トラウマ持ち青年の変な日常

保冷剤コーヒー

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被害者君との出会いは木の下で

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 先日、俺は清水 樹とテストでの賭けをした。

 勝てばバッチをゲット、負ければバスケ部に入部。そんなのは絶対に嫌だ!部活したくないし?人がいるし?

面倒くさいし?自由時間は少なくなるし?色々あるから絶対に嫌だ。

 だけど、なんではこんな挑戦を吹っ掛けたんだろう。清水は前回の中間テスト平均82点取ったとか言って

たな。この学校は点数とスピードで順位が決まる。俺は平均22分で全て解き終わり、全科目100点。

 誰だって負けが決まっている勝負はしない。ポーカーで言えば、相手の手札がフルハウスと分かっている。

自分はAのワンペアしかないのにチップを10枚賭けるようなもんだ。

 それを分かった上でやるとなると、秘策があるってことだ。それは、イカサマかもしれないな。


 今日も平和に終わった。蓬来は買い出しがあると言って帰りのHRが終わると直ぐに居なくなった。

 外に出ると運動部の声がよく聞こえてくる。生き生きとした声と夏の夕日、これが青春なのかなぁと感じて

いると物騒な声が聞こえてきた。殺すぞ! やってみろじゃくそが! 一年が調子に乗りやがって!

 あーあー何も聞こえないぃーー聞きたくないー

 だが、こういうのが起こってると人は気になる生き物だ。声がする方に顔を向ける。

「オラッ!クソが!調子に乗りやがって!」

 先輩だろうか。決して頭が良いとは思えない。腕の筋肉も発達しているからスポーツ推薦だろう。

 偏見だけどこう言うのってバスケ部でありそうだよね。

「わ、わかり……ました………金はだします………」

 金銭問題は嫌だよねぇ。

「分かれば良いんだよ。お前らの家は俺らの奴隷と同じようなもんだ。あぁ、バッチもくれ。今7個なんだ

よ。」

 素直にバッチを差し出す被害者。7個だから10個になるように3つ差し出した。

「いいねぇ物分かりが良くて。奴隷から犬にランクアップさせてやる。」

 余り嬉しくないランクアップ。

 また今度なぁ~と言いながら去っていく男に対して被害者君はボロボロだ。

 昔の自分を見てるようだ。そう思ったのが原因なのか分からないが俺はその被害者君に急いで向かった。

「だ、大丈夫………か?…………」

「き、君は同じクラスの…………」

 ん?同じクラス?こいつのこと知らないぞ俺。て言うか、傷が痛そうだ。鼻血が出て手足も腫れている部分が

ある。畜生、中学一年生の頃の人間缶けりを思い出す。ああ忘れろ!今はこいつだ。

「りょ……寮に、、運ぶ、ぞ………」

 俺は被害者君をおんぶする。バックを左手に右手で被害者君を安定させる。

 軽いな。背中からは筋肉質と感じるが軽い。案外楽そうだ。
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