【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

りまり

文字の大きさ
18 / 67

18 アレク&ザンザ

しおりを挟む
 俺の名前はアレク。

 学園を卒業し、一度は職に就いたが親方と反りが合わなく喧嘩して辞めた。

 そんな時ザンザに呼ばれ紹介されたのがアリス嬢だった。

 話を聞き発想が面白く一緒に働くことになった。

 アリス嬢は俺たちにも敬語で話すので、辞めてもらおうと何とか説き伏せたが、それでも長年の癖は中々直るものではなく、最近ようやく敬語が出なくなってきたところだ。

 そんなアリス嬢はそれはそれはかわいい子なんだ!!!!

 初めてあった時は吹き出物や目の下の隈がひどく残念は程だったが、最近はよく寝れるのか目の下の隈もなくなり吹き出物もなくなったようで、それだけでかわいく見えるのだ。

 アリス嬢の発案するものはこの世界にはないもので、何に使うかも明確にわかっているので、手探りながらもザンザと力を合わせて頑張って出来上がった時のアリス嬢の顔は今でも忘れられない。

 俺たちは伯爵家の敷地に別宅を作っていただき、そこで基本仕事をしている。

 地下に仕事部屋を設置し、どこから入るかわからないようにからくりにしてあるのだ。

 これもアリス嬢の発案だ。

 アリス嬢の妹のリーフ嬢に見つかるのが嫌だからと、認識阻害の魔石で別宅を隠すなど、なぜか妹を警戒しているのだ。

 それほど警戒する妹のリーフ嬢はどんな子かと、遠くから見たが……確かにあれは危険人物だ!!!!

 あれではアリス嬢がおびえてしまうのもわかる。

 それにしてもどれだけのことがあの小さな頭の中に、詰まっているのか不思議で仕方ない。

 彼女の発想についていけるように、作れるように俺は日夜努力している。

 ここまで高みを目指し勉強するのは学生の時以来だ。

 それぐらい彼女の提案する魔道具は精密なのだ。

 



 アレクを巻き込んだまではいいが……

 アリスの為の魔道具を作るのに、俺たちだけではいい加減できなくなってきていたのだ。

 また誰か信頼できる人間を探さねばと思っている。

 さて誰を巻き込もうか……

 俺の大切な雇い主を守るための道具を作るんだ。

 それなりに信頼できる人物でなければならない。

 アレク以外に優秀だが、少し難がある人物でアリス嬢のことを絶対気に入る人物。

 俺は、一つ上の先輩の中に心当たりがあった。

 彼の名はジョンと言った筈だ。

 俺はジョンに会い一緒に働かないかと誘った。

 ジョンは貴族だが、三男なので自分で働き口を探さなければならないし家を出て行かなければならないので、どうかと思ったが、丁度前の仕事を辞めたばかりなのでと言われた。

 話だけは聞いてくれ、アリス嬢にも会ってくれると言ってくれた。

 こうして新たに仲間が増えたのだ。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】王妃を廃した、その後は……

かずきりり
恋愛
私にはもう何もない。何もかもなくなってしまった。 地位や名誉……権力でさえ。 否、最初からそんなものを欲していたわけではないのに……。 望んだものは、ただ一つ。 ――あの人からの愛。 ただ、それだけだったというのに……。 「ラウラ! お前を廃妃とする!」 国王陛下であるホセに、いきなり告げられた言葉。 隣には妹のパウラ。 お腹には子どもが居ると言う。 何一つ持たず王城から追い出された私は…… 静かな海へと身を沈める。 唯一愛したパウラを王妃の座に座らせたホセは…… そしてパウラは…… 最期に笑うのは……? それとも……救いは誰の手にもないのか *************************** こちらの作品はカクヨムにも掲載しています。

【完結】その約束は果たされる事はなく

かずきりり
恋愛
貴方を愛していました。 森の中で倒れていた青年を献身的に看病をした。 私は貴方を愛してしまいました。 貴方は迎えに来ると言っていたのに…叶わないだろうと思いながらも期待してしまって… 貴方を諦めることは出来そうもありません。 …さようなら… ------- ※ハッピーエンドではありません ※3話完結となります ※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています

幼馴染が熱を出した? どうせいつもの仮病でしょう?【完結】

小平ニコ
恋愛
「パメラが熱を出したから、今日は約束の場所に行けなくなった。今度埋め合わせするから許してくれ」 ジョセフはそう言って、婚約者である私とのデートをキャンセルした。……いったいこれで、何度目のドタキャンだろう。彼はいつも、体の弱い幼馴染――パメラを優先し、私をないがしろにする。『埋め合わせするから』というのも、口だけだ。 きっと私のことを、適当に謝っておけば何でも許してくれる、甘い女だと思っているのだろう。 いい加減うんざりした私は、ジョセフとの婚約関係を終わらせることにした。パメラは嬉しそうに笑っていたが、ジョセフは大いにショックを受けている。……それはそうでしょうね。私のお父様からの援助がなければ、ジョセフの家は、貴族らしい、ぜいたくな暮らしを続けることはできないのだから。

王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。 ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。

【完結】『妹の結婚の邪魔になる』と家族に殺されかけた妖精の愛し子の令嬢は、森の奥で引きこもり魔術師と出会いました。

夏芽みかん
恋愛
メリルはアジュール王国侯爵家の長女。幼いころから妖精の声が聞こえるということで、家族から気味悪がられ、屋敷から出ずにひっそりと暮らしていた。しかし、花の妖精の異名を持つ美しい妹アネッサが王太子と婚約したことで、両親はメリルを一族の恥と思い、人知れず殺そうとした。 妖精たちの助けで屋敷を出たメリルは、時間の止まったような不思議な森の奥の一軒家で暮らす魔術師のアルヴィンと出会い、一緒に暮らすことになった。

【完結】姉は全てを持っていくから、私は生贄を選びます

かずきりり
恋愛
もう、うんざりだ。 そこに私の意思なんてなくて。 発狂して叫ぶ姉に見向きもしないで、私は家を出る。 貴女に悪意がないのは十分理解しているが、受け取る私は不愉快で仕方なかった。 善意で施していると思っているから、いくら止めて欲しいと言っても聞き入れてもらえない。 聞き入れてもらえないなら、私の存在なんて無いも同然のようにしか思えなかった。 ————貴方たちに私の声は聞こえていますか? ------------------------------  ※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています

婚約者の態度が悪いので婚約破棄を申し出たら、えらいことになりました

神村 月子
恋愛
 貴族令嬢アリスの婚約者は、毒舌家のラウル。  彼と会うたびに、冷たい言葉を投げつけられるし、自分よりも妹のソフィといるほうが楽しそうな様子を見て、アリスはとうとう心が折れてしまう。  「それならば、自分と妹が婚約者を変わればいいのよ」と思い付いたところから、えらいことになってしまうお話です。  登場人物たちの不可解な言動の裏に何があるのか、謎解き感覚でお付き合いください。   ※当作品は、「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています

【完結】義姉の言いなりとなる貴方など要りません

かずきりり
恋愛
今日も約束を反故される。 ……約束の時間を過ぎてから。 侍女の怒りに私の怒りが収まる日々を過ごしている。 貴族の結婚なんて、所詮は政略で。 家同士を繋げる、ただの契約結婚に過ぎない。 なのに…… 何もかも義姉優先。 挙句、式や私の部屋も義姉の言いなりで、義姉の望むまま。 挙句の果て、侯爵家なのだから。 そっちは子爵家なのだからと見下される始末。 そんな相手に信用や信頼が生まれるわけもなく、ただ先行きに不安しかないのだけれど……。 更に、バージンロードを義姉に歩かせろだ!? 流石にそこはお断りしますけど!? もう、付き合いきれない。 けれど、婚約白紙を今更出来ない…… なら、新たに契約を結びましょうか。 義理や人情がないのであれば、こちらは情けをかけません。 ----------------------- ※こちらの作品はカクヨムでも掲載しております。

処理中です...