する。

「ずっと一緒にいようね……。」

 うんと云った客人の長い黒髪の艶を確認して、実瑠はギュッと強めに密着すると、一体になったところで奈津美さんは湯張りした。

 冷める緑茶を意識する一同はその温度に比例しても、萌香の芳香さえも気にしながら、一度落ち着いて静かな夜にテレビが騒ぐ。
 
 俺は自宅の湯に漬かりながら、どうせアイツも『もう一人の俺だろう』と、そんな事を考えながらじっくりと代謝を上げている。

 今頃は俺抜きでニコニコやってるだろうかと、未だ成果がほとんど無い現状に少し沈んでは、肩まで沈んで深く息をついた。

 
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