もう一人のオレがみんな美少女で家に住みついてますが何か

第九話 実瑠と優花のダンプラ祭り?! 2

　動画のタイトルは『ダンプラ製作が地味にヤバ過ぎた！』と、やはりダンプラを創り込む過程が、裏実瑠ごと映っていたが驚いた。

　何時もの実瑠では無い様な格好で、金髪ツインテールに地球レンホウ・『ロンド=ベロン』の制服と、かなりの気合が見える。

　制作用のツール関係も充実をか極めていて、ニッパーやマスキングテープに、ペンやスプレーなどの限りを尽くしていた。

　肩パーツから始めてマスキングテープとスプレーで、イメージに合わせてカラーリング、竹串にかけて乾燥を繰り返す。

　やはりイチドデハ終わらなかったと見えて、工程別に別けられていたが、カラーリングを昼間に済ませて夕方は動画編集か。

　それからギミックカスタマイズや、稼働域の拡張などを駆使していたから、地味ながらも細かい部分まで拘り抜いて圧巻だった。

　優花の方も同様細部に至るまで悉く改造を尽くすが、こちらはピンクロングにウェーブ、全体的には白くヒラヒラしていた。

　ダンプラ製作時は特別にCosplay仕様で、裏実瑠はもう少し普通な感じだったが、優花はコスプレとは関係無しにヒラヒラだった。

（萌えれるが、……なんかスゲェな、イイ意味で……。)

　それにどちらも表がチラチラ漏れ出ているが、優花の方は新し過ぎて新鮮だが、何か判然としない『謎要素』が観えた様だった。

　実瑠も優花も俺がスマホで確認している動画に、少し臆したかも分からないが、二人のスイッチングも洗練されているのか。

　実瑠は繊細過ぎるかもしれないが、優花は実家がゴージャスなのか不明でも、家庭環境や社会環境で潰れかけた経験がある。

　俺も似たようなモノだとしても、高圧的な者や状況に条件などの脅威は恐らく俺の比では無いだろうし、何らかの影響もある。

　様々な脅威からファンタスティックに彷徨えば、奈津美さんの様な妖しくも穏健な女神に、俺達は確固たる恩恵を受けている。

　しかし、現在に至るまでの重いプロセスが、精神を引き摺り廻されながらも、ギリギリの状態で、俺や奈津美さんを頼って来た。

　その尋常とはなれない『人間の脆さ』が、一部の者を逸脱させるとしても、関係する者の眼力や立ち回り次第でもあっただろうか。