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プロローグ
しおりを挟む別におかしなことはしていない。
命令された別館の掃除をこなすために大量の用具を担いでいたら、珍しく普通に声をかけられて、驚いて思わず振り向いてしまっただけだ。
「ローリア?今日は何をするの?」
迷ってるようだったから道順を教えただけで、特別親切にしたとか、そういったことはしていない。
ーーなのに、どうしてだろうか。
キラキラと輝く白金の髪と、綺麗な白い肌。それを引き立たせるような黒い仕立ての良い服と、長い手足。
そしてーーその美貌。
切れ長気味の目と、通った鼻筋、薄い唇。そのどれもがまるで彫刻のように完璧な位置に配置されているその美しさは、見つかればまず間違いなく神官たちが放っとかないだろう。
そんな彼が、どうしてこんな疫病神なんて呼ばれる私なんかに構ってくれるのだろうか。
ーーどうして、明らかに冴えない地味な雑用係の友人をしてるんだろうか?
「ローリア、聞いてる?」
「あ、はい、聞いてます」
おかしい、これは絶対におかしい。
いくら世間知らずの私でも分かる。
こんなカッコいい人が、可愛いの「か」の字もない私なんぞに笑いかけてるこの状況が、絶対におかしいことくらい。
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