もう一人のオレがみんな美少女で家に住みついてますが何か

第五話 日焼け美女のO.T.A. 5

　日が暮れかかって夕日が顔を出すと、時間が気になった俺はどうしようかと迷っていると、チュッと離して外を確認して云う。

「今日は泊まってってよ……。」

　日が暮れれば奈津美さんが夕飯を用意して、萌香も実瑠も優花も放置は出来ないし、だからといって真胡都も放置出来ない。

「ウチのお隣さんが夕飯を用意して繰れる。イケたら来るか。」

　真胡都の顔が更に花開いて背景がピンクに、モフモフしてはキラキラと何かを期待して、俺に真剣な顔を圧しつけて来る。

　極秘のLINEアカウントを使うわけにはいかないので、ダイレクトに通話で奈津美さんに予告した上で、真胡都を連れて帰るか。

　奈津美さんに『もう一人の俺』が見つかった事と、放置出来ないから連れて帰る事等を、手短に話してみると以下の返事が返る。

「そっかぁ、しゅーくん優しいもんね……。」

　これから負担が増える事を思うと、ゴマを擦るだけ擦っては謝罪の言葉をひたすらに、感謝も混ぜて奈津美さんの対応力を観る。

　了解したと見えて奈津美さんは夕飯を用意して待つと、奈津美さんが謂うと通話が終わったので、予告通りになったと俺は謂った。

　すると真胡都はイケメン美人の顔を台無しに、トロケ尽くしながら俺を視ると、目許がテラテラと甘い目線を俺に刺す。

　口許でフニフニと遊ぶかと思うと、やはり舌は当然にして全身で絡まるそれは、まさに全霊を賭けていると謂って差し支え無い。

　甘くネットリと絡まる真胡都のテクは、声も舌使いも表情も能くスタイルもレアリティが高いだけに、萌香とはまた根本的に違う。

　キレもあれば甘みもあって深味も観えては、やーらかいモノもハリがあって、それをも圧しつけては全力で甘えてくる。

　萌香は悪いわけではなく、むしろピンクホワイトな純正の天使力を全力で発揮して、ベリーピンクな甘みをフニフニと圧しつける。

　イチゴ牛乳対無糖ラテの様な違いが有るだけで、どちらも全く違うアプローチで絡まるだけに、若し択べと謂われても無理だ。

　そして、報告してから三十分程経って、俺と真胡都は峰輿宅に向かって外に出ると小寒くも、真胡都が腰について誤解されないか。

　そのまま少しどこかへ寄って土産を買おうと、真胡都はオシャレな洋菓子店で、一般的には値段が高い手頃なチョコセットを買う。

　一体どこからそんな予算が出てくるのか、それはきっと後で分かるだろうから、今はナリに任せて峰輿宅を目指すことにした。

　距離的にはそれ程でもないので、およそ何時も通りの六時半頃にインターホンを鳴らして、萌香が出迎えると少しむくれたか。

　いや、真胡都がいてもお構いなしに、コレも何時も通りに絡まるが、少し必死かいつも以上にねじ込む様にしている。

　真胡都は呆然としていたはずが、タイミングよく俺の顔を引いては萌香に負けないくらいに、チョコセットを持ったまま迫る。