幸せが終わるとき。(完結)

紫苑

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WEBサイト版別バージョン編

乙女の煩い癖。

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貴方を愛しきれなくて、

それでも求められる喜びを肌で感じながら、

「あっ…レア…もっと…」

二人温めあい、求める幸せ。
自然といやらしい水音が闇夜に響く。ライトだけの間接照明がレアを映し、自分を全て見られる羞恥心よりも、

「早く…ぅっ…いや…」

動かす手、優しい指、そして絡み合う身体。男と女の違いを感じながら、締め切ったカーテンを眺めると、自分がこんなにも誰かを激しく求めたのは生まれて初めてだとぼんやり思うと、レアが自分に軽く甘いキスをくれる。

そうして、足を絡めながら…耳元で「欲しい」とだけ囁かれる。

誰かにこうして身体を切り開く覚悟をしてはいたものの、少し怖い。

自分が自分じゃなくなりそうな甘い感覚に惑わされて、羞恥より怖さよりも、自分は快楽を貪る。OKの返事の代わりに私から深い口づけを交わすと、余裕のない顔つきになりながら、彼が自分にはいってきた。

「いた…ぁあっ…んぅ…」

痛い感覚も忘れないで、記念にしよう。
身体を引き裂かれるような痛みかと思えば、指をれられた初めての感覚を超越するような芯まで入る何かが自分には不思議だった。まるで迷い込んだ迷子みたいに、深い森の中に痛い中にも気持ちよさを見つけた。

ゆっくりと遠慮がちだったレアが段々全体を回しながら、奥へ奥へと突き進む。余裕のなくなってくレアに、

「好き…好きぃっ…大好き。あぁあ…っ…んぅうう」

囁くような挑発愛の言葉。腰を同じように合わせて振れば、自分がえらく淫らな女になってしまった気分になる。緊張なんてものは、射れられた瞬間忘れてしまいそう。キスマークのつけ方なんて恥ずかしいので、背中にの証をつけて。

「ひゃっ…んんんぅっ…ん?」

チュンチュンと、鳥の鳴く声が聞こえる。私は…あれぇ?私の名前はティアナ。ちなみに、横には彼氏メシア。最低の女だ。元彼レア?を思い出しながら、抱かれる夢を見るなんて。

自分がこんなにもいやらしいなんて知らなかったし、知りたくもなかった。恐らく、メシアからレアが彼の父親だと聞いたからだろうか。メシアが、この太ももを伝う愛液に気づかないといいけれど。最近メシアがやけに積極的にH初体験を迫ってくる。私は、何故だか決心がつかなくて、医大生になった彼の部屋で一緒に眠ることになってる。

「慣れたら…いいかな?ティアナが初めてだって分かってるし、無理強いしないから。好きだよ」

キラキラの笑顔で囁かれると、目が潤んでて、それでもって、髪はハネハネな寝癖付きというギャップで来られたら、落ちない女の子なんて私ぐらいだと思うんだけど。起き上がり、時計を見ると大学には余裕で間に合いそうな時間で胸をなでおろす。

「贅沢なのかなぁ。知られたら恥ずかしいよぉ。」

その瞬間、グイと腕を引っ張られる。バランスを崩して、ベットの横の人物の上にとさっと乗る形になる。そして、最高に目覚めのいいメシアは私に意地悪な顔で微笑む。

「ひゃぁっ…??」
「おはよう、ティアナ」
「も、もう…!メシア、何するの!」
「だって…時間があるんだし、他のことしようかと」
「え…」

ドキッと心拍数が上がる。足の愛液をどう誤魔化そうかと思ったけれど、顔が真っ赤になってくのが分かる。このまま、メシアとしちゃうのもありなのかなと血迷ったことを思いながら、メシアの指が私の首筋を這うようにパジャマの背中を撫でた。

「やっ…あ…」

思い出すレアとの夢の情事。

身体中があの熱を一瞬で駆け巡る、一種の血液のように私の心を縛った。

胸を触ろうとするところで、メシアがそっと指を引き抜き、

「朝ごはん食べようか」
「え…あっ…はい」

―足を触られなくてよかったー!!!
気付いていそうなような気がするのは私だけだろうか。
レアがメシアの父親だと知ってから私は変になってしまった。レア彼女クレハを私に重ねてしまった感覚と似ている。私はメシアが好きだ。恋心もあると思うし、何しろ初めての彼氏で…

「何年続いてると思ってるのよ。」と頭をこつっと拳で自らツッコむと、

「ティアナ、面白いね…くく」と分かってるのか分かってないのか分からないような相変わらずな意地悪で歪む口元とは変わり、目だけが愛おしい者を見るような優しい目で私を見るので、

「馬鹿メシア」
「な、何で?ほんと…面白いよね、ティアナ…ぷっ、あはは!」

と目に涙が浮かびそうなほど、失礼なほど目の前の人物は笑うのだった。

「もー!それが彼女に言うことなの!!」
「…愛の言葉でも囁いてあげようか?」

メシアがニッと笑うと、「あのあのあの…」と真っ赤になり狼狽してしまう。でも、知ってる。これは「からかう目」だ!!と言うことに。ひとしきり軽いじゃれあいをした後、

「ごちそうさま、相変わらず料理上手だよね。美味しかったよ」
「め、めめめメシア、やっぱり今日もしないとダメ?」
「…ダメだよ。行ってきますのキスは約束でしょ?…ないと襲うからね」
「~~~!!も、もう!」

高くなった背をしゃがんで、目を瞑って待っている。
なので、恥ずかしながらも整った綺麗な唇にチュッと軽くキスをした。

「ん、ありがとね」

これは言わないけれど、そう言って…微笑んだ目元が、レアに似ていて胸が痛んだ。

毎回、朝のキスの度に受ける私の傷は誰も知らなくていいの。

そして、先に出るメシアを見送って、私は最初は泣いていた。だけれども、いつもそうはいかないので、私は徐々に泣かなくなったの。

メイクと髪のヘアセットを済ませると、私は学校に向かうの。
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