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第六話 押しかけメイドは離さない 4

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 あまりにも快適過ぎて飛び起きた時間は、午後の一時を廻ったあたりだったが、紫英流は夕食の仕込みに取り掛かっていた。

 いつも以上に気合が入っているせいか、調理器具などの音がうるさかったので、俺は近くの公園で時間を潰すことにした。

 本当なら作業に取り掛かる予定だったが、またしても日照り焼きJDの真胡都が参られて、明るくも快適な感覚が予定を変えた。

「えっ、食戟やるんですか?!」
 
 やはり食戟と謂えば、料理漫画などのバトル要素として鉄板ネタとしてジャンルも確立されるが、その『食戟』に反応する真胡都。

 以前に奈津美さんの料理を食べて以来、それがまた期待感を高めるも、長身メガネっ子メイドが繰り出す料理も新要素として新鮮。

 奈津美さんの料理は鉄板中の鉄板にして、誰もが一口目で質の高さを理解しながら、大事に食べたくなるモノしかあるまい。

 好き嫌いの多そうな実瑠・優花・萌香さえも、一切遺すこと無く完食仕切るほどだが、様々な疲労から質が若干落ちていた。

 それでも違和感がないほどに充実した料理は、食卓に着く誰もが奈津美さんの料理を、高く評価しては栄養もバランス良く摂れた。

 昨晩の事件を俺なりに真胡都へ話したが、余計に期待感がバク上がりして目許をキラキラとさせて、真胡都はある事を繰り出した。

『その食戟、観てみたいですっ!』

 今更断るまでも無く参加を認められるはずだが、ナリにでも事前に参加声明を挙げるは、流石は大人女子と謂って差し支え無い。

 ただ、先にチラリと見た限りでは、高級そうな食材が用意されて下ごしらえをこれからと、高そうな料理が出来そうだった。

 どこから経費を出したのか全く分からんが、まさか漫画のようにグループ企業代表などの、資産家にでも仕えていたのか。

 それも気になるが、今は奈津美さんと紫英流の食戟バトルがテーマで、特に紫英流の料理がどんな物かが最大のポイントだろう。

 奈津美さんの家庭的な料理は何時だって食べたいが、正直に挙げるなら紫英流の料理、もし高級料理なら食べてみたくもある。

 しかし、それをこれからも毎日となると、予算的に継続が困難になるだろうし、そもそも俺はなんちゃってクリエイターだ。

 予算なんて用意出来ないどころか、実家からの仕送りもフードロスやSDG's的に、無駄になるなら俺にとっても大いに困る。

 家にある食材を使うならまだしも、高級食材への経費で俺自体が溶けるようなモノで、滅多なことではどうにもならない。

 それにヤロウの部屋に置けないから、奈津美さんに無理を謂って流浪の天使達を受け容れては、毎日疲労させて仕舞っている。

 グタグタと議論に集中していると、真胡都はスマホアプリで料理漫画を読みながら、例のボトル缶飲料カフェ・ラテをやっていた。



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